心のリミッター

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
30 / 357

第30話 紅葉

しおりを挟む
 紅葉こうようが見頃の時期に成った。
 紅く成った、紅葉もみじ等の落葉広葉樹を見ると、自然と心が物寂しくなる……

(また、寒い冬がやって来るのか……)
(朝起きるのも辛い時期に突入するし、嫌だな……)

(……今年も、冴えない1年だったな)
(毎年ながら、中途半端な人生だ……)
(何が、行けないのだろうか?)

 毎年だが、そんな事を考える私。
 紅葉こうようが見頃に成ると言う事は、冬が目前に迫っているサインだからで有る。

 まもなく、寒い冬がやって来る。
 そして、私の人生も華どころか、つぼみも出来ずに、心寂しい冬に入っていく。
 実なんて、以ての外もってのほかだ。

 毎年、来年こそはと想うが……何も成果が出せずに、時だけが過ぎていく。
 来年こそ、私に転機が訪れるのだろうか!?

 紅く染まった、葉を見つめながら、私は心の中でそう感じた。
しおりを挟む

処理中です...