僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

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第2部 第2章 突然の珍客?

第86話 陽向と猫 その4

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 僕は猫に少し、大蛇との関係を聞いたが、あの猫は以前。蛇に絡んでいた例の猫で有った!
 だから、僕(俺)は、この猫に見覚えが有り、猫も僕(俺)の事は知っていた。

 前世の僕(俺)はあの時。蛇(大蛇)を助けるために猫を追い払ったが、その後の猫は大蛇の支配下に入って、現在は大蛇の事を『お母さん』と、呼んでいるらしい。
 大蛇にはたくさんの配下が居て、配下達を上手に使い、山の治安を守っているそうだ。

 僕が前世から転生して、かなりの時間が経っているのに、あの猫は全然老いている感じはしない?
 見掛けだけでは完全に、意気盛ん猫で有る。

 あの猫も大蛇と同じように、神様の類いに入っているのだろう。
 なんせ、あの大蛇は、自分で神様と言うぐらいだからな!

 僕の第2の人生に、現人生を作った大蛇が急に使いと言うか、監視を出したが、僕は大蛇の意図が全く読み取れていなかった……

 ……

 僕は深夜に猫から起こされ、猫との会話が終わった後は再び眠りに就いたが、色々と過去の事を思い出してしまったため、殆ど寝付く事は無く朝を迎える。
 外からは朝を示す、雀の鳴き声が聞こえる。

『ちゅん、ちゅん、―――♪』

(あれから、殆ど眠れなかったな…)

 これは、大蛇や猫の所為だと言いたいが、僕の現人生は大蛇のお陰で有る。
 その大蛇に文句を言ったら、大蛇は機嫌を損ねて、僕を直ぐに食べにやって来るだろう!?

 僕は頭を切り替えて、パジャマから学生服に着替えて、朝食を食べるために階下へ下りて行く……

「むしゃ、むしゃ、―――♪」

「むしゃ、むしゃ、―――♪」

 僕は洗面所で顔を洗い、その後リビングに入ると、猫はリビングのとある場所で、朝食となる餌を美味しそうな表情で食べている。

「……」

(朝食は、定番のカリカリか…)
(猫の餌も、決して安くないのだよな…)

 この猫が、本当にどれだけ居候するかは不明で有るが、この猫を本格的に飼い始めたら、大きな出費となる!
 結花はこの事(猫が居着く)を当然知らないから、今は保護猫のモードで色々とサービス(?)をしているが、いずれは新居浜家家計に大きなダメージを与えるだろう!

「陽向!」
「おはよう♪」

 猫が餌を食べている姿を、僕は澄ました表情で見ているが、結花は和やかな表情で僕に朝の挨拶をしてくる。
 僕は穏やかな表情で、結花に話し掛ける。

「お母さん。おはよう!」
「……元気に、猫は餌を食べているね…!」

「えぇ!」
「猫ちゃんは元気に餌を食べてくれるし、排泄の方も全く問題ないから、凄く安心だわ!♪」

 結花は嬉しそうな表情で、僕に話す。
 猫は一足先に朝食を食べているが、僕と結花も朝食を食べ始める。
 今朝は、和食の朝食で有る。

『カチャ、カチャ、―――♪』

『カチャ、カチャ、―――♪』

 僕は結花と朝食を食べていると、結花は穏やかな表情で僕に話し始める。

「陽向!」
「昨夜も言ったけど、今日の夕方。恵那ちゃんが猫ちゃんを見に来るらしいから、その対応は陽向がお願いね!!」

「……うん。分かった」
「お母さん…」

 僕は澄ました表情で、結花に返事をする。
 昨日。結花がホームセンターへ買い物に行った時。そこで恵那と恵那のおばさんに結花は出会って、猫を保護している事を聞いた恵那が、その猫を見たいらしい。

(結花や恵那も、この猫の真の正体は知らないはずだが、猫は恵那を見た時にどう反応するのだろう?)

 猫と恵那は初対面になるが、猫は恵那に敵対心を見せるのだろうか?
 猫は僕の状況を把握しているから、恵那が邪魔な人間になる事を猫は知っているだろう。

 それとも、猫はあくまで猫を演じて、可愛い猫(?)で、恵那を騙すのだろうか??

 僕はそんな事を思いながら、結花との朝食時間を過ごす……
 時間が来たので、僕は中学校に行くために玄関から出ると……門付近で恵那が待っている。

 僕を見た恵那は和やかな表情で、何時も通りの挨拶をしてきた。
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