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第11話 お姉ちゃんのアルバイト先
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お姉ちゃんは大学生で有るが、私みたいに平日は、必ず学校には行かなくては良い。
お姉ちゃんは時間の合間を使ってアルバイトをしている。
お父さんやお母さんが達と暮らしていた時は、気に成らなかったけど、今はお姉ちゃんと2人暮らしで有る。
晩ご飯の担当はほぼ私で有るが、冷めた食事よりも温かい食事の方が美味しいに決まっている。
リビングの壁には少し大きめのホワイトボードが掛けてあり、私とお姉ちゃんの予定や連絡事項などを書き込む様に成っている。
☆
ある日の夜……
お姉ちゃんは、今週の予定をホワイトボードに書き込んでいた。
今週は結構アルバイトが入っているようだ。
「ねぇ……お姉ちゃん?」
「んっ……恵那どうした?」
「お姉ちゃんって、何処でアルバイトしているの?」
「お店の店員さん何だよね?」
「ええ、そうよ!」
「でも……この町って、あまりお店無いよね」
「学校近くなの?」
お姉ちゃんが大学に通うのは、家から最寄り駅までは車を使って、後は公共交通機関で有る。
電車で1時間位掛る場所に、お姉ちゃんの通っている大学は有る。
「あれ?」
「恵那には言ってなかった?」
「?」
「私は直売所でアルバイトしているのよ!」
直売所……
農家の方々達の野菜や、その加工品等を販売するお店。
規模が大きい所だと、お米やお肉、惣菜品を扱っている所も有る。
「そんな所、近くに有ったけ……?」
私は首を傾げる。
「恵那にはまだ、馴染みが無いかも知れないわね」
「私達が食べているお米……。あれ、直売所で買って来ているのよ」
お姉ちゃんはそう言う。お米の担当はお姉ちゃんで有る。
私が10kgの米袋をスーパーで買って、それを持ち帰るのは大変だからだ。
言われて見れば、スーパーで売っている米袋とは違う袋に入っていた。
「直売所なら、飲食店やスーパーと比べて夜は遅くならないし、シフトの融通も多少は利くからね」
「本当は野菜類も安く買える時も有るけど、いきなり野菜を渡されても困るかなと思っていたから、野菜は買ってなかったの」
「そうだったんだ……」
「私は、ショッピングモールに入っているお店屋さんだとずっと思っていた」
「まぁ、そう言う事!」
「恵那……野菜は欲しい?」
「今の時期なら、ナスやキュウリなら安く買えるよ」
「有っても困らない野菜だけど……日持ちがしにくい野菜だね」
「後は何が売って有るの?」
「まぁ、その辺に関しては、今度連れってあげるよ!」
「近所のスーパーとはまた違った楽しさが有るよ!」
「家から車で20分位の所だから」
「出来れば、お姉ちゃんが働いている姿が見てみたいな!」
「そっ、それは勘弁して!!」
「身内や友達に見られるのは恥ずかしいから///」
お姉ちゃんは恥ずかしがりながら言う。
だから、遅くても夜の19時前には必ず帰ってこられるのか!
普通のお店だと、20時位まで営業している所が多いから、変だとはずっと思っていた。
「あれ……?」
「でも、お姉ちゃん……。直売所なら朝は早いよね?」
私がそう言うと、お姉ちゃんは恥ずかしそうに言う。
「まぁ……その辺は、恵那の事が有るから…、早出だけは勘弁して貰っているよ!」
「……お姉ちゃん」
「音羽ちゃんがお向かいだからと言っても安心は出来ないからね」
「恵那が6年生に成ったりとか、お父さん達が帰って来たら、その辺はまた考えるけど……」
「……」
私は言葉が出なかった……。ちゃんと私の事、考えてくれているんだ。
何だかんだと言っても、私とお姉ちゃんは姉妹で有って、家族だと実感した。
お姉ちゃんは時間の合間を使ってアルバイトをしている。
お父さんやお母さんが達と暮らしていた時は、気に成らなかったけど、今はお姉ちゃんと2人暮らしで有る。
晩ご飯の担当はほぼ私で有るが、冷めた食事よりも温かい食事の方が美味しいに決まっている。
リビングの壁には少し大きめのホワイトボードが掛けてあり、私とお姉ちゃんの予定や連絡事項などを書き込む様に成っている。
☆
ある日の夜……
お姉ちゃんは、今週の予定をホワイトボードに書き込んでいた。
今週は結構アルバイトが入っているようだ。
「ねぇ……お姉ちゃん?」
「んっ……恵那どうした?」
「お姉ちゃんって、何処でアルバイトしているの?」
「お店の店員さん何だよね?」
「ええ、そうよ!」
「でも……この町って、あまりお店無いよね」
「学校近くなの?」
お姉ちゃんが大学に通うのは、家から最寄り駅までは車を使って、後は公共交通機関で有る。
電車で1時間位掛る場所に、お姉ちゃんの通っている大学は有る。
「あれ?」
「恵那には言ってなかった?」
「?」
「私は直売所でアルバイトしているのよ!」
直売所……
農家の方々達の野菜や、その加工品等を販売するお店。
規模が大きい所だと、お米やお肉、惣菜品を扱っている所も有る。
「そんな所、近くに有ったけ……?」
私は首を傾げる。
「恵那にはまだ、馴染みが無いかも知れないわね」
「私達が食べているお米……。あれ、直売所で買って来ているのよ」
お姉ちゃんはそう言う。お米の担当はお姉ちゃんで有る。
私が10kgの米袋をスーパーで買って、それを持ち帰るのは大変だからだ。
言われて見れば、スーパーで売っている米袋とは違う袋に入っていた。
「直売所なら、飲食店やスーパーと比べて夜は遅くならないし、シフトの融通も多少は利くからね」
「本当は野菜類も安く買える時も有るけど、いきなり野菜を渡されても困るかなと思っていたから、野菜は買ってなかったの」
「そうだったんだ……」
「私は、ショッピングモールに入っているお店屋さんだとずっと思っていた」
「まぁ、そう言う事!」
「恵那……野菜は欲しい?」
「今の時期なら、ナスやキュウリなら安く買えるよ」
「有っても困らない野菜だけど……日持ちがしにくい野菜だね」
「後は何が売って有るの?」
「まぁ、その辺に関しては、今度連れってあげるよ!」
「近所のスーパーとはまた違った楽しさが有るよ!」
「家から車で20分位の所だから」
「出来れば、お姉ちゃんが働いている姿が見てみたいな!」
「そっ、それは勘弁して!!」
「身内や友達に見られるのは恥ずかしいから///」
お姉ちゃんは恥ずかしがりながら言う。
だから、遅くても夜の19時前には必ず帰ってこられるのか!
普通のお店だと、20時位まで営業している所が多いから、変だとはずっと思っていた。
「あれ……?」
「でも、お姉ちゃん……。直売所なら朝は早いよね?」
私がそう言うと、お姉ちゃんは恥ずかしそうに言う。
「まぁ……その辺は、恵那の事が有るから…、早出だけは勘弁して貰っているよ!」
「……お姉ちゃん」
「音羽ちゃんがお向かいだからと言っても安心は出来ないからね」
「恵那が6年生に成ったりとか、お父さん達が帰って来たら、その辺はまた考えるけど……」
「……」
私は言葉が出なかった……。ちゃんと私の事、考えてくれているんだ。
何だかんだと言っても、私とお姉ちゃんは姉妹で有って、家族だと実感した。
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