僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

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第2部 第2章 突然の珍客?

第89話 猫の意志

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「にゃーん♪」

『ぴょん!』

 猫は甘えた鳴き声で結花に近付き、ソファーに座っている結花の膝の上にジャンプをして、猫は結花の膝の上に座る。

「あら、あら…///」
「猫ちゃんは、私のことをかなり気に入っている様だね!///」

「~~~♪」

 結花は猫を見ながら、困った笑顔で呟く。
 猫の方は『私の居場所は此処だ!』と、態度と仕草で強調している。

「猫ちゃんは、おばさんをとっても気に入っている様ですね!」

 恵那は結花と猫を見ながら、嬉しそうな表情で話す。
 結花は穏やかな表情で、恵那に話し始める。

「そうかもね…」
「このまま……飼い主さんが現われなければ、私が責任を持たないとね……」

(僕は猫のことを知っているから、結花に『この猫の飼い主は大蛇で有って、大蛇の命令でこの家に猫は来ているんだよ!』と言いたいが、そんなことを言っても結花や恵那は信じないだろうし、それに僕は頭がおかしい子に無事認定されるだろう…)

「……ねぇ、陽向君!」
「もし、この猫ちゃんが、陽向君のおうち猫に成ったら嬉しい?」

 恵那は和やかな表情で、僕に質問をしてくる。
 僕は迷った表情をしながら、恵那からの質問に答え始める。

「僕は猫を飼ったことが無いから……何とも言えないけど、お母さんが飼いたいと言ったなら、僕は反対をしないよ…」

「……陽向君は、猫が余り好きそうでは無さそうだね」

 恵那は困った微笑み表情で僕に話す。
 元々、この猫は居着く気満々だし、結花もこの猫をかなり気に入っている。

 この猫は大蛇が絡んでいることから、僕が何かをする必要は無い。
 内心、この猫を居着かせたくないが、もし、僕がこの猫を苛めたら、猫の真保護者で有る大蛇が僕を食べに来るだろうし、猫も並の猫では無いはずだから、猫は僕に思いっきり反撃をするだろう!?

「陽向…。じゃあ、陽向はこの猫ちゃんを飼うことには賛成で良いんだね…?」

 結花は尋ねる表情で、僕に聞いてくる。
 僕は、少し困った表情で結花に言い始める。

「うっ、うん…」
「猫はお母さんのことをかなり気に入っている感じだし、猫の何か、この家に住みたい感じがするから……」

「……そう。ありがとう。陽向」
「じゃあ……もし。このまま本来の飼い主さんが現われなければ、この猫ちゃんは新しい家族の一員にするね!」

 結花は慈愛の表情で僕に話しながら、同時に猫の背中を優しく撫でる。

「~~~♪」

 猫は結花に背中を撫でられながら、嬉しい表情を見せる。
 この猫は僕達の会話が完全に理解出来るから、無事に住処が決まって嬉しいのだろう?

「おばさん!」
「もし、本格的に猫ちゃんを飼うように成ったら、教えてくださいね!!」

「そうしたら、私は猫ちゃんや陽向君と、もっと遊べるように成りますから!!♪」

 恵那は嬉しい表情で結花に話すが、恵那の優先順位は猫が一番上に来た!?
 僕を好きな恵那は、僕よりもっとこの猫を気に入ったの!??///

 ……

 三人でのお茶の後。恵那は猫としばらく遊んでから、家に戻って行った。
 恵那は猫と僕と遊べたこと(?)で、とても充実した表情で有った。

 結花が何時。この猫を我が家の猫にするかは分からないが、結花の元に人間の飼い主が絶対現われないのを僕は知っている。
 そして、大蛇が猫を迎えに来ることは絶対無いだろう!?

 無事にこの家の猫に成った時は、僕と結花や、恵那の行動を監視をして大蛇に報告をするのだろう。

(僕が転生した目的は、結花と結ばれることで有るが、恵那とは関係を回復してしまっているし、更には監視役の猫まで出て来た)
(大蛇がそれから得る情報を元にして、大蛇は猫経由で新たな指示を僕に出すつもりなのだろうか?)

(それとも、面白半分で猫を監視役にさせて、僕がうろたえるのを大蛇は見て、ほくそ笑んでいるのだろうか!?)

 猫は僕に話し掛けては来ないし、大蛇も姿を全く見せない。
 僕の生活は、本当にこの先どうなるだろうか……
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