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第21話 不平不満
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俺はとある会社に勤めている。
勤続年数は10年を越えるベテラン社員だが、まだ役職には就けてない。
この会社の良い所から悪い所まで、全て俺は把握している。
社長がワンマンな事や、融通が利かない総務等、俺程この会社を熟知している人間はいないだろう!
そんな俺で有るから、当然教育係にも任命される。
俺は一人の部下を育て上げた。何処に出しても恥ずかしくない部下だ!
その部下も俺の事を慕ってくれている。
そう、此処までは問題なかった……
☆
ある日……
俺と部下が上司に呼ばれた。
けど、上司は席を立ち、部屋から出て行く。どうやら会議室に向かう様だ。
どんな話だろうと、部下と話をしながら会議室に行くと……上司は、部下に昇進の話を持ち出した!?
『何で、俺では無く部下なんだ!?』と、心の中で喚いたが、その部下は昇進を何故か断った!?
その理由は『このまま方が気楽ですから!』と、部下は昇進を自ら断った。馬鹿な奴だ!
上司は『いや~~。君の様な有能な人を、そのままにして置くのは勿体ないよ!』と、説得を試みているが、部下は昇進を受け入れようとはしない。
俺はこれをチャンスだと見て、上司に提案をする!
「上司!」
「その昇進の話。俺が引き受けたいと存じます!!」
「この会社に勤めだして、早10年以上経ちます。そろそろ役職に就きたいです!」
俺は上司に嘆願をしたが……、上司の表情は笑顔には成らなかった。
「あ~~」
「君も悪くないのだけど……今回は、部下君だけに頼みたいのだ!」
この糞上司はそう言いやがった!!
(じゃあ、何で俺を呼んだんだよ!!)
(何だ! 部下を上司宣言するために俺も呼ばれたのか。あっ!?)
(この糞上司が!!)
本当に声を出しそうに成った。
上司の前で暴言を吐いたら、始末書だけでは済まされないだろう。
……
部下が昇進の話を断ったので、この話は保留と成る。
部下は『いや~、先輩。僕が先輩より先に、上を行ったら困ってしまいますよね!』と、笑顔で言ったが俺は『あぁ…。だな……』としか、言えなかった。
俺は今回の件で、一気にこの会社に対して不平不満を覚えてしまった。
俺は会社から期待されていない事。また、俺の訴えに全く耳を貸さなかった事。
今の仕事は好きでやっている訳では無いが、会社に対する愛着心は有った。
けど、今回の件でそれが全て崩れ去った……
部下は一人前に育てたから、もう俺が居なくても部下は勝手に仕事が出来る。
俺は今更ながら『自分は会社の歯車』だと改めて実感したが、それを実感したからと言って、何かが変わる訳では無い。
「思い切って、辞めるか!」
「此処の居ても、俺は一生平社員だ!!」
「俺をもっと高く評価してくれる企業が、絶対有るはずだ!!」
俺はそう思いながら、デスクに戻った……
勤続年数は10年を越えるベテラン社員だが、まだ役職には就けてない。
この会社の良い所から悪い所まで、全て俺は把握している。
社長がワンマンな事や、融通が利かない総務等、俺程この会社を熟知している人間はいないだろう!
そんな俺で有るから、当然教育係にも任命される。
俺は一人の部下を育て上げた。何処に出しても恥ずかしくない部下だ!
その部下も俺の事を慕ってくれている。
そう、此処までは問題なかった……
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ある日……
俺と部下が上司に呼ばれた。
けど、上司は席を立ち、部屋から出て行く。どうやら会議室に向かう様だ。
どんな話だろうと、部下と話をしながら会議室に行くと……上司は、部下に昇進の話を持ち出した!?
『何で、俺では無く部下なんだ!?』と、心の中で喚いたが、その部下は昇進を何故か断った!?
その理由は『このまま方が気楽ですから!』と、部下は昇進を自ら断った。馬鹿な奴だ!
上司は『いや~~。君の様な有能な人を、そのままにして置くのは勿体ないよ!』と、説得を試みているが、部下は昇進を受け入れようとはしない。
俺はこれをチャンスだと見て、上司に提案をする!
「上司!」
「その昇進の話。俺が引き受けたいと存じます!!」
「この会社に勤めだして、早10年以上経ちます。そろそろ役職に就きたいです!」
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「あ~~」
「君も悪くないのだけど……今回は、部下君だけに頼みたいのだ!」
この糞上司はそう言いやがった!!
(じゃあ、何で俺を呼んだんだよ!!)
(何だ! 部下を上司宣言するために俺も呼ばれたのか。あっ!?)
(この糞上司が!!)
本当に声を出しそうに成った。
上司の前で暴言を吐いたら、始末書だけでは済まされないだろう。
……
部下が昇進の話を断ったので、この話は保留と成る。
部下は『いや~、先輩。僕が先輩より先に、上を行ったら困ってしまいますよね!』と、笑顔で言ったが俺は『あぁ…。だな……』としか、言えなかった。
俺は今回の件で、一気にこの会社に対して不平不満を覚えてしまった。
俺は会社から期待されていない事。また、俺の訴えに全く耳を貸さなかった事。
今の仕事は好きでやっている訳では無いが、会社に対する愛着心は有った。
けど、今回の件でそれが全て崩れ去った……
部下は一人前に育てたから、もう俺が居なくても部下は勝手に仕事が出来る。
俺は今更ながら『自分は会社の歯車』だと改めて実感したが、それを実感したからと言って、何かが変わる訳では無い。
「思い切って、辞めるか!」
「此処の居ても、俺は一生平社員だ!!」
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