僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
87 / 90
第2部 第2章 突然の珍客?

第87話 猫を見に来る恵那 その1

しおりを挟む
「陽向君。おはよう~~♪」

「うん…。恵那、おはよう!」

 恵那は、和やかな表情で僕に朝の挨拶をして、僕は穏やかな表情で、恵那に朝の挨拶をする。
 恵那と中学校に向かう途中。恵那は嬉しそうな表情で、僕に話し始める。

「陽向君!」
「陽向君のおばさんから聞いていると思うけど、今日の夕方。猫ちゃんを見に行くからね♪」

「うん…。お母さんから聞いているよ。恵那」

 僕は穏やかな表情で、恵那に返事をする。
 恵那は表情を変えずに、僕に言葉を続ける。

「おばさんから少し聞いているけど、かなりお利口さんの猫ちゃんなんだってね!♪」
「私、凄く楽しみ~~♪」

「きっと可愛いんだろうな~~♪❤」

「……」

(恵那も結花同様。かなりの猫好きだな!)

「お利口かどうかは分からないけど……他人の家を、自分の家のように過ごす猫だよ!」
「恵那も見たら、猫の図々しさに驚くよ…!」

 僕は『やれやれ』の表情で、恵那に話す。
 けど恵那は、和やかな表情で僕に話し始める。

「凄いね、その猫!」
「普通は臆病猫になるのに、その猫は凄く度胸が有る猫だね!!」

「本当。楽しみ~~♪♪」

(度胸が有る猫か…)
(大蛇の使いになるぐらいだし、まぁ、間違っては居ないよな……)

 ……

 今日も、僕の学校生活は問題なく過ぎて、園芸部部活動も終えた僕は中学校から家に帰ってくる。
 中学校からの下校時。恵那と偶々一緒に成ったが、恵那は自宅に一度戻り、着替えてから僕の家に来て猫を見に来る。

 流石の恵那も、セーラー服姿で僕の家に来るのは、良くないと感じているのだろう。
 僕が結花に興味が無ければ、セーラー服姿の恵那を自宅に来させ、そのまま僕の部屋に誘って、恵那をベッドに押し倒して……いや、何でも無い///

 僕は結花が好きと言いつつ、最近はかなり恵那を意識してしまっている!
 やはりと言うか、本能が同年代を求めるのだろうか?

 話しは切り替えて、いよいよ、猫と恵那の初顔合わせの時間がやって来る……

「陽向君!♪」
「お邪魔しまーす♪」

 私服に着替えた恵那が、僕の家にやって来る。
 恵那の手には何も持っていなくて、手ぶらで来た。
 猫に会うのだから、ちゅーるなどでも持って来るのかなと思ったが、恵那は手ぶらで有る。

 応対は、結花に今朝言われた通り。僕がする。
 僕は、恵那を猫が居るリビングに案内する。

「~~~♪」

「~~~♪」

 リビングでは結花が正座で座って、楽しそうな表情で猫と遊んでおり、猫も結花と楽しく遊んでいる。
 猫用おもちゃの釣り竿先端に、おもちゃの虫を付けて、結花はそれを使って猫と遊んでいる。

「こんにちは!」
「陽向君のおばさん!♪」

 リビングに入った恵那は、笑顔で結花に挨拶をする。
 結花は猫と遊んでいる手を止めて、和やかな表情で恵那に挨拶を始める。

「いらしゃい。恵那ちゃん♪」

「にゃ?」

 結花の側に居る猫も、恵那の存在に気付き、恵那に向けて気付いた鳴き方をする。
 恵那は、結花と猫の側に笑顔で近付きながら、結花に話し始める。

「これが、おばさんの家に迷い込んだ、猫ちゃんですか?♪」
「まだ、子どもの感じがする猫ちゃんですね!♪」

「そうよ、恵那ちゃん!」
「この猫さんが、迷い込んで現在保護している猫だよ!!」
「仕草だけを見ると、そう見えるかも知れないけど、多分成猫だよ!」

「……」

 結花は笑顔で猫に話すが……猫の方は、恵那を品定めするように見始める。
 猫はこの後。恵那に向けてどのような行動を取るのだろうか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

好きな人の好きな人

ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。" 初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。 恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。 そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...