僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

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第2部 第2章 突然の珍客?

第82話 猫と暮らす新居浜家

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『ガチャ』

「ただいま~。陽向~~」
「ちょっと…。玄関まで来てくれる~~?」

「荷物を運んで欲しいのよ~~!」

 私は玄関ドアをひらけながら、帰宅挨拶をすると同時に陽向を呼ぶ。
 陽向は、自室では無くリビングに居たらしく、リビングの方から姿を見せる。

「お母さん。お帰りなさい~~」

「……ずいぶんと買ったんだね?」

 陽向は、穏やかな表情で私に近付きながら帰宅挨拶をするが、私が両手に持っているレジ袋を見ると、少し驚いた表情で話す。
 私は玄関の上がりがまちにレジ袋を置きながら、穏やかな表情で陽向に話し始める。

「思っていた以上に、物が増えてしまってね///」

「今の時代は、色々と必要なんだよ!」
「猫のトイレから、猫のベッド。猫専用の食事など…!」

「…ふーん」

「一時保護の割りには、かなり本格的に揃えたんだね?」
「お母さん…」

 陽向は『感心』と言う依り、少し呆れ気味の表情で私に話す。
 今までこの家では猫を飼って来なかったから、陽向は猫の飼い方を全く知らない。

 荷物の多さに驚くのも、無理は無いだろう。
 私は猫の事が気に成ったので、陽向に尋ねる表情で聞く。

「陽向はリビングに居たから、猫もリビングに居るんだよね?」

「猫…?」
「うん。リビングのカーペットで寝ているよ!」
「他人の家なのに……」

 陽向は、澄ました表情で答える。
 陽向は猫に、余り興味が無いのかな?

「陽向!」
「そっちの荷物を、リビングに持って行ってくれる?」
「猫のトイレとか、トイレ砂が入っているから」

 私は、陽向に穏やかな表情で話す。
 陽向も、穏やかな表情で私に話し始める。

「うん。分かった!」
「このレジ袋を、リビングに持って行けば良いんだね!」

 陽向は私に言い終えると、荷物の入ったレジ袋を軽々手に持って、リビングに向かって行く。
 やっぱり、男の子だけ有るね!

 私も宅内に上がり、レジ袋を手に持って、私は台所に向かう。
 私のレジ袋には、猫の食料や猫用のお皿が入っている。

 ……

「~~~」

 私はリビングで、猫のトイレを用意している。
 私と陽向の物音で、寝ていた猫は起きて、現在は興味を持った表情で、自分のトイレと成る物を見ている。

「猫ちゃん!」
「おトイレは、ここでしてね!!」

 トイレの準備が出来た私は、側に居た猫へ優しい表情で話し掛ける。

「にゃん!」

『てく、てく、―――』

 猫は元気な声で一鳴きした後……早速、トイレを使い始めるが、やはり飼い猫の動作でトイレをしている。

(飼い猫だけ有って、トイレを我慢していたのだね!)
(野良なら平気で粗相をするけど、この子はちゃんと我慢出来たし、トイレも問題なく使っている。

『バッ、バッ、―――』

 用を足し終えた猫は、砂を掛けて隠蔽している。
 これだけお行儀の良い猫で有れば、苦労せずに保護する事が出来そうだ!

「……」

 陽向は猫の動作を、首を傾げながら見ている。
 多分だけど、躾がされすぎて驚いているのだろう……

 ……

 晩ご飯の時間も過ぎて、陽向との団らん時間。
 だけど、今日はその2人の団らん時間に、猫が1匹プラスされる。

 たった数時間で、この保護猫は、新居浜家家族一員のように成っていた。

「~~~」

 猫は私を凄く好いてくれて、今は私の膝元に乗っている。
 表情も、幸せそうな表情をしており、私はこの猫を保護して本当に良かったと感じる。

「……」

 陽向の方は、特等席(?)を猫に取られてしまっているので、不満そうな表情で私と過ごしている。
 言うまでも無く、猫に“焼きもち”を焼いているのだろう。

 流石の陽向も、猫を追い払って私の場所に座る事が出来ないからね!
 今晩の団らんは猫が加わった、普段とは違う団らんを私は過ごしている。
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