90 / 90
第2部 第2章 突然の珍客?
第90話 新居浜家の猫と成る
しおりを挟む
結花が猫を保護してから、約2週間の時が過ぎた。
人間の飼い主は当然現われず、また、猫に関する情報も全く上がってこないので、結花は途方に暮れる。
だが、猫の飼い主が現われない時は結花が責任を持って、猫を飼うと決めているから、猫が家族の一員と成るのも時間の問題で有った。
……
とある週の週末……
僕は結花と何時も通り朝食を摂っていると、結花は困った微笑み表情で僕に話し掛けてくる。
猫は既に朝食を食べ終わっており、僕たちの側で毛繕いをしている。
「……陽向」
「猫ちゃんのことだけど……飼い主さんも全然現われないし、猫ちゃんも何時の間にか、完全に自分の家だと思い込んでしまったから、このまま飼おうかと思うの…」
「前、陽向は言っていたけど、猫を飼うのに反対はしないのだよね…?」
(結花は、遂に猫を飼うことに決めたか!)
(僕は猫の事情を知っているから、これ以上引き延ばしても全くの無意味だし…)
「……お母さん。僕は反対はしないよ」
「猫も、お母さんを気に入っているし、僕にも懐いてくるから」
僕も、困った微笑み表情で結花に話す。
結花は優しい表情で、俺に話し始める。
「……ありがとう。陽向///」
「じゃあ、今日から、猫ちゃんを家族の一員にするね!」
「にゃ~~ん♪」
結花の言葉を聞いていた猫は、嬉しそうな鳴き声を上げる。
猫にとっては『やっとか…』の気分だろうが、これで猫も一安心だろう。
だって、猫を飼う権限を持っているのは、僕では無く結花が持っているから。
猫は僕とは会話が出来るが、結花とは出来ない。
それに『私を飼え!』と猫が結花に言ったら、結花は絶対に“猫”を“化け猫”と見て、猫を家から叩き出すだろう!
……
朝食後。僕は結花の後片付けを手伝い、その後は猫を含めてソファーで寛ぐ。
猫は結花の膝の上がお気に入りなので、結花の膝の上で寛いでいる。
結花は猫を見ながら、和やかな表情で僕に話し掛ける。
「陽向!」
「今日から、家の猫に成った訳だし、この猫ちゃんに名前を付けようかと思うの!!」
「陽向は、この猫ちゃんに付けたい名前は有る?♪」
「……猫の名前は、お母さんが決めて良いよ!」
「猫が一番懐いているのは、僕では無くお母さんで有るから…」
僕は、困った微笑み表情で結花に話す。
猫の名前なんて始めから考えて無いし、僕は結花ほど猫が好きでは無い。
(これが普通の猫で有ったなら、僕もまた別の考え方をするのだろうが、この猫は特殊猫だからな!)
(更に迷い猫では無く、押し掛け猫だし!!)
「……じゃあ、陽向のお言葉に甘えて……猫ちゃんの名前は、女の子でも有るから、さくらにしようかなと思うの///」
「時季外れの名前だけど、この家に春が来たような物だからね…///」
結花は、はにかんだ表情で僕に話す。
僕は穏やかな表情で、結花に話し始める。
「さくら…。良いんじゃない!」
「ゆいかが……ではなく、お母さんが付ける、可愛らしい名前だと思う!!」
「そっ、そう…陽向///」
「じゃあ、猫ちゃんの名前は“さくら”で良いんだね!」
「……猫ちゃんの方も、今から“さくら”と呼んで良いかな?♪」
「……さくら」
結花は、嬉し恥ずかしそうな表情で僕に話した後。優しい表情に変わって、猫に話し掛ける。
「にゃーん♪♪」
猫は結花の膝の上で、笑顔と嬉しそうな鳴き声で、さくらと呼ばれることを容認する。
猫に名前が付いたことで、正式に新居浜家の猫と成り、同時に家族の一員に組み込まれた。
「にゃ、にゃ、―――♪」
「にゃ、にゃ、―――♪」
猫は新たな名前が貰え、住処も確保出来たことから、さっきから結花に甘えっぱなしで有る///
「うふふ♪」
「さくらの名前を凄く気に入ってくれたんだね。さくら♪」
結花も猫に癒やされながら、幸せそうな表情で猫に話し掛けている。
「……」
僕は結花と猫を見ながら『今後どうなのかな…?』と心の中で思う。
だって、猫は家族の一員で一生を終えないし、大蛇も何かの目的が有るからこそ、猫を僕の元に送り込んだ。
でも、結花の中では迷い猫で来た猫でも、猫を凄く嬉しがっているし、猫も結花の元で幸せそうな表情をしている。
僕にとっては面白くない出来事で有るが、結花と猫にとっては、良い出会いだったかも知れない……
……
第2部 第2章 突然の珍客?
おわり
第2部 第3章 結花の姉 へ続く……
人間の飼い主は当然現われず、また、猫に関する情報も全く上がってこないので、結花は途方に暮れる。
だが、猫の飼い主が現われない時は結花が責任を持って、猫を飼うと決めているから、猫が家族の一員と成るのも時間の問題で有った。
……
とある週の週末……
僕は結花と何時も通り朝食を摂っていると、結花は困った微笑み表情で僕に話し掛けてくる。
猫は既に朝食を食べ終わっており、僕たちの側で毛繕いをしている。
「……陽向」
「猫ちゃんのことだけど……飼い主さんも全然現われないし、猫ちゃんも何時の間にか、完全に自分の家だと思い込んでしまったから、このまま飼おうかと思うの…」
「前、陽向は言っていたけど、猫を飼うのに反対はしないのだよね…?」
(結花は、遂に猫を飼うことに決めたか!)
(僕は猫の事情を知っているから、これ以上引き延ばしても全くの無意味だし…)
「……お母さん。僕は反対はしないよ」
「猫も、お母さんを気に入っているし、僕にも懐いてくるから」
僕も、困った微笑み表情で結花に話す。
結花は優しい表情で、俺に話し始める。
「……ありがとう。陽向///」
「じゃあ、今日から、猫ちゃんを家族の一員にするね!」
「にゃ~~ん♪」
結花の言葉を聞いていた猫は、嬉しそうな鳴き声を上げる。
猫にとっては『やっとか…』の気分だろうが、これで猫も一安心だろう。
だって、猫を飼う権限を持っているのは、僕では無く結花が持っているから。
猫は僕とは会話が出来るが、結花とは出来ない。
それに『私を飼え!』と猫が結花に言ったら、結花は絶対に“猫”を“化け猫”と見て、猫を家から叩き出すだろう!
……
朝食後。僕は結花の後片付けを手伝い、その後は猫を含めてソファーで寛ぐ。
猫は結花の膝の上がお気に入りなので、結花の膝の上で寛いでいる。
結花は猫を見ながら、和やかな表情で僕に話し掛ける。
「陽向!」
「今日から、家の猫に成った訳だし、この猫ちゃんに名前を付けようかと思うの!!」
「陽向は、この猫ちゃんに付けたい名前は有る?♪」
「……猫の名前は、お母さんが決めて良いよ!」
「猫が一番懐いているのは、僕では無くお母さんで有るから…」
僕は、困った微笑み表情で結花に話す。
猫の名前なんて始めから考えて無いし、僕は結花ほど猫が好きでは無い。
(これが普通の猫で有ったなら、僕もまた別の考え方をするのだろうが、この猫は特殊猫だからな!)
(更に迷い猫では無く、押し掛け猫だし!!)
「……じゃあ、陽向のお言葉に甘えて……猫ちゃんの名前は、女の子でも有るから、さくらにしようかなと思うの///」
「時季外れの名前だけど、この家に春が来たような物だからね…///」
結花は、はにかんだ表情で僕に話す。
僕は穏やかな表情で、結花に話し始める。
「さくら…。良いんじゃない!」
「ゆいかが……ではなく、お母さんが付ける、可愛らしい名前だと思う!!」
「そっ、そう…陽向///」
「じゃあ、猫ちゃんの名前は“さくら”で良いんだね!」
「……猫ちゃんの方も、今から“さくら”と呼んで良いかな?♪」
「……さくら」
結花は、嬉し恥ずかしそうな表情で僕に話した後。優しい表情に変わって、猫に話し掛ける。
「にゃーん♪♪」
猫は結花の膝の上で、笑顔と嬉しそうな鳴き声で、さくらと呼ばれることを容認する。
猫に名前が付いたことで、正式に新居浜家の猫と成り、同時に家族の一員に組み込まれた。
「にゃ、にゃ、―――♪」
「にゃ、にゃ、―――♪」
猫は新たな名前が貰え、住処も確保出来たことから、さっきから結花に甘えっぱなしで有る///
「うふふ♪」
「さくらの名前を凄く気に入ってくれたんだね。さくら♪」
結花も猫に癒やされながら、幸せそうな表情で猫に話し掛けている。
「……」
僕は結花と猫を見ながら『今後どうなのかな…?』と心の中で思う。
だって、猫は家族の一員で一生を終えないし、大蛇も何かの目的が有るからこそ、猫を僕の元に送り込んだ。
でも、結花の中では迷い猫で来た猫でも、猫を凄く嬉しがっているし、猫も結花の元で幸せそうな表情をしている。
僕にとっては面白くない出来事で有るが、結花と猫にとっては、良い出会いだったかも知れない……
……
第2部 第2章 突然の珍客?
おわり
第2部 第3章 結花の姉 へ続く……
0
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる