俺のモテない学園生活を妹と変えていく！？ ―妹との二人三脚で俺はリア充になる！―

第7.1章 個別ルート 虹心・小鞠編

第640話 母親に呼び止められる

　……

　俺たち三人は、動植物園から三國家に戻る。
　帰路の方も俺たち三人は、楽しく談笑しながら戻った。

　今晩。小鞠ちゃんは三國家に泊まっていく。
　母親の方も既に帰宅しており、台所で晩ご飯を作っている。

　俺たち三人は、台所にいる母親に帰宅挨拶をして、俺たち三人は普段着に着替えるために、自室に向かおうとすると何故か、俺だけが母親に呼び止められる。

「武蔵！」
「ちょっと良い？」

「……何。母さん？」

　二人の妹が虹心の部屋に行く中。俺は台所に残らされる。
　虹心と小鞠ちゃんが、台所から出て行ったタイミングで、澄ました表情で母親は俺に話し始める。

「武蔵…。動植物園の方はどうだったの？」
「問題なく終われた？？」

「えっ……まぁ、楽しかったよ。母さん」
「問題……特にないよ！」

　俺は、畏かしこまった表情で母親に話す。
　母親はその表情で、俺に言葉を続ける。

「あなたは、虹心と津和野さんのどちらかを選ばずに、二人との関係を深める選択をしたらしいけど、それを何時まで続けるつもりなの？」
「津和野さんの事情を虹心から聞いているから、余り私の方から言いたくは無いけど、早く選びなさいよ…！」

「それは大丈夫だよ。母さん！」
「近い内に決めるから！！」

　俺は、少し焦った表情で母親に話す。
　俺の中で、母親が詮索して来るとは思いも依らなかった。

　母親は呆れた表情に成って、俺に言葉を続ける。

「あんたは昔から、優柔不断だからね……その辺は妹にそっくりだわ（溜息）」
「虹心の話しでは、津和野さんは其処まで本気では無いと聞いているけど、津和野さんのお母さんはかなり、あんたを期待している感じだからね///」

「！？///」
「そうなの。母さん！///」

　俺は母親の言葉を聞いて、少し頬を染めた驚いた表情で言う。
　母親は困った表情に変わって、俺に言葉を続ける。

「……（三國）家と津和野さんは、昔からの関係が長いからね」
「津和野さんが彼氏を失った時に、心のケアをしたのは虹心だし、立ち直らせたのは虹心より武蔵の影響が大きいからね！」

「それに、あなたが三國家の養子で有る事は向こうも知ってしまったけど、あなたが虹心と深い関係で有る事までは、知らないでしょうし…！」
「余り延ばされると、私も誤魔化すのが大変だから、遅くてもこの関係は今年の夏休みまでにしてね…」

「分かったよ。母さん」
「それまでには、俺はどちらかを選ぶよ！」

　俺は理解した表情で母親に話す。
　虹心と小鞠ちゃんは、今の関係がずっと続いても問題ない感じで有るが（？）、母親達の方はやはり認めない感じで有る。

　母親との話しも終わり、俺は台所から出て階段を上ろうとすると……虹心と小鞠ちゃんが階段から下りてくる。
　三國家の階段はすれ違いが難しいので俺は、虹心と小鞠ちゃんが下りてくるまで階下で待機する。

「兄ちゃん。ありがとう！」
「……それで、お母さんとは何を話していたの？」

　虹心と小鞠ちゃんは俺の前で立ち止まり、虹心は和やかな表情で俺に話し掛けてくる。
　小鞠ちゃんは穏やかな表情で俺を見ている。

　俺は、少し困った表情で虹心に話し始める。

「大した事では無いよ。虹心！」
「『三人で遊ぶのも良いけど、俺は今年受験生なんだから！』と、母さんに言われただけだよ！」

　本当の事を言うと、二人の妹を困らせることに成るので、俺は二人の妹に嘘を吐く。
　虹心は『成る程ね…』の表情で、俺に話し始める。

「兄ちゃんも一応。受験生に成るからね…」
「でも、兄ちゃんの場合は今の状態でも……問題ない感じがするけど…！」

「まぁ、そうだけど…。母さんの事だから、万が一を心配しているのでは無い？」
「提携私立大学の選考に落ちてしまったら、俺は就職活動をする羽目になるからね///」

　俺は困った微笑み表情で虹心に話す。
　虹心は和やかな表情に成って、俺に話し始める。

「お母さんも、変な所で心配性の所が有るからね！」
「じゃあ、私はお母さんの手伝いをして来るけど、兄ちゃんは着替え終わったら小鞠ちゃんとの相手をお願いね！」

　この言葉で俺は虹心との会話を終えて、虹心は台所に向い、小鞠ちゃんはリビングに向う。
　俺は着替えるために、階段を上って自室に向う。

　虹心は俺の嘘を見抜くのに長たけているが、さっきの会話では俺を疑うこと無く普通に会話が成立した？
　恐らくだが、小鞠ちゃんが居る手前。余計な詮索は止めたのだろう。

　虹心は空気を非常によく読むし、それこそTPOを弁えているからな！
　本当。義理でも素晴らしい妹だ！！