チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―自炊スキルを生かし、俺は異世界で養護施設を切り盛りしながら魔王も討伐する―

小春かぜね

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攻勢をかけ始める魔王軍

第27話 勝った事は勝ったが……

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 アスの攻撃魔法でに成っているゴブリンから、俺は逃げ出して、リンは俺の元に駈け寄る。
 俺はうめき声を出しながら、リンと合流する。

「ぐうぅぅーーー」

「スズヤさん///」
「直ぐに、治して上げますからね!///」

「スイスイ!」

『キラーン☆』

 リンは焦った表情で言いながら、回復魔法で有る『スイスイ』を掛けてくれる。
 青白い光が、俺を優しく包む。

『グル、グル、―――』

「……凄いな。痛みが一気に引いた…!」
「RPGの世界も、こんな風に回復していたよな…」

 絶対に両肩骨折や、すじの断裂が起きていたのに……俺は両肩を回しながら、感心した表情で呟く。
 大破していた俺の両肩は『スイスイ』一発で、完治した感じだ。

 これも、リンが飲んだ丸薬のお陰だろうか?

「グオォォォーーー」

『ゴロ、ゴロ、―――』

「グオォォォーーー」

『ゴロ、ゴロ、―――』

「…………」

 アスの攻撃魔法でにされたゴブリンは、一体目と同じ様に地面を転げ回っている。
 一体目の方は……既に絶命した感じだ。

 もう一体の方も、時間の問題だろう。
 俺は申し訳ない表情で、リンにお礼を言い始める。

「リン…。ありがとう!」
「そして、無様な姿を見せてしまったな…///」

「……仕方ないですよ。スズヤさん!」
「スズヤさんは、普通の男性何ですから…!」

 リンは困った微笑み表情で俺に話す。

『てく、てく、―――』

「…………」←ゴブリンの死骸

「……」

 ゴブリン二体目の方も絶命したらしく、俺とリンが話している間。アスは澄ました表情で近付いてゴブリン絶命確認をしている。
 大型コウモリの時もで有ったが、アスは用心深い性格の様だ。

 確認を終えたアスは、俺とリン側に来てから疲れた表情で話し始める。

「短時間で二発の魔法を唱えるのは、やはり大変でした…」

「あの時は、ありがとう。アス!」
「アスが魔法支援が無ければ、俺はゴブリンに殺されていたよ…」

 俺はバツの悪い表情でアスに話す。
 でも、アスは穏やかな表情で俺に話し始める。

「いえ、いえ」
「スズヤさんが時間稼ぎしてくれたお陰で、二体のゴブリンを倒す事が出来ました!」

「私だけでしたら一体目を倒す事が出来ても、二体目の襲撃で、間違いなく私はやられています…」
「ゴブリンの棍棒攻撃は、見掛けの割りに強力ですから……」

「俺も、ゴブリンを侮っていたよ!」
「マッチョチー牛の癖に、俺の両肩が一発で大破したから……」

『キョロ、キョロ、―――』

「……」

 アスの言葉の後。
 俺は、眉をしかめながらアスに話す。

 俺とアスが話している間。リンは周りの監視をしている。
 リンは周りを監視しながら、俺に落ち着いた口調で話し掛けてくる。

「スズヤさん。ゴブリンが何体侵入したかは分かりませんが、後はに来る気配は無いですね?」
「後はみんな。王国城へ向った可能性が高いです…!」

「これで、終わってくれると良いのだがな……リン」

 俺は悩んだ表情でリンに話す。
 再びゴブリンが現われても、アスが三発目の『ブランド』を打てるかは怪しいし、俺はリンに『スイスイ』で両肩を治して貰ったが、再び両肩を壊されるのも嫌で有る。

 だけど、予断を許さない状態で有るには変わりないから、俺は新たな敵が来ない事を祈りながら、三人で教会周辺の監視及び、教会の防御に努める。

 ……

 先ほどのゴブリンとの戦いから、1時間ぐらいの時間が経過した頃。
 神父が教会から出て来て、俺たちの側に近付きながら、和やかな表情で話し掛けてくる。

「スズヤ、リン、アス!」
「先ほど……王国城から伝書鳩が来まして、王国城に侵入したゴブリンは退治されたそうです!!」

「そして、市街地手前で起きていた、ゴブリンの群れとの戦いは、王国軍の勝利で終わったそうです!!」
「三人とも、ありがとうとお疲れ様でした!」

「……」

(神父はそう言うが、まだ、市街地の掃討が残っているよな?)
(でも、それは俺たちでは無く、軍の仕事だよな……)

 神父の言葉の後。
 俺は尋ねる表情で、神父に話し始める。

「神父!」
「では、俺たちは後。どれぐらい監視を続ければ良いのですか?」

「王国城の方や、P4ゲート付近で起きた大規模な戦闘が終わったそうですが、まだ市街地の掃討が残っていますよね?」

「スズヤ! 私の力で見る限り……市街地に魔物を感じる気配は感じない!!」
「だから、安心してくれたまえ!!」

 神父は、自信を満ちた表情で俺に話す。
 神父がそう言うのなら間違いないのだろう……

 ……

 俺は両肩を大破する怪我をしたが、リンの魔法で治してくれたので、俺の実質ダメージはノーダメージだ。
 だが、今後も必ずこの様な事は起きるだろうし、戦闘の度に大怪我をしていたら、リンも呆れてくるはずだ!

 そして何時も必ず。今日の様なパーティー組めるとは限らない。
 俺とリンだけの場合も有るし、俺単独だけの場合も有る。

 俺がこの世界で生きて行くには、もっと強く成らないと行けないし、リンは白魔法使いでも、樫の杖やピストル等を持ってでも戦って欲しい…!
 今回はやむを得ないが、次回からは前世界の理想で言えば、マシンガンを持ってリンには応戦して貰いたい!?

 流石のゴブリンも、マシンガンには勝てないだろう!
 そんな幻想を、俺は抱いていた……
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