僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

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第1部 第4章 僕の幼なじみが急接近してきた!

第64話 急接近を目論む恵那!

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 レッドドラゴンを倒した私達は宿に到着した。

 宿に到着してから、先輩を降ろした。

 紅茶を淹れ、少し休憩することにした。

 「先輩は王城の方に帰りますか?」

 「僕は魔物研究者に戻るつもりはないから、後輩君とエーカ君と一緒に住むつもりだが?」

 先輩は当然なような表情を浮べていた。

 「せ、先輩。それは色々と問題が起きる可能性が」

 「後輩君。君は危機的な僕を助けたのだ。なら、最後まで責任取るのは必然のことだ」

 先輩は右手の人差し指の頬に置いた。

 「それに、後輩君なら何も問題起きないのだろ?」

 「そ、それは確かにそうですが」

 私はエーカの方を向いた。

 「エ、エーカは大丈夫か?」

 「ん。ライバルだから、勝負は平等に」

 「ライバル?勝負?どういうこと?」

 「主には後で分かることだから。大丈夫」

 「そうだぞ、後輩君。それに、乙女の秘密を探るのは駄目だぞ」

 「た、確かにそうですね」

 こ、これは諦めるしか無いのか。

 「分かりました、先輩。明日、新しい宿を、いや、家を借りましょう。宿よりも借り家の方が何かと都合がいいでしょう」

 「それはいい考えだ。流石、後輩君だ。今日はここで休むことにしよう」

 先輩の服はエーカが貸した。

 先輩とエーカの体格が同じくらいだったので、特に問題は無かった。

 夕食を食べ、風呂に入り、夜まで過ごした。

 先輩はエーカと一緒のベッドで寝てもらった。

 流石に、一緒のベッドは不味いからな。

 朝になったら、朝食を食べてから、私は街に出た。

 直ぐに不動産屋に向かい、良さそうな借り家を探した。

 少し高めだったが、風呂もついていて、庭もついている物件を見つけた。

 ここに決めた。

 契約金を払い、鍵を受け取ってから、宿に帰った。

 そして、宿に鍵を返し、エーカと先輩と一緒に借りた家に向かった。

 その家に荷物を置いてから、先輩に必要な物や生活に必要な物を購入するために街に出た。

 買い出しの途中で1つのことが気になった。

 「そう言えば、先輩は実家に報告は入れなくてもいいのですか?」

 「入れなくても大丈夫の筈。サーワリ侯爵家から荷物が無くなって清々していることだろうし」

 「そうですか」

 「後輩君。そんな悲しそうな表情を浮かべないでくれ。僕は王立学園で君に出会えてから、良かったと思っているよ。毎日が楽しくなったから」

 先輩は微笑んだ。

 私はその微笑みに少し見惚れてしまった。

 少しの間だけ、先輩の顔をまともに見れなかった。

 全ての買い出しが終わったら、家に帰った。

 荷物に片付けたら、夕食作りを始めた。

 驚いたことに先輩は料理が出来るのだ。

 「僕だって、研究ばかりではないだよ。料理ぐらい出来る」

 エーカはそんな先輩に負けたという表情を浮べていた。

 エーカは魔物だから、出来なくて普通だから気にする必要が無いのに、負けたなんて表情を浮べているんだ?

 その後は私と先輩から協力して作った夕食を食べ、順番に風呂に入り、時間になったら自室に戻り眠りについた。

 この日から私達の新たな生活が始まった。

 私は魔物の倒し、その素材を売却し、エーカは歌姫として歌い、金を稼いでいる。

 先輩は家で研究をしている。

 研究に必要な魔物の素材は私が集め、研究に必要な本はエーカが購入することになっている。

 家事は交代制だ。

 私、いや、私達は楽しい日常を過ごしている。
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