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第12話 悪夢は続く……
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翌朝と言うべきか、部屋の中には完全に日が差していた。
俺は横に寝転がり、手を伸ばして、テーブルに置いてあるスマートフォンで時刻を確認する。
(午前10時40分……。まだ少し眠いし…もう少し寝ようかな?)
(今日は何曜日だっけ?)
体を仰向けにして、朦朧とした状態であれこれと考える。
(あっ、あの子は消えたかな?)
(あっ! あ~~、頭痛い!!)
(こりゃあ、完全に二日酔いだな。まぁ…今日は1日は、惰眠でも貪るか)
そう考えながら、俺は横に寝返りを打つと、布団にはこんもりと山が出来ている。
(あれ?)
(まだ、夢の中ですか?)
(もう、良いよ……)
俺は頬を『ギュー』と強く、手で引っ張るが夢からは覚めない……
(まさかのまさかだが、現実か!?)
俺は起き上がり、意を決して、こんもりと盛り上がった布団を捲る!!
「!!!」
期待を見事に裏切り、昨日の女の子が猫みたいに丸くなって寝ていた。
しかし、布団を捲ってもその子は起きない。
猫と言うよりかは、蛇が冬眠している様にも見える。
(どうしろっと言うんだよ…)
俺はその子を見なかった事にして、その子が寝ている間に、人形を探し出そうと思い部屋中を探すが見つからない……。やはりと思ったが、人形を探す物音でその子が目を覚ます。
「……」
その子は上半身を起こして、目を半開きの状態で周りを見ているが、俺を見つけると蛇見たいに目を『クワッ』と見開いて、俺を睨み付けて言い放つ。
「正輝」
「えっ、はい……」
俺はその威圧感でびっくりしてしまう。
蛇に睨まれた蛙状態で有る。
「……お腹が空いた」
「あの時は、食べなくても平気だったのに」
その子はそんな事を言う。『あの時』はどんな時だ!?
「食パンとバナナしか無いけど食べる?」
「……食べる」
俺は『まだ夢の中に居るんだ!』と言い聞かせて、自分・その子の分の朝食を準備する。
買い置きしてある食パンをオーブントースターで焼いて、トーストにしてテーブルに運ぶ。
テーブルの上には、マーガリンとイチゴジャムを用意して、好きな物をパンに塗って貰う。
その子は、俺が準備をしているのに全く動く気配を見せずに、テーブル付近のカーペットに只座っていた。
少し苛立ちを覚えたが、我慢して準備を進める。
「……飲み物は何が良い?」
「まぁ、コーヒーと紅茶と牛乳しか無いけど」
「牛乳!!」
その子は力強くそう言う。
怒りをぶつけたい気持ちを我慢しながら、自分のコーヒーとその子の牛乳をコップに注いで持って行く。
部屋に戻り、俺がその子に牛乳を置こうとした時に、その子はもう半分以上のパンとバナナを食べていた。
更にパンには、たっぷりのマーガリンとジャムを塗って、当たり前のように食べていた。
(この子は自分の立場が分っているのかな?)
(遠慮もせずに勝手に食べて、お客さんでもこんな行為をしないぞ!)
「はい。どうぞ……」
俺がその子の目の前に牛乳を置いた瞬間、お礼も言わずにコップを持って牛乳を飲み始める」
(まるで飢えた子どもみたいだ……。食べ物しか見ていない)
(とにかく、これが夢か現実かは分らないが、早くこの子をどうにかしないと……)
その子の食事風景を見ながら、俺はコーヒーを飲んだ…
俺は横に寝転がり、手を伸ばして、テーブルに置いてあるスマートフォンで時刻を確認する。
(午前10時40分……。まだ少し眠いし…もう少し寝ようかな?)
(今日は何曜日だっけ?)
体を仰向けにして、朦朧とした状態であれこれと考える。
(あっ、あの子は消えたかな?)
(あっ! あ~~、頭痛い!!)
(こりゃあ、完全に二日酔いだな。まぁ…今日は1日は、惰眠でも貪るか)
そう考えながら、俺は横に寝返りを打つと、布団にはこんもりと山が出来ている。
(あれ?)
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(もう、良いよ……)
俺は頬を『ギュー』と強く、手で引っ張るが夢からは覚めない……
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しかし、布団を捲ってもその子は起きない。
猫と言うよりかは、蛇が冬眠している様にも見える。
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「……」
その子は上半身を起こして、目を半開きの状態で周りを見ているが、俺を見つけると蛇見たいに目を『クワッ』と見開いて、俺を睨み付けて言い放つ。
「正輝」
「えっ、はい……」
俺はその威圧感でびっくりしてしまう。
蛇に睨まれた蛙状態で有る。
「……お腹が空いた」
「あの時は、食べなくても平気だったのに」
その子はそんな事を言う。『あの時』はどんな時だ!?
「食パンとバナナしか無いけど食べる?」
「……食べる」
俺は『まだ夢の中に居るんだ!』と言い聞かせて、自分・その子の分の朝食を準備する。
買い置きしてある食パンをオーブントースターで焼いて、トーストにしてテーブルに運ぶ。
テーブルの上には、マーガリンとイチゴジャムを用意して、好きな物をパンに塗って貰う。
その子は、俺が準備をしているのに全く動く気配を見せずに、テーブル付近のカーペットに只座っていた。
少し苛立ちを覚えたが、我慢して準備を進める。
「……飲み物は何が良い?」
「まぁ、コーヒーと紅茶と牛乳しか無いけど」
「牛乳!!」
その子は力強くそう言う。
怒りをぶつけたい気持ちを我慢しながら、自分のコーヒーとその子の牛乳をコップに注いで持って行く。
部屋に戻り、俺がその子に牛乳を置こうとした時に、その子はもう半分以上のパンとバナナを食べていた。
更にパンには、たっぷりのマーガリンとジャムを塗って、当たり前のように食べていた。
(この子は自分の立場が分っているのかな?)
(遠慮もせずに勝手に食べて、お客さんでもこんな行為をしないぞ!)
「はい。どうぞ……」
俺がその子の目の前に牛乳を置いた瞬間、お礼も言わずにコップを持って牛乳を飲み始める」
(まるで飢えた子どもみたいだ……。食べ物しか見ていない)
(とにかく、これが夢か現実かは分らないが、早くこの子をどうにかしないと……)
その子の食事風景を見ながら、俺はコーヒーを飲んだ…
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