心のリミッター

小春かぜね

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第333話 復讐もの

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 復讐系の漫画やドラマを見て、スカッとする人も多いだろう。
 勧善懲悪で有り、被害や侮辱を受けた主人公も救われる!

 まさに、めでたしめでたしで有る。

 だが、これは漫画やドラマだけの世界で有り、現実では先ず復讐の復讐が始まる。
 ヤ○ザの抗争の様に、復讐の復讐はさらなる悲劇を呼び、最後は泥沼化する……

 復讐をする行為は、己の自尊心と正義感から生まれる物で有るが、現実社会で復讐を決意して実行する人は少ない。
 復讐をする行為は、リスクの問題どころでは無いし、上記で書き記した様にほぼ間違いなく泥沼化する。

 今の時代は簡単に裁判を起こせる様に成り、些細な事でも直ぐに訴える事が出来る時代と成った。
 見せしめ行為のために訴える人も少なくなく、状況によってはかなりの慰謝料や賠償金を、支払わなくては成らない時も有る。

 訴えられた殆どの人が和解金や慰謝料。謝罪をして物事の解決に進めて行くだろうが……場合によっては納得出来ない時も有る!
 莫大な慰謝料や賠償金。理不尽過ぎる制限・制約など……

 その場では受け入れるしか無いだろうが、訴えられた人は怒り心頭だろう。
 だからこそ訴えられた人は、復讐や報復を模索し始める。

 知人同士の小競り合いなら、相手住所を知っている時も多いし、生活パターンも大体掴んでいるだろう。
 相手が企業や著名人の場合は、復讐を生業なりわいにする人へ成るだろうけど、漫画やドラマの世界の様に法外な依頼料と、社会的リスクを背負う必要が出て来る。

 しかし、現実社会は復讐して、復讐された相手が諦めてお仕舞いでは無い。
 相手を復讐で殺しても、その親族や知人が報復に動くだろうし、企業も同様に動くだろう。

 所謂、復讐系の漫画やドラマは大衆娯楽で有り、同時にフィクションで有る。
 現実には復讐の依頼を受け、実行する人や団体は存在するだろうけど(!?)、庶民が依頼をしようが無いし、この国の法律にも引っ掛かってくる。

 一番大事なのはトラブルや訴えられない事で有るが、これを完全に回避するのは意外に難しい。
 生きている以上。トラブルには絶対巻き込まれるし、感受性も人それぞれだから我慢のレベルも全然違う!

 復讐や報復をしたくなる時も有るが、復讐は本当最後の手段にしたい!?
 この法治国家の中では、先に手を出した者が犯罪者と成るから……
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