僕は結花が好きなのに、結花は勝手に僕へ女を紹介してくる。ー僕は意図的に結花の子どもに成ったのにー

小春かぜね

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第1部 第4章 僕の幼なじみが急接近してきた!

第32話 カツカレーと恵那 その2

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「……お母さんは、それを受けてしまったの!?///」
「僕が、恵那のテスト勉強を教えるのを…!///」

 僕は少し頬を染めて、焦った表情で結花に言う。
 けど、結花は笑顔で僕に話し始める。

「えぇ、もちろんよ!♪」
「陽向と恵那ちゃんは幼なじみだし、私も、恵那ちゃんのお母さんとはかなりの付き合い」
「恵那ちゃんとは昔のように仲良くして欲しいなと、私は感じている…!」

「……」

(恵那のおばさんが、結花をお茶に誘った理由はそれか!)
(雑談の延長線で、恵那のテスト勉強を僕に教えさせる為の……)

 恵那の“おばさん”に結花は嵌められたんだなと、僕は感じるが、結花も優しいと言うか甘い人で有る。
 僕は、困った表情で結花に話し始める。

「お母さん……僕は、恵那に勉強を教えられる人では無いよ!///」
「出来れば、断って欲しいのだけど…」

「何を、言っているの陽向♪」
「学年上位に入っている陽向が、恵那ちゃんに勉強を教えられないわけ無いでしょ!♪」

「お母さんは、ちゃんと覚えているよ!」
「陽向が恵那ちゃんとよく遊んでいた時代。陽向が恵那ちゃんに宿題を教えていたことを…!」

(結花も、良く覚えているな…)
(恵那とはこのまま『付かず離れず』の関係で切り抜けようとしているのに、恵那のおばさんが押し付けてきた)

 僕は恵那とは幼なじみで有るから、恵那のおばさんとも仲が良くなる。
 恵那のおばさんも、僕が良い子(?)だと見ているから、今でも恵那の勉強を見て貰えると思っているのだろう。

「おねがい。陽向!」
「陽向は嫌かもしれないけど、お母さんの顔を立てると思って!!///」

 結花は、お願いする表情で僕に言う。
 結花のお願い事はなるべく聞きたいが、今回のことは少しな……

(だけど、ここで結花に貸しを作っておけば、今後の展開が有利になるかも知れない)
(人間社会は原則……貸しは返さないと行けないからな)

「……分かった。お母さん…///」
「恵那の勉強を見るよ!///」

 僕は頬を少し染めて、観念した表情で結花に言う。
 だが、結花は僕の言葉の後。満面な笑顔で言い始める!?

「陽向なら、そう言ってくれると信じていた♪」

「……実はね、今週の週末にセッティングをもうしちゃったのよ♪」
「恵那ちゃんがこの家に来て、泊まり込みでテスト勉強をするのを♪」

「!!!//////」

(どうして、そんな急展開へ結花と恵那のおばさんは持って行くの!?///)
(その前に、恵那はそれを容認しているのか!?)

「おっ、お母さん…//////(汗)」
「話が飛躍しすぎだよ…//////」

 僕は頬を染めて困った表情で言うが、結花は和やかな表情で言い始める。

「大丈夫よ。陽向!」
「勉強を教える場所は陽向の自室では無く、この部屋リビングだし、寝室も私の寝室で恵那ちゃんを泊まらせるから、問題は全くないよ」

「それとも……陽向は、恵那ちゃんと二人きりで勉強をしたい?♪」
「あっ、でも……二人はまだ中学生だから、大人の勉強は駄目だよ!❤」

 後半の文章は、口角を上げながら言う結花!
 もしかして、恵那のおばさんは、恵那に勉強を僕が教えるよりも、そっちが真の目的!?

「お母さんや恵那のおばさんが良くても、恵那が反対するかも知れないだろう?」
「恵那は……それを良いと思っているの!?」

 僕は『ムッとする』表情を見せながら、結花に言う。
 だが、結花は微笑みながら僕に話し始める。

「恵那ちゃんも出来れば……陽向に、勉強を教えて欲しいんだって」
「近所で頼れる人は、恵那ちゃんには陽向しか居ないから」

「……」

 僕にとっては『寝耳に水』の言葉でしか無かった。
 楽しい、美味しい晩ご飯の時間だったのが、何とも言えない時間に変わってしまった!///

 ……

 今週の週末。
 僕が恵那にテスト勉強を教えるため、数年ぶりに僕の家へ恵那が遊びに来る!!

 これは只の偶然なのか、それとも意図が有っての物かを、僕は知りようが無かった。
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