僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

第1部 第4章 僕の幼なじみが急接近してきた！

第62話 恵那に待ち伏せされる！？

「あっ……そうだよね！///」
「新居浜君の家庭は、お母さんだけだからね！///」

　僕の家庭状況に気付いた榛原君は、少し頬染めた困った微笑み表情で言う。
　けど、僕は和やかな表情で榛原君に言い始める。

「まぁ、それは仕方ないよ！」
「……じゃあ、僕はこれで！！」

「うん！」
「新居浜君もまた明日！！」

　お互い部活が有るため、僕は榛原君との会話を切り上げる。
　榛原君も和やかな表情で、僕に挨拶をしてくれる。

　ちなみに、僕の中学校部活動に“帰宅部”は存在しない。
　部活動をやりたくなくても、強制的に部活動へ加入させられる！

　僕は部活動をしたくないが、強制なので諦めるしか無い。
　榛原君と別れた後。僕は自分の部活動で有る園芸部に向かった……

　……

　僕の所属する園芸部の活動は主に、学校花壇の管理と簡単な作物作りで有る。
　花壇管理の説明は省いて、作物は現在サツマイモを育てている。

　収穫したサツマイモの一部は園芸部員に配られ、残った物は教師達が“ごにょごにょ”である！？
　そのため、畑もそんなに広くは無く、学校花壇も頻繁に植え替えをしないので、部活の中では比較的楽な部に成ると思う。

　僕が園芸部を選んだ理由は、運動部に所属するのが嫌だったのと、前世から花が好きだったからで有る。
　花は、男女関係無しに心を癒やしてくれる……

『がや、がや、―――』

『きゃっ、きゃっ、―――♪』

　この日の部活動は学校花壇の見回りと、サツマイモ畑の生長確認だけと、活動らしい活動は無しに終わる。
　園芸部だけ有ってDQN系が居ない事から、僕は授業を受けている時より、部活動の方が気楽で有る。

『では、本日もお疲れ様でした！』

『お疲れ様でした！！』

　三年生女子生徒が務める園芸部部長の挨拶の後。部員全員で終了の挨拶をしたら、部活動は終了で有る。
　作業をする時は体操服やジャージに着替えるが、今日は見回り・確認だけなので制服姿で有る。

『カキーン♪』

『ダッ、ダッ、―――』

『おい、そこ～～！（怒）』

　他の運動部がまだグランドで活動している中。僕は部室に置いて有るカバン類を手に取り、中学校から家に帰宅する。

『てく、てく、―――』

　僕は一人で中学校の校門から出た直後。僕を待っていたかのように、陽気で聞き慣れた声を突然聞く！

「陽向君！！」

　その声は、僕の幼なじみで有る恵那で有った。
　恵那は中学校の校門を出た直後で、待ち伏せをするように立っていた。

　僕が話し始める前に、恵那は和やかな表情で話し始める。

「陽向君を待っていたつもりは無いけど、私が帰ろうかと思っていたら、校庭の方から陽向君が歩いて来るから待っていた！」

（今まで、そんな事をして来なかったのに、関係が戻ったから守勢から攻めに切り替えたか…）

　恵那の部活は家庭科部で有り、僕の園芸部と同じように“みっちり”とは活動はしない。
　そのため、僕と同じように暇な時期は部活動が早く終了する。

「テストの結果も教えたいし、一緒に帰ろうか！」
「陽向君！！♪」

　恵那は笑顔で僕に言う。
　僕も、恵那のテスト結果は聞きたかったし、関係を戻した以上は付き合うべきだと判断する。

「仕方ないな。恵那……」

　僕は、渋々の表情で恵那に言う。
　けど、恵那は嬉しそうな表情で僕に言い始めた。