恵那のどたばた日記

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
23 / 53

第22話 ある日の休日

しおりを挟む
 今日は日曜日。もちろん学校もおやすみ!♪
 何時もは、私(恵那)が朝食を作っているが、土曜日や日曜日はお姉ちゃんが朝食を作る。

 朝…。私はふっと目を覚ます。
 寝ぼけ眼で目覚まし時計を見ると、午前7時を過ぎたところだった。

(7時か……。どうしよ。もう少し寝ようかな…)
(今日はお姉ちゃんが、朝食を作る日だし……)

 心の中でそんな事を考えて、軽く目つぶったが……そのまま再び眠りに入ってしまう。

 ……

「恵那~。起きて~~!」

 誰かが、私を起こす。
 誰かと言っても、1人しか居ないけど。

 私は、ゆっくりまぶたを開くと……見慣れた顔が飛び込んでくる。
 どうやら、二度寝をしてしまった様だ!

「あっ、お姉ちゃん…。おはよう」

「おはよう、恵那。朝ご飯出来たわよ!」

「うん、じゃあ、起きる……」

 お姉ちゃんは、私がベッドから出るのを確認すると『じゃあ、下に行くね!』と言い、部屋を出ていく。
 寝間着から普段着に着替えて、顔を洗ってから、台所に向かう。

 今日の朝食は目玉焼き、ウインナー炒め、カップスープ、トースト。
 私が作る朝食は和食だけど、お姉ちゃんは洋食を作る。
『お姉ちゃんは洋食の方が好きなの?』と、以前聞いてみたら『だって洋食の方が楽そうだから!』と答えた。
 お姉ちゃんは、あまり料理が得意では無いようだ。

 ……

 お姉ちゃんと一緒に朝食を食べた後は、2人リビングでくつろぐ。
 今日は休日だが、お姉ちゃんの予定を聞いてみる。

「お姉ちゃん。今日の予定は?」

「今日? 特にないわよ!」

 お姉ちゃんはそう答えた。
 なら、お家の事を手伝って貰おう!

「じゃあ、お姉ちゃん。今日、お風呂掃除して欲しいんだけど!」

 私は和やかな表情でお願いをするが……

「げっ、風呂掃除か!(汗)」
「……ちなみに恵那は、何処を掃除するの?」

「私!?」
「私は部屋全体の掃除機掛けと、トイレ掃除。逆が良い?」

「う~ん…。風呂掃除で良いや…!」

「じゃあ、お願いね!」
「お姉ちゃん!!」

 ……

 休日。お互い特に予定が無ければ、自動的に掃除の日になる。
 平日は最低限の所しか掃除出来ない。
 だからこそ、休日は掃除を重点的に行う。

 リビングでくつろいだ後は、お互い掃除に掛かる。
 私は掃除機を使って、部屋の掃除を始める。

 涼しく成って来ているとは言えども、まだ残暑が厳しい。
 私は首にタオルを巻きながら、掃除機を掛けていると……

『ピンポーン♪』

 部屋の掃除機掛けが、ほぼ終わった所で玄関チャイムが鳴る。
 私は部屋内に有るインターホンに向かい、“応答”ボタンを押す。

「はい……」

「あっ、恵那ちゃん。音羽だけど…」

「あっ、音羽ちゃん!」
「こんにちは~~。どうしたの…?」

「うん、こんにちは~~。ねえ今から、一緒に本屋さん行かない?」

「本屋さん…?」
「う~ん、ちょっと待っていてね…。今、お姉ちゃんに予定を聞いてくる」

「うん……」

(音羽ちゃんが、買い物に誘ってくるとは珍しいな)
(行きたいのは山々だけど、掃除が中途半端だし……)

 部屋の掃除機掛けは終わっているけど、まだトイレ掃除が残っている。
 少し、音羽ちゃんには待って貰って、お風呂掃除をしている、お姉ちゃんの所に向かった。

 ……

「行ってきなさいよ~~。恵那!」

 音羽ちゃんが誘いに来た事をお姉ちゃんに話す。
 するとお姉ちゃんは、あっさり『行ってきなさいよ』と言ってくれた。

「えっ、でも、トイレ掃除が…」

「恵那。そんなの良いわよ~~!」
「トイレ掃除はお姉ちゃんがやっておくから、恵那は音羽ちゃんと遊びに行きなさい!」

「本当に良いの…?」

「ふーん。恵那は駄目って言って欲しいんだ!!」

 悪戯っぽく言うお姉ちゃん!?

「!!」
「……そうじゃなくて」

「じゃあ、行ってらっしゃい!」
「掃除も大事だけど、友達と遊ぶ方がもっと大事だわ!!」

「……お姉ちゃん、ありがとう」
「じゃあ、音羽ちゃんと遊びに行ってくるね!!」

「行ってらっしゃい、恵那!」
「車に気をつけるのよ!!」

 ……

 私は汗で汚れた服を着替え、玄関で待っていてくれる音羽ちゃんの所に向かう。
 今日は何時もと違う、休日の流れになりそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

昨日の敵は今日のパパ!

波湖 真
児童書・童話
アンジュは、途方に暮れていた。 画家のママは行方不明で、慣れない街に一人になってしまったのだ。 迷子になって助けてくれたのは騎士団のおじさんだった。 親切なおじさんに面倒を見てもらっているうちに、何故かこの国の公爵様の娘にされてしまった。 私、そんなの困ります!! アンジュの気持ちを取り残したまま、公爵家に引き取られ、そこで会ったのは超不機嫌で冷たく、意地悪な人だったのだ。 家にも帰れず、公爵様には嫌われて、泣きたいのをグッと我慢する。 そう、画家のママが戻って来るまでは、ここで頑張るしかない! アンジュは、なんとか公爵家で生きていけるのか? どうせなら楽しく過ごしたい! そんな元気でちゃっかりした女の子の物語が始まります。

【総集編】日本昔話 パロディ短編集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。  今まで発表した 日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。 朝ドラの総集編のような物です笑 読みやすくなっているので、 ⭐️して、何度もお読み下さい。 読んだ方も、読んでない方も、 新しい発見があるはず! 是非お楽しみ下さい😄 ⭐︎登録、コメント待ってます。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

黒地蔵

紫音
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

処理中です...