29 / 53
第28話 お見舞い その2
しおりを挟む
木華ちゃんのお姉さんが、遠く成って行くのを確認しながら音羽ちゃんは言う。
「ふ~ん。あれが木華のお姉さんか…。真面目そうな人だね」
「うん。真面目そうだね!」
「お姉さんはりっぱなのに、木華はあれ…。凄い姉妹だね……」
「あはは……たしかに…」
「しかし、食べ過ぎか…。木華らしいけど、まぁ、食べ過ぎなら心配はさほど無いね!」
何だかんだで、木華ちゃんを気にする音羽ちゃん。
「さてと…。木華休みなら、早く行こうか、恵那ちゃん!」
「うん、そうだね!」
木華ちゃん悪い病気でなくて良かった。
そう思いながら、学校に向かう私達だった。
☆
放課後……
学校の帰り道。
今日は音羽ちゃんと一緒に帰っているけど……、私は木華ちゃんの事が気に成っていた。
「ねえ、音羽ちゃん…」
「どうしたの、恵那ちゃん?」
「今日さ……木華ちゃんのお見舞いに行かない?」
「木華のお見舞い!?」
「けど、ただ、食べ過ぎでしょ。お見舞いに行く程でも無いよ!」
音羽ちゃんは私の提案を拒否する。
けど、私はお見舞いに行くべきだと感じていた。
「うん。でもさ……日中1人で、寂しくないかなと考えたらさ、急にお見舞いに行きたいなと思って……」
「!」
私がそう言うと、音羽ちゃんは、何かに気付いた表情をした。
「そうだね…。1人で家に居るのは寂しいかも知れないね…」
「だから行こうよ、木華ちゃんのお見舞い。音羽ちゃん!」
「なら、行こうか。木華のお見舞い」
音羽ちゃんと一緒に、木華ちゃんのお見舞いに行く事にした。
病気になると急に人淋しくなるし、木華ちゃんの顔が見たく成ったから。
家に帰ってから早速、音羽ちゃんと木華ちゃんのお見舞いに行く。
手土産は無いけど、子どもだから問題無いよね?
ちなみに音羽ちゃんが、木華ちゃんの家に行くのは初めてだ。
……
「此処が木華の家か~~」
「初めて来たけど……中々、時代を感じる家だね」
音羽ちゃんが繁々と家を見ている。
洋風2階建ての家が多い中、木華ちゃんが住んでいる家は、和風の1階建て(平屋建て)で有る。
私の家も音羽ちゃんの家も、洋風デザインの家で有る。
「行こうよ、音羽ちゃん」
「うん…。1階建てなんて珍しいね。それにかなり古そうだし……」
「そうだね。20年以上は経ってそうだね……」
家の事は詳しくないが、私は勘で言ってみる。
「そう言えば、木華の親戚の人って、どんな人なの恵那ちゃん?」
音羽ちゃんは、木華ちゃん達と住んでいる親戚の人を聞いてきたが、私もまだ会った事は無かった。
「実は見た事無いんだ…」
「木華ちゃんが“お兄ちゃん”と呼んでいるから、若い人じゃ無いのかな?」
「ふ~ん。じゃあ、この家は借家かな?」
「それとも、中古物件でも家を買える程の裕福の人かな?」
「どんな人なんだろうね?」
「まぁ、お見舞いに行こう!」
2人共、木華ちゃん親戚の人を想像しながら玄関に向かう。
「あれ?」
「この家……インターホン無いね?」
「こっちだよ。音羽ちゃん!」
木華ちゃんの家は、目立つデザインのインターホーンは付いてない。
少し分かりにくい場所に、インターホーンが付いている。
でも、これをインターホーンとは言わないかも知れない?
引き戸の右端柱に付いている、少し小さい押しボタンを私は差す。
「これだよ! 音羽ちゃん!!」
「これか……。古そうなインターホーンだね」
音羽ちゃんがインターホンを押すと『ビ~~♪』とブザー音が鳴り、しばらくすると足音が聞こえてきた。
腹痛の木華ちゃんが応答はしないから、誰かが家に帰って来ているのだろう。
私と音羽ちゃんは『もしかしたら、例の親戚の人かな?』と、話しながら相手が出て来るのを待った。
「ふ~ん。あれが木華のお姉さんか…。真面目そうな人だね」
「うん。真面目そうだね!」
「お姉さんはりっぱなのに、木華はあれ…。凄い姉妹だね……」
「あはは……たしかに…」
「しかし、食べ過ぎか…。木華らしいけど、まぁ、食べ過ぎなら心配はさほど無いね!」
何だかんだで、木華ちゃんを気にする音羽ちゃん。
「さてと…。木華休みなら、早く行こうか、恵那ちゃん!」
「うん、そうだね!」
木華ちゃん悪い病気でなくて良かった。
そう思いながら、学校に向かう私達だった。
☆
放課後……
学校の帰り道。
今日は音羽ちゃんと一緒に帰っているけど……、私は木華ちゃんの事が気に成っていた。
「ねえ、音羽ちゃん…」
「どうしたの、恵那ちゃん?」
「今日さ……木華ちゃんのお見舞いに行かない?」
「木華のお見舞い!?」
「けど、ただ、食べ過ぎでしょ。お見舞いに行く程でも無いよ!」
音羽ちゃんは私の提案を拒否する。
けど、私はお見舞いに行くべきだと感じていた。
「うん。でもさ……日中1人で、寂しくないかなと考えたらさ、急にお見舞いに行きたいなと思って……」
「!」
私がそう言うと、音羽ちゃんは、何かに気付いた表情をした。
「そうだね…。1人で家に居るのは寂しいかも知れないね…」
「だから行こうよ、木華ちゃんのお見舞い。音羽ちゃん!」
「なら、行こうか。木華のお見舞い」
音羽ちゃんと一緒に、木華ちゃんのお見舞いに行く事にした。
病気になると急に人淋しくなるし、木華ちゃんの顔が見たく成ったから。
家に帰ってから早速、音羽ちゃんと木華ちゃんのお見舞いに行く。
手土産は無いけど、子どもだから問題無いよね?
ちなみに音羽ちゃんが、木華ちゃんの家に行くのは初めてだ。
……
「此処が木華の家か~~」
「初めて来たけど……中々、時代を感じる家だね」
音羽ちゃんが繁々と家を見ている。
洋風2階建ての家が多い中、木華ちゃんが住んでいる家は、和風の1階建て(平屋建て)で有る。
私の家も音羽ちゃんの家も、洋風デザインの家で有る。
「行こうよ、音羽ちゃん」
「うん…。1階建てなんて珍しいね。それにかなり古そうだし……」
「そうだね。20年以上は経ってそうだね……」
家の事は詳しくないが、私は勘で言ってみる。
「そう言えば、木華の親戚の人って、どんな人なの恵那ちゃん?」
音羽ちゃんは、木華ちゃん達と住んでいる親戚の人を聞いてきたが、私もまだ会った事は無かった。
「実は見た事無いんだ…」
「木華ちゃんが“お兄ちゃん”と呼んでいるから、若い人じゃ無いのかな?」
「ふ~ん。じゃあ、この家は借家かな?」
「それとも、中古物件でも家を買える程の裕福の人かな?」
「どんな人なんだろうね?」
「まぁ、お見舞いに行こう!」
2人共、木華ちゃん親戚の人を想像しながら玄関に向かう。
「あれ?」
「この家……インターホン無いね?」
「こっちだよ。音羽ちゃん!」
木華ちゃんの家は、目立つデザインのインターホーンは付いてない。
少し分かりにくい場所に、インターホーンが付いている。
でも、これをインターホーンとは言わないかも知れない?
引き戸の右端柱に付いている、少し小さい押しボタンを私は差す。
「これだよ! 音羽ちゃん!!」
「これか……。古そうなインターホーンだね」
音羽ちゃんがインターホンを押すと『ビ~~♪』とブザー音が鳴り、しばらくすると足音が聞こえてきた。
腹痛の木華ちゃんが応答はしないから、誰かが家に帰って来ているのだろう。
私と音羽ちゃんは『もしかしたら、例の親戚の人かな?』と、話しながら相手が出て来るのを待った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
黒地蔵
紫音
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様

昨日の敵は今日のパパ!
波湖 真
児童書・童話
アンジュは、途方に暮れていた。
画家のママは行方不明で、慣れない街に一人になってしまったのだ。
迷子になって助けてくれたのは騎士団のおじさんだった。
親切なおじさんに面倒を見てもらっているうちに、何故かこの国の公爵様の娘にされてしまった。
私、そんなの困ります!!
アンジュの気持ちを取り残したまま、公爵家に引き取られ、そこで会ったのは超不機嫌で冷たく、意地悪な人だったのだ。
家にも帰れず、公爵様には嫌われて、泣きたいのをグッと我慢する。
そう、画家のママが戻って来るまでは、ここで頑張るしかない!
アンジュは、なんとか公爵家で生きていけるのか?
どうせなら楽しく過ごしたい!
そんな元気でちゃっかりした女の子の物語が始まります。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる