心のリミッター

小春かぜね

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第18話 親友……

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 気の置けない親友。
 その言葉を見たり聞いたりすると、何だか急に心が寂しく成る。
 俺には、そんな親友は居ないからだ。

 ある日の教室の休憩時間。
 あちらこちらから話し声が聞こえて来て、そして笑い声も時々聞こえる。
 でも、俺の席からは何も聞こえない。

 今日もスマートフォンを操作して、黙々とネット掲示板やまとめサイトを眺める。
『誰かが話し掛けに来るかな…』と期待しながらスマホの画面を見ているが、誰も俺の席には来ない。

 短い休憩時間はあっという間に過ぎてしまいチャイムが鳴る。
 先生が教室に来て、始業の挨拶をして授業が始まる。

 先生が授業の内容を説明して、板書した部分をノートに書き込んでいく。
 俺は黙々とノートに書いていくが、教室内は決して静かではない……

 女子は席周りの子と喋っていたり、男子も同じく、周りの席とふざけ合っている。
 その様な現象が始まり出すと……俺はこう思ってしまう。

(また、動物が鳴き出した)

 俺は、心の中でため息を吐く。
 しかし、それを同時に羨ましいと考えてしまう!?
 けど、全く親友が居ない訳では無い!!

 食堂見たいな場所で、昼食を毎日一緒に食べる人は居る。
 だが、会話が特に弾む訳でもなく、軽い雑談で毎日が終わってしまう。
 相手は俺を親友と思っていないのかも知れない…。俺が弁当持参なら、確実に1人だろう

(俺の中では、その人を親友だと思うのだけど…)

 漫画とかゲームの異世界では、親友と遊びに行ったり、相談を受けたりしたり、大切な親友が恋人に成って、幸せな世界が出来て行くのに何故、俺の世界ではそう言う事が起きないのだろうか?

(俺が前世で、何か悪い事でもしたのだろうか?)
(何故、人並みの幸せが俺の所に来ないのか??)

 ついつい考えてしまう。
 けど、考えていても答えは出てこない。

 親友は勝手に出来る者だと思い込んでいた。
 だけど、実際は自ら行動しなければ行けなかった!

 でも、今更どうやって行動すれば良いのだろうか。親友を作る行動……
 季節はもう11月間近。普通に話し掛けて親友が出来るのなら、とっくの昔出来ているだろう。そうすると別の問題になる。

(顔?、体型?、身だしなみ?、性格??)

 嫌われる要因何て、沢山有る。
 顔や体は、確かに”いまいち”かも知れんが、身だしなみや話し方は気をつけている。

(じゃあ、何が行けないのだろう……)

 逆にそれが分かる事が出来れば、親友が確実に出来るのだろうか?
 分からない…。分からないからこそ、今日も一人で過ごす。

 授業と授業の合間に有る、休憩時間。
 教室内は、はしゃぎ声で響く中、俺は静かに机に突っ伏した……
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