僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

第2部 第1章 俺の過去……

第76話 前世で見る結花……

「……蛇さん」
「俺……こんな人生だったけど、地獄には行きたくは無いから転生を望むよ！」

　俺は真面目な表情で、大蛇に話す。
　俺の言葉を聞いた大蛇は、穏やかな表情で話し始める。

「そう…。転生を望むのだね！」
「決まりで確認を取るけど、本当に良いのだよね？」

「……良いも悪いも無いさ。蛇さん///」
「地獄には行きたくは無いし、消滅はもっと嫌だ！」
「最初から、この選択肢しか俺には無いんだよ…」

　俺は困った表情で大蛇に話す。
　大蛇は、理解した表情で俺に話し始める。

「分かった！」
「じゃあ、早速今から案内するね！！」
「あなたの、転生先の元へ！！」

「えい！」

『バシュ！』

　大蛇は俺への言葉の後。何かの掛け声をかける。
　すると……俺の部屋から一気に、何処かへ瞬間移動をする！！

　この大蛇は、只の大蛇では無さそうだ。
　神様とかの類たぐいだろうか？

　……

　大蛇と移動した先は……誰もが見て分かる。何処かの家の寝室で有った。
　室内は薄暗いが、部屋に有るベッドには、二人が就寝している姿が窺うかがえる。

『すや、すや、―――』

『すや、すや、―――』

『にょろ、にょろ、―――』

　大蛇はそのベッドの方に向かい、そのベッドで寝ている、とある女性を見ながら俺に話し始める。

「…あなたも、こっちに来て！」
「この人が、あなたの新たな人生を作る人だよ！」

　俺は大蛇の言葉を聞きながら、ベッドの方に向かう。
　俺は魂状態で有るが、足は付いているので空中散歩感覚で向かう。

「……///」

　ベッドはダブルベッドで有り、左側に女性。右側には男性が寝ている。
　俺は今から、この人ゆいかの子どもに生まれ変わるのか…

（女性の顔は薄暗くて見にくいが……だが、それでも美人と認識出来る人だな！）
（髪も綺麗なロングヘアーで、寝顔もとても可愛らしい///）

（この感じだと、性格も優しそうな人だろう）
（思わず、一目惚れしてしまいそうだ///）

（……男性の方も、かなりのイケメン顔だ！…///）
（身長も有りそうで、スタイルも良さそうだ）

（俺の両親とは大違いだ！//////）
（俺の両親は所詮、平凡体型だからな！///）

　俺は将来の母親となる、花凜（結花）の顔を見ながら心の中で感じていると、大蛇は説明をする様に俺に話し始める。

「この人の本当の名前は、新居浜結花」
「年齢は2x歳。専業主婦！」
「子どもは、あなたが長男に成るわ！」

「隣の男性は、新居浜孝太郎」
「年齢は結花と同年齢。職業は公務員！」
「結花をとても愛しして、職場での評判も良い！」

「あなたは、この夫婦達の子どもにこれから成るの！」
「美人、ハンサム家系の子どもに成れるのだから、あなたも運が良い時に死ねたね！♪」
「結花はまだ妊娠に気付いていないから、命がすり替わっても全く気付かないでしょうね♪」

「蛇さん…。運が良いかは別にして、俺はどうやって、この人の胎内へ転生するの？」
「この女性のお腹の中には、既に新しい命が宿っているよね…」

　大蛇からの説明の後。俺は尋ねる表情で大蛇に質問をする。
　俺がこの女性の胎内に入り込むには、今胎内に入っている、結花と孝太郎から出来た魂を取り出さないと行けないはずだ。

　けど、大蛇は和やかな表情で俺に話し始める。

「まぁ、まぁ。私の話を最後まで聞いて！♪」
「転生に関しては、問題なく出来るよと言うかさせる！♪」

「今から…。あなたが転生出来る準備を始めるのだけど、本来の輪廻転生では無く、知識・知力がそのまま引き継がれる」
「本来は転生時に、魂の記憶がフォーマットされて、知識・知力類も全て初期化されるけど、あなたはそうでは無い！」

「今度の人生は、前回の様な惨めな人生には成らず、素晴らしい人生が待っていると思うよ」
「男女共にスタイルも恵まれ、男性の職業が公務員で有るから生活面も心配ない！」
「あの時に私を助けて、本当に良かったね♪」

　大蛇はそう言うがそんな都合良く、第二の人生を無双出来るのだろうか。
　俺の知識と言っても、工業高校までの知識しか無いし、知力も碌ろくな経験しか積んでいない。

　だって此処は異世界では無く、現実世界で起きている出来事なんだから……