僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
74 / 90
第2部 第1章 俺の過去……

第74話 あの時の蛇……

しおりを挟む
(静かな公園だし、この場所で昼食にするか!)
(ちょうど、時間もお昼時だしな!!)

 この場所に来る前に、俺はスーパーで買った弁当を持参していたので、この公園で昼食を摂ることを決める。
 俺は賑やかな場所で、食事を摂るのが余り好きで無い。
 出来れば、この様な閑散とした場所が良い。

 スーパーで売っている弁当は、コンビニ弁当より割安だし量も多い。
 この日買ったお弁当は『特製幕の内弁当』で有った。
 ボリュームも有るし、おかずも色々な種類が入っている♪

「もぐ、もぐ、―――」 
「むしゃ、むしゃ、―――」

「偶には、屋外で食べるのも悪くないな!」
「日差しもちょうど良いし、風も穏やかだ!!」

「今の派遣先企業の食堂は、刑務所並みの施設だからな…(苦笑)」
「飯も値段の割にイマイチだし、テーブルや椅子も安物だからな…」

「彼処の更新はせずに、別の所に行くべきだよな…」
「うん。そうしよう!」

 俺は公園内に有るベンチに座って、昼食を一人喋りしながら食べていると……さっきの蛇だと思われる蛇が、ベンチ前方の茂みから出て来て、再び俺の前に現れた!

『ガサ、ガサ、―――』

『にょろ、にょろ、―――』

「……!!」

(俺の弁当の匂いに誘われて、さっきの蛇が出て来たか…!?)

「だが……この弁当はやらんぞ。蛇!」

「しっ、しっ、―――」

「……」

 俺は弁当を蛇に分け与える気が無かったので、蛇に向けて顔をしかめた表情で言いつつ、手で追い払うジェスチャーを蛇にするが、蛇は逃げる気配を見せない!///
 そして、蛇は俺を品定めするように、俺を『ジッ』と見始める!?///

「ジ―――」

(まさか、弁当が目的で無く、俺を捕食するのが目的!?)

 俺の人生は糞人生で有るが、最後は蛇に捕食されましたでは、確実に痛いニュースへ掲載されてしまう!///

「……仕方ないな///」

 蛇は冗談抜きで俺を食べそうな雰囲気を見せて来るし、俺もまだ死にたいとは思わなかったから、弁当の中に有った、半分カットされている茹で卵を、蛇に上げる事にする。
 これなら、蛇も問題なく食べられるだろう?


「ほれ!」
「蛇…。それ食べたら帰るんだぞ!」

 俺は茹で卵を箸で掴んで、蛇の側に落としながら困った表情で蛇に言う。
 もし、この茹で卵を蛇が食べなければ、さっきの野良猫などが食べに来るまでだ……

「……」

『パクッ』

「……」

 俺が落とした茹で卵を、蛇は少し窺っていたが……食べられると判断したのか、蛇は茹で卵を食べると言うより捕食する。
 俺は蛇が食べる様子を、澄ました表情で観察している。

『……ゴクン!』

 そのまま半分カットされていた茹で卵を、蛇は器用に丸呑みする!

(蛇は本当に丸呑みするんだな…。良くアレで消化出来るな…!)
(人間なら間違いなく、途中で吐き出しているよ)

「……」

「~~~♪」

『にょろ、にょろ、―――』

『ガサ、ガサ、―――』

 俺は感心した表情で蛇を見ていると、蛇は満足したのか俺の元から離れ、茂みの中へ戻っていく……

 これが、先月の出来事で有る……

 ☆

「そうだよ!♪」
「大当たり~~♪」

 俺の言葉の後。大蛇は笑顔で俺に言うが……大蛇に表情なんて有ったけ?
 大蛇はその表情で、俺に言葉を続ける。

「そして、普段はこの姿♪」
「小さくなって、山の巡回している時に猫と出会でくわしたんだ!///」
「このままの姿で巡回すると、小さな物を見落としやすいからね♪」

「あの猫はまだ新参猫で有って、私の話を聞いてくれなくて困っていたんだ」
「けど、あなたのお陰で助かったし、あの後は猫も理解してくれたから、本当に助かったよ♪」

「そんな訳で、助けてくれたお礼と食べ物を貰ったお礼に、恩返しに来たよ!♪」
「あなたの思いを、私が叶えて差し上げましょう~~♪♪」


「??」

(この大蛇が先月の蛇だとしても、思いを叶えるとは何だ!?)
(やっぱり、異世界デビューか!??)

 俺は心の中で感じつつも、大蛇に尋ねる表情で聞いてみた……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

好きな人の好きな人

ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。" 初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。 恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。 そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...