恵那のどたばた日記

小春かぜね

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第10話 あめ

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『今日は全国的に1日雨でしょう。―――』

 ラジオから流れる天気予報。
 今朝はラジオを聞きながら、私とお姉ちゃんは朝食を取っている。

「1日雨か~~」
「嫌な時期だね~~」

 お姉ちゃんは、小鉢のたくわんを箸で掴みながら言う。

「雨嫌だな~~。今日は買い物行かないと行けないのに…」

 私がそう愚痴をこぼすと、お姉ちゃんが反応する。

「なら、お姉ちゃん買ってこようか。今日は学校だけだし」

「じゃあ、お願いしようかな」
「……でも、まだ献立決めていないんだ」

「なら、一緒に買物行こうか?」

 お姉ちゃんが、珍しくそう言ってくる。
 お姉ちゃんの車で、買物に行ければ天気なんて殆ど関係無くなる。

「うん!」
「たまには2人で、買い物も良いかも!!」

 今日の買物は、私の学校が終わった後、お姉ちゃんと一緒に行く事に成った。

 ☆

 私は学校が終わり、直ぐ家に帰る。

「ただいま~」

「おかえり、恵那。早速行きましょうか!」

「うん!」

 お姉ちゃんの車で近所のスーパーに向かう。
 車なので、ほんの数分でスーパーに到着する。
 
 近所のスーパー……

「恵那。今日はどんな献立にするの?」

 お姉ちゃんが献立を聞いてくる。

「うんとね~~、今日は肉が安そうだから、肉料理にしようかな?」

「肉ねえ~」

 何故かお姉ちゃんは、不満そうに言う。

「肉、いやだ?」
「でも、肉好きだよね?」

「いや……そうでは無いのだけど、ちょっとね…」

 お姉ちゃんは自分のお腹をさすって、私にPRしてくる。
 どうやら、お腹周りを気にしているみたい。

「じゃあ、今日は鮭でも焼く?」

「うん、私は鮭で良いわよ」

「じゃあ、鮭と……」

 鮭を買物カゴに入れる。

「後は…、味噌汁と何か適当な1品で良いかな?」

「ええ、良いわよ!」

「今日の献立は決まった…。明日は何にしよう?」

「明日ねえ~~。思い付かないから恵那に任せるわ!」

「そう!」
「だったら、明日は豚の生姜焼きだね!」

「……」

 お姉ちゃんは、複雑な顔をしていた。

「どうしたの、お姉ちゃん?」

「いや…結局、お肉さん来るんだ…」

「だって…、豚肉が安いから、お肉買わないと?」
「まあ、たしかね…」

 ……

 無事に買い物が終わり、私とお姉ちゃんは家に帰る。

「献立……。毎日、考えるのは大変だね」

 私が冷蔵庫に食材を仕舞っていると、お姉ちゃんは私に言ってくる。

「うん。面倒くさい……」
「お金と栄養のバランスを上手にするのは、本当に難しい……まだ、料理のレパートリーも少ないし…」

「恵那!」
「お姉ちゃんも、手伝える事何でも手伝うから、その時は私を頼ってね!」

 お姉ちゃんは、私の料理作りの大変さを少しは理解してくれたみたい……
 私はお姉ちゃんに控えめに『ありがとう』と答えた。
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