チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―自炊スキルを生かし、俺は異世界で養護施設を切り盛りしながら魔王も討伐する―

小春かぜね

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異世界で子ども食堂を開きたい!

第14話 結果の行方……

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 ……

 俺とリンは昨日。予行練習をしているので、段取りよく調理は進んで行く。
 料理を食べる場所は、養護施設の食堂に当たる場所で食べる。

 この厨房では、俺とリンぐらいなら食事が摂れるが、それ以上の人数は無理そうだ。
 料理が8割ぐらいで来た時。神父が厨房にやって来る。

 多分。俺たちの様子を見に来たのだろう。
 俺はサンドイッチを作っており、リンもその手伝いをしている。

「スズヤ、リン!」
「料理作りは順調ですか?」

 神父は穏やかな表情で、俺とリンに向けて話す。
 神父は厨房テーブルに置いてある、出来たてのサンドイッチを見ると……不思議そうな表情をしながら俺に話し始める。

「スズヤ!」
「このパンに、何かを挟んで有る、食べ物は何ですか?」

「神父。この料理はサンドイッチと言う食べ物です!」
「パンとを同時に食べられる、優れものです!!」

「ほぉ~~。これは凄い、食べ物ですね!」
「いや~~。これは子どもたちも喜びそうですわ!!」

 神父は感心した表情で俺に話す。
 前世界でもサンドイッチが、嫌いな子どもはほぼ居なかった。

 神父は和やかな表情で、俺とリンに向けて話し始める。

「では、お二人さん」
「怪我や火傷は、しないように!!」

 ……

 厨房での調理作業を終えて、俺はリンと手分けをしながら、料理を養護施設の食堂に運び込む。
 スープは寸胴ごと運んで、食堂で各容器に小分けをして、サンドイッチは大きなトレイに一度乗せて、食堂で同じように小分けをする。

 ちなみに、厨房と養護施設の距離はそんなに離れていない。距離で言えば15m前後だ?
 また、トレイも蓋が出来る構造なので、雨の日でも問題なく運べる作りとなっている。

 量は約25人前で有ったが、俺とリンの二人で問題なく作れた。
 そして、お代わりが出来る様に、約25人前+@用意する。

 俺とリンは、養護施設の食堂で配膳作業を始める。
 シスターは、俺とリンが食堂に入った時には既にいたが、配膳作業を手伝う気は無かった。

 ☆
 
 間もなく、養護施設では夕食となる時間。
 食堂には、子どもたちがドンドン集まってくる。

「わぁ~~」
「なに、これ、凄い~~♪」

「あれ? この人達だれ??」
「でも、めちゃ、旨そう!」

「これ、おじさんたちが作ったの?」
「美味しそう!♪」

 男女の子どもたちは、普段見慣れない料理や、俺やリンを見て大はしゃぎしている。
 中には、早速質問してくる子もいる。この養護施設に、来客は少ないのだろう。

 シスターの約束通り。神父とシスターの料理もちゃんと用意する。
 神父も食堂に来て、これで養護施設の子どもたちと神父、シスターが揃う。

 上座の方には神父とシスターが座っており、俺とリンは神父の横で立っている。
 神父が席から立ち上がり、子どもたちに向けて、和やかな表情で話し始める。

「みなさん!」
「今日の夕食は、わたくしの右にいます、スズヤとリンが作ってくれました!!」

「スズヤとリンは、サンドイッチと言う食べ物を作ってくれて、スープも今日のは何時ものとは違います」
「神に感謝して、残さず食べましょう!」

「では、いただきます!」

『いただきます!』

「??」

 神父は言葉の後。食事の挨拶をするが、キリスト教系の割りには『いただきます』の言葉を使った!
 そして、子どもたちも同じ言葉を使う??

(……あれ?)
(本来なら……何か、長いお祈りをするのでは無いの!?)

(滅茶苦茶だろ。この異世界!??)
(だけど、リンの家でも普通に『いただきます』をしていたな……)

 俺は勉強が苦手で有るから、歴史なんて一部の歴史以外は知らないし、キリスト教などの宗教も名前だけしか知らない///
 もしかして『いただきます』は、どの世界でも通用する言葉なんだろうか!??

「わっ、美味しい~~♪」
「サンドイッチって、こんなに美味しいんだ~~♪」

「初めて食べるけど、凄いやこれ!」
「あの、おじさんとお姉ちゃん凄いや!!」

「スープもお母さん(シスヤ―)やおばさん(前厨房担当)が作るより、全然美味しい~~♪」

「~~~」

「~~~」

 サンドイッチやスープを食べ始めた子どもたちは、各席から歓声を上げ始める。
 俺とリンはその表情を、遠くから優しく見つめている。

 神父やシスターも、しばらくは俺とリンの様にその光景を眺めていたが、神父やシスターも料理を食べ始める。

「うむ!」
「このサンドイッチの味は、本当に素晴らしい!!」

 サンドイッチを一口食べた神父は、何処かのグルメ漫画みたいな表情で呟く。

みずから名乗り出るだけは有るね……」
「私が作るスープより、遙かに美味しい……」

 スープを一口飲んだシスターも、感慨深い表情で呟いている。
 俺の特製ライ麦パンサンドイッチと、リン母親自慢スープの組み合わせは、最強とも言えるだろう……

 ☆

 子どもたちは完食をして、神父やシスターも完食をする。
 子どもたちは皆、満足そうな表情をしている。

 やはりと言うか、成長期を迎えた子どもは、お代わりを求める子も多かった。
 お代わりは用意したつもりで有るが、お代わり分も綺麗に無くなった。

 俺の結果は目に見えていた。
 シスターは優しい表情をしながら、俺に話し始める。

「スズヤ!」
「言うまでも無く、あなたを教会厨房及び、養護施設厨房担当に任命します」

「明日からは無理でしょうから、来週からお願い出来ますか?」
「スズヤ?」

「はい。もちろん、お願いします!」
「シスター」

 俺は和やかな表情でシスターに話す。
 神父も『うむ、うむ』と頷いている。

 子ども食堂からは……少しかけ離れてしまったが、俺は養護施設。厨房担当の仕事に就く事が出来た!
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