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第1部 第4章 僕の幼なじみが急接近してきた!

第40話 今日のご飯はなあに?

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 ……

 その後も、僕は恵那と一緒にテスト勉強を続けて、少しずつだが時間は過ぎていく。
 僕も今回のテストから、真剣にテスト勉強を始めるように成ったが、勉強をしていても極端に、時間が早く進んで行くことは無い。

「……」

「ふぁ~」

 それは恵那も同じで有り、時々“あくび”をしながらテスト勉強をしている。
 その所為か、17時を過ぎた辺りから、僕と恵那も段々と集中力が途切れてくる……

「ねぇ、陽向君!」

「……どうした、恵那?」

 恵那は漢字の書き取りをしながら、穏やかな口調で聞いて来る。
 僕は理科の勉強をしながら、落ち着いた口調で恵那からの言葉に答える。

「今日の晩ご飯は、何だろうね?♪」
「やっぱり、ご馳走が出るのかな!♪」

「……恵那が来ているから、勿論ご馳走が出るだろう」
「何が出るかは知らんが…」

 今日の晩ご飯メニューを、僕は結花から聞いてないので、素っ気なく恵那に答える。
 すると、その会話を聞いていた結花が、嬉しそうな口調で俺と恵那に向けて話し始める。

「二人共!」
「今晩は、すき焼きよ!!」
「恵那ちゃんのために、特別に良いお肉を用意したわ♪」

 結花の言葉で、恵那はノートから顔を勢いよく上げて、嬉しそうな表情で結花に顔を向けて話し始める。

「わっ!」
「今晩は、すき焼きなんですか!!♪」

「私、すき焼き大好きなんです!!♪♪」
「陽向君のおばさん!///」

(恵那の好物って……すき焼きだっけ?)
(覚えていないな……)

 恵那とは小学校低学年の頃に遊んだ仲で有るが、僕の家や恵那の家でご飯をご馳走に成ったり、お泊まりをする程までのレベルでは無かった。
 恵那は“すき焼き”が好物だとは、僕は今まで知らなかった。

「恵那ちゃん!」
「美味しく“すき焼き”を食べられるように、一生懸命勉強をして、お腹を空かせようね♪」

 結花は恵那に弾んだ口調で言っている。
 恵那も嬉しそうな表情で、結花に話し始める。

「はい。おばさん♪」
「晩ご飯の時間まで、一生懸命勉強をします!!」

 恵那はそう言い終えると、真面目な表情に変わってノートに視線を戻した。

(現金な奴だな…)

(それしても、すき焼きか…)
(すき焼きも孝太郎が死んでからは……食卓に上がることも、めっきり無くなったな)

 僕の父親で有る孝太郎は、すき焼きが大好物で有った。
 孝太郎は鍋奉行では無いが、すき焼きだけは鍋奉行に成った。

 孝太郎は関西風を好み、〆は“うどん”と徹底していた。
 すき焼きの味付けも、僕にはかなり甘めに感じていたが、結花はそれを指摘しないため、僕は何も言えなかった……

(すき焼きは美味しいのだが、二人で食べる料理とは言いにくいからな)
(鍋のように体が温まるとは言いにくいし、酒がまだ飲めない僕にとっては、すき焼きより牛丼の方がマシと成る)

 僕は心の中で思ってしまうが、結花が宣言している以上、材料は既に揃っているのだし、恵那も非常に楽しみへしている。
 僕がそれに、水を差す行為はするべきでは無い……

 ……

『トン、トン、―――♪』

 晩ご飯の時間が近付き、結花がキッチンで“すき焼き”の準備を始めている。
 僕と恵那は、結花扱う包丁の音を聞きながらテスト勉強をしている。

「いよいよ、すき焼きだね!」
「陽向君!♪」

「……///」

 恵那は子どもだが、本当に嬉しそうな笑顔で僕に言う。
 僕はその笑顔を見ると、戸惑ってしまう!///

(あ~~、やっぱり。心は結花でも、体は恵那を求め始めている!///)

 僕は少しずつで有るが……結花から、恵那を意識し始めていた!///
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