僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

第1部 第4章 僕の幼なじみが急接近してきた！

第42話 恵那と食べる晩ご飯 その2

　……

「はい。恵那ちゃんに陽向！」
「手伝ってくれて、ありがとう～～♪」

「もう、席に座ってくれても大丈夫だよ♪」

　結花は僕と恵那に向けて、笑顔で言いながら“すき焼き”のメインで有る、牛肉の入った大きなパックを持ってくる。

「わぁ～～～❤♪」
「凄く良さそうなお肉ですね！♪」
「これは楽しみ～～♪♪」

　ダイニングテーブルの椅子に座った恵那は、結花が持って来た牛肉のパックを見ながら、目をキラキラさせている。

（この肉は……誰もが見ても分かる、国産高級和牛だな！）
（それも、近所のスーパーで売っている、なんちゃって国産牛では無い…）

（結花はホットケーキと言い、すき焼きと言い、恵那を心底もてなしているな！！）

　結花が用意した牛肉は間違いなく、肉専門店で買った牛肉で有ろう。
　すき焼きが大好きな孝太郎は、肉にもこだわっていたから、自みずから牛肉を買いに行くことも“しばしば”有った。

　ちなみに、僕と結花で“すき焼き”を食べる時の牛肉は、スーパーで売っている普通の牛肉で有る。
　僕は結花との母子家庭だし、結花は専業主婦からの理由も来ている。

「すき焼きが大好きな恵那ちゃんだから、色々と好みや“こだわり”が有るでしょ～～♪」
「今回は恵那ちゃんの希望通りで、すき焼きを作るよ！♪」

　結花は椅子には座らず、笑顔で恵那に話す。
　恵那希望通りの“すき焼き”を、結花は提供するそうだ。

　恵那は少し困った微笑み表情で、結花に話し始める。

「では、おばさん……遠慮なく///」
「私は…、甘めの関東風が好きです！！」

（恵那は関東風か…！）
（作るなら、関東風のが楽だしな）

「恵那ちゃんは関東風が好みなんだね！」
「……そうすると、割り下が必要だね！！」

「ちょっと、待っていてね…！」

　結花は和やかな表情で恵那に話し終えると、砂糖と醤油のボトルを手に持って、ダイニングテーブルからキッチンの方に戻る。
　ダイニングテーブルには関西風を前提とした、砂糖や醤油が置いて有ったが、割り下までは用意していなかった。

　恵那は、にこにこ笑顔で僕に聞いて来る。

「私と言うか、私の家では“すき焼き”は関東風が定番だけど、陽向君の家は関西風なんだよね！」
「テーブルに、お砂糖やお醤油が置いて有ったから♪」

「そうだよ。恵那！」
「僕の家と言うか、孝太郎が関西風が好きだったからね！」

　僕は和やかな表情で恵那に言うが……僕の言葉で恵那は怪訝な表情に変わる！
　その表情で恵那は、僕に聞き始める。

「……孝太郎さんって誰？」
「陽向君の所は、おばさんとの二人暮らしだよね…？」

「！」

（しまった…！）
（お父さんと言う所を、名前こうたろうで呼んでしまった）

「あっ…///」
「僕の……お父さんの名前だよ。恵那！///」
「僕のお父さん……孝太郎と言うんだ！！///」

　僕は、焦った表情で恵那に言う。
　すると恵那は、理解した表情で僕に話し始める。

「……あっ、そう言うこと！」
「陽向君、お父さんの名前なんだ！！」

「……陽向君は普段。お父さんのことを名前で呼んでいたの？」

　だが、最後の文章は、尋ねる表情で聞いて来る恵那！
　この子も中々しつこいな！///