俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第7章 個別ルート 三國虹心編

第607話 再開される探索

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「えっと……武蔵さん」
「なら、これを貰っていきますね」

 カップメンの物色を終えた小鞠ちゃんが、俺の方に貰っていくカップメンの容器を見せながら、遠慮気味の表情で話す。
 だが、小鞠ちゃんの選んだカップメンは、コンビニ限定品では無く、全て通年販売の商品ばかりで有った。

 優しい小鞠ちゃんだから、敢えて限定品を避けたのだろう。
 これが虹心だったら……きっと、遠慮無しに限定品を笑顔で選ぶだろう!?

 俺には拒否権が無いから、困った微笑み表情で小鞠ちゃんに話し始める。

「うん…。分かった」
「カップメンも小鞠ちゃんに貰われて、嬉しいと感じているよ///」

「…はぁ!?」

 俺の言葉を聞いていた虹心は『此奴、何言っているの?』の不満を出す。
 此処で俺が反論すると『火に油を注ぐ』行為に成るので、俺は聞かなかった振りをする。

 小鞠ちゃんは困った笑顔で、俺に話し始める。

「では、貰っていきますね///」
「あはは///」

 小鞠ちゃんの言葉の後。
 此処でやっと、虹心は穏やかな表情に変わって、小鞠ちゃんに話し始める。

「小鞠ちゃん!」
「持ち帰る袋は下に有るからね!!」

「あっ……はい///」
「ありがとうございます……虹心ちゃん///」

 小鞠ちゃんは少し頬を染めた、驚いたで虹心に返事をする。
 言うまでも無いが、急に豹変したから驚いたのだろう。

 ……

 この後。小鞠ちゃん冒険家は、再び俺の部屋の探索を始める。
 虹心は基本。極端に怒らせない限り根は持たないから、は虹心の中ではもう終わっている。

 なので、俺の食事に塩分過剰追加はされないし、喧嘩状態でも無い。
 だから、虹心は穏やかな表情で俺に話し掛けてくる。

「良かったね。兄ちゃん!」
「少しでも、カップメンの余剰在庫が減って!♪」

「私のお陰だよ!」
「小鞠ちゃんも喜んでいたし!!」

「うっ、うん……(汗)」

 俺は虹心の言葉を、複雑な表情で返事をするしか無かった。
 虹心が『俺の為を思ってやった』と、自負しているだろうし、虹心には刃向かうより尻に敷かれていた方が楽で有る!?

 小鞠ちゃんが持ち帰るカップメンは、俺の机の上に仮置きされている。
 小鞠ちゃん冒険家は本棚の方に近付き、収納されている漫画を見ながら呟き始める。

「武蔵さんの本棚は……私が、見ない本が多いですね?」
「それに……1冊、1冊も大きくて分厚いような…?」

 小鞠ちゃんはそう言いながら、収納されている本を1冊手で引き出す。

「空母……のりくら?」
「……これは、どんな内容なんですか。武蔵さん?」

 小鞠ちゃんは『空母  のりくら』の青年漫画単行本を俺に見せながら、尋ねる表情で聞いてくる。
 俺は穏やかな表情で、小鞠ちゃんからの質問に答え始める。

「小鞠ちゃん!」
「『空母  のりくら』は、現代紛争物を描いた漫画だよ!!」

「『新鋭空母 のりくら』が、日本近海で起きた紛争に対処する漫画だよ!」
「分かりやすく言えば、戦争物のヒューマンドラマかな!!」

「……そうですか!///」
「武蔵さん。ありがとうございます!!///」

 小鞠ちゃんは少し頬を染めた、穏やかな表情でお礼を言うが、その漫画を開こうとはせずに本棚にしまう。
 小鞠ちゃんのその姿を見ながら、虹心は困った微笑み表情で小鞠ちゃんに話し掛ける。

「兄ちゃんの本棚は、私や小鞠ちゃんが読まない漫画が多いからね!」
「兄ちゃんには面白いらしいけど、私も積極的には兄ちゃんの漫画は読まないし…」

「ですね、虹心ちゃん」
「漫画の種類はたくさん有りますが……私が知っている『自滅の剣』や『スパイ家族』とかは無さそうですね///」

 小鞠ちゃんも、困った微笑み表情で虹心に話す。
 虹心は和やかな表情で、小鞠ちゃんに話し始める。

「兄ちゃんは、私たちと感性が違うんだよ!」
「でも、それも兄妹だしね!!」←小鞠にはまだ義兄で有る事を伝えていない

「……」

(だから言っただろ。俺の部屋なんか見ても面白くは無いって)

 ……

 この後直ぐに、小鞠ちゃん冒険家に依る俺の部屋探索は終わり、虹心と小鞠ちゃんはカップメンを手に抱えながら、リビングの方に戻って行く。
 流石の小鞠ちゃん冒険家も、机の各引き出しや、衣類が収納してるクローゼットを開こうとはしなかった。

 それをされたら、部屋を見るでは無く家捜しに変わるからな///
 俺は自室のドアを閉めて、虹心と小鞠ちゃんの後を追った。
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