ねことへびのであい。ー2ひきは仲良くなれるかなー

小春かぜね

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おまけ へびのねざめ♪

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 ……

 季節も冬から春に変わる……
 菜花という、アブラナ科の黄色い花も咲いて、私(ネコ)が住んでいる海辺の町にも春がやって来る。

 もうすぐ、桜という花が咲き始めるころ。
 私たちが住んでいる、とある場所で小さな変化がおとずれる。

『ボコッ!』

『にょろ、にょろ、―――』

「よく寝た~~♪」
「春が来た~~✿♪」

 一匹の蛇が、陽気な天気に釣られて穴から出て来る。
 蛇は笑顔で一人しゃべりをする。

 私はその時。何時ものお仕事でいなかったが、私の入っているコミュニティのボス猫が、蛇の対応する。

「あなたのことは、咲(私のこと)から聞いているわ!」
「咲は今。所用でいないけど、時期に戻って来るわ!!」

「これは、お久しぶりです。ボス猫さん」
「猫さんたちのおかげさまで、私は無事ぶじ。このように春を迎えることが出来ました。本当に感謝しています!♪」

「咲の言う通り。人に飼われていただけ有って、礼儀正しい蛇ね!」
「あなたのことに関しては、咲に一存させているから、久しぶりのこのねこ世界をしばらくは楽しんでいてください……」

 蛇は私のボス猫と、こんな会話をしたらしいにゃ。
 クールで少し冷たい感じがする私のボス猫だけど、案外思いやりが有るネコだにゃ!

 ……

「あっ、猫さん!♪」

 私は、何時のもお仕事を終えてコミュニティの居場所に戻ると、冬眠から目覚めた蛇が笑顔で出迎えてくれる!
 私も笑顔でをその場において、蛇にけ寄る。

「蛇さん♪」
「お久しぶりだにゃん!♪」

『ガシッ!』

 私は蛇に駈け寄ると、蛇は長い胴体を使って、私に絡みつくように抱き締めてくる!
 との再開だ。蛇も笑顔で私に話す。

「猫さん。お久しぶりです!♪」
「無事に、春を迎える事が出来ました!♪♪」

「元気そうで、良かったにゃん!」
「私も、蛇さんと再び会えて嬉しいにゃん!!」

 私も笑顔で蛇に話す。
 蛇と再会した私は早速、蛇と遊び始めようと思ったけど……蛇は、恥ずかしそうな表情で私に話し始める。

「猫さん…。私はお腹が空いています///」
「ですので、申し訳ないのですが…///」

 ☆

『タタッ、タタッ、―――』

 私は蛇を胴体に巻き付かせて、蛇が以前住んでいた場所に向かう。
 蛇はお腹が空いているらしいので、以前住んでいた場所に行って、其処にいるネズミを食べたいそうだ。

 この蛇は、ネズミが一番の好物らしい。
 私は普段より早足で、その場所に向かった。

「……」

「……」

 だけど、蛇が以前住んでいた場所は更地と成っていた。
 私たち二匹は、呆然した表情で更地の場所を見ていた。

 以前。ごちそうと成った、柿がみのっていた木も……なく成っていて『売り地』と書かれた看板が、ポツンと立っているだけで有る。
 間違いなく人間達が壊したのだろう……蛇は困った微笑み表情で私に話し始める。

「あはは……無く成っちゃいましたね(汗)」
「私の元住処が……猫さん(汗)」

「うん……無いね///」
「蛇さん///」

 私は、困った微笑み表情で蛇に言う。
 でも蛇は、和やかな表情で私に話し始める。

「……これも、猫さんのおかげです!」
「私はあの時。猫さんの言う事を聞いていなければ、間違いなく凍死していたでしょう」

「私も本当に、こう成るとは思っていなかったけど、良かったにゃん」

 私は、何とも言えない表情で蛇に話す。
 あの時強く言っておいて、良かったと感じる私もいた。

 だって、そうしなければ、私は蛇を見殺しにしていたから。

 ……

 蛇はネズミを食べそこなったけど、代わりに私が防波堤へ行って、私は可愛く鳴いて、ある釣り人からお魚をもらう!
 蛇はその間。更地の場所で待っていてもらう。

 私はその場所に戻ってきて、貰ったお魚を蛇の前に置く。
 蛇は喜んで、お魚を食べ始める。

『ポトッ!』

『パクッ♪』

「~~~♪」

「ふぅーー♪」
「猫さん、ありがとうございます♪」

「食べごたえの有る、お魚でした♪♪」

 お腹が膨れた蛇は、満足顔でお礼を私に言う。
 私も笑顔で蛇に話し始める。

「良かったにゃん。じゃあ、遊びに行こうか!」
「蛇さん!!」

「はい♪」
「猫さん♪♪」

 蛇は笑顔で答えた!

 ……

 その後は、私は蛇を胴体に巻き付かせながら、町の案内をしたり、エサが有りそうな場所を教える。
 猫が嫌いな人間はいるし、蛇なんかは嫌悪感を抱かれているから、近付かない場所も一緒に教える。

 最後は、人間達の目に付かない場所で、私たち二匹は花見を楽しむ。
 桜は見事な見頃を迎えていた。人間達も楽しそうに花見をしている。

「綺麗な花ですね!」
「初めて見ました。猫さん…」

 蛇は桜を見ながら、うっとりした表情で呟く。
 蛇は桜を知らないらしい?

「蛇さん。それは桜と言うんだよ!」
「この時期の短い間しか、見られない花なんだよ!!」

 私は和やかな表情で、蛇に教えて上げる。
 蛇は『へえーー』の表情で、桜を見ながら話し始める。

「これが、桜というのですか」
「外の世界には綺麗な物が有るのですね…!」

(あぁ。蛇さんは、外の世界を本当に知る前へ冬眠しちゃったから、外の世界を知っているようで知らないんだ)

 私が心の中で感じていると、蛇は困った笑顔で話し始める。

「私は猫さんと出会えて、本当に良かったと思っています!」
「もし、あの時。猫さんと出会えてなければ、私は冬眠すら出来ずに餓死がししていたでしょう……」

「私も、蛇さんと出会えて良かったと感じているにゃん!」
「ネコ以外の関係が出来たし、私は蛇さんは良いだにゃん♪」

 私は笑顔で蛇に話す。
 蛇も笑顔で私に話し始める。

「猫さん!」
「ずっと、でいましょうね!♪」

 私と蛇は桜を見ながら、更に友情を深めた。
 これからはドンドン暖かくなるし、私や蛇も活動期に入るから、二人で協力して楽しく生きて行こう!

 これからの毎日が楽しみだにゃん♪

 ……

 ☆おまけ へびのねざめ♪☆

 ☆おわり☆

 ☆完☆ 
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