☆第二集☆ チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―王者の剣と二人の美少女との冒険ー

小春かぜね

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長い休息

第2話 何時も通りの仕事をこなす その1

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 ……

 リンがアスの部屋へ食事を持って行く中。俺は食堂の後片付けを始める。
 メルコは子どもたちの相手をしているので、子どもたちの相手はメルコに任せる。

『ジャァァーー』←水の音

 俺は下げた食器類を、教会側に備わっている厨房に移動して洗い始める。
 メルメーサ王国の城下町で有るパプテトロンは異世界の癖に、上水道が整備されているから様な家事も楽で有る!

 食器も洗い終えて、俺が食器を拭き始めると……厨房のドアが開く。

『ガチャ!』

「……///」

 ドアを開けたのはリンで有ったが、その表情は悲しく、またリンが両手に持っているトレイには、殆ど手の付いていない朝食が乗っていた。
 リンはその表情で厨房のゴミ箱に向い、皿に乗っている料理をゴミ箱に捨てる。

『バサッ!』

「……殆ど、手を付けていないな」

 俺はリンが捨てた残飯を見ながら、難しい表情で呟く。
 リンは残飯を見つめながら、悲しい口調で言い始める。

「食べたく無いんですって……流石に、牛乳は私が無理矢理飲ませましたけど……」
「アスちゃんが大好きって言っていたイチゴも、一粒も食べませんでした///」

「アスはイチゴが好きなんだ…。知らなかった」

 俺は澄ました表情で呟く。
 アスも冒険仲間で有るが、アスはプライベートをみずからペラペラ喋る子では無い。

 そして、リンはアスの事を非常に気に入っている!
 自らは言わないアスだが、聞かれれば答えるアスで有るから、リンがアスの好物を何処かで聞いたのだろう。

 リンはゴミ箱の蓋を閉めて、流し場に向かい、アスの食器類を冷めた表情で洗い始める。
 俺は食器を拭きながら、参った表情でリンに話し始める。

『ジャァァーー』

「リン…」
「人間は何日も、空腹に耐えられる作りには成っていないから、何処かでちゃんと食べ出すよ」

「スズヤはやっぱり……女の子の気持ちを理解していませんね///」
「アスちゃんは魔物を倒す感覚で、フウゴルを倒したわけでは無いですよ!///」

 リンは俺に目線を合わせず、辛い表情で俺に話す。
 俺だって……リンやアスの気持ちは理解しているが、悪い事をした人間を退治するのは当然で有ろう。

 ……

 朝食の後片付け後は、何時もリンと一緒に夕食の買い出しに市場へ行くのだが、さっきの失言の所為かリンは『今日は用事が有る…』と言って、俺との買い出しを間接的に拒否してきた!
 リンは優しくて、思いやりの有る少女で有るが、それだけ相手への感情移入をしてしまうため、相手を思いやらない発言をするとに拗ねる!///

 俺は仕方無いので、市場に一人で買い出しに向おうとすると……メルコが笑顔で俺の方にやって来て、俺に話し始める。

「スズヤ君! 買い物に行くのでしょ?♪」
「私も、付いて行って良い?♪♪」

「うん。良いよ、メルコ!」
「今日はリンが用事が有るとかで、俺一人で行く所だったからさ!」

 俺は和やかな表情でメルコに話す。
 都合良く、荷物持ちが現われてくれた!

 メルコはリンとアスと比べて、力が有るようだし、体力も有りそうだから買い物の荷物持ちには丁度良い!?
 今日はメルコを連れて、俺は市場に向う。

 メルコは歩きながら、和やかな表情で俺に話し始める。

「ねぇ、スズヤ君。どうして、スズヤ君はこのお仕事に就いたの?」
「スズヤ君なら、もっと良いお仕事が有るような気がするけど??」

「あぁ……俺はこの世界で(こども)食堂を開きたくてね!」
「その修行も兼ねて、養護施設の厨房で働いているのだよ!!」

 俺も和やかな表情でメルコに話す。
 俺とメルコの関係は最近出来たばかりで有るから、お互いの事は表面上しか知らない。

 メルコは嬉しそうな表情で、俺に話し始める。

「へぇ~~。スズヤ君はパプテトロンで食堂を開くんだ~~♪」
「良いね~~。スズヤ君の料理はとても美味しいし、お店をひらけたら絶対人気店になるね~~♪♪」

「もちろん、常連になるからね♪」
「スズヤ君!♪」

「……///」

(メルコは本当に、可愛い表情で言うな~~///)
(俺がリンと深い関係で無かったら、俺はメルコと関係を深めているよ!///)

 俺とリンの関係は親友関係を通り越して、恋人関係に近い関係で有る。
 一時的で有るが、俺はリンの役も演じた時が有る。

 だが、お互いが正式な告白をしていないし、キスをし合うほどの関係ではまだ無い。
 それにリンはまだ未成年だし、アスも俺に気が有るみたいだし!?///

 普段とは違うパートナーで市場に買い出しに行って、この日の夕食はそのパートナーが食べたい物で夕食の献立を考える。
 ちなみに、そのパートナーが求めたメインメニューはベーコンエッグで有った。

「~~~♪」

 メルコは希望のメニューが通ったので、ニコニコ笑顔で両手に荷物を持ってくれる。
 また、持ってくれる量もリンより多いので、今後の買い物パートナーはリンからメルコに変更したいぐらいで有った///

 市場から教会に戻る帰り道も、俺はメルコと談笑を楽しみながら帰った!
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