俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第581話 陽葵先輩と観覧車 その1

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 俺と陽葵先輩はアトラクションエリアに有る、観覧車乗り場に到着する。
 観覧車の待ち時間は無しで、直ぐに観覧車へ乗ることが出来る。

「じゃあ、扉を閉めます!」

『ガチャ』

「……では、いってらっしゃい♪」

 女性スタッフから、和やかな表情で声を掛けられた後。駕籠かごの扉が閉まり、そのスタッフが見送ってくれる。
 メープルの山の観覧車は大きいのでは無いから、10分ぐらいで1周するらしい。

 逆を言えば俺に取って、この10分が勝負で有る!
 俺たちを乗せた観覧車の駕籠は、ゆっくり頂上に向けて上がって行く。

「~~~」

 乗る前は嫌そうな陽葵先輩で有ったが、今は穏やかな表情で外の景色を見ている。
 もちろん。席は隣同士で有る。

 俺は景色を見ている陽葵先輩に、和やかな表情で話し掛ける。

「陽葵先輩!」
「やっぱり、遊園地と言えば観覧車ですよね!!」

「そうだね。武蔵君」
「武蔵君にはジェットコースターとかの方が好きだろうけど、私は静かな乗り物の方が好きだね」

 陽葵先輩は、穏やかな表情で俺に話す。
 でも、今の状況は良いムードとは言えない。

 正直言って、親友同士の会話で有る。
 俺はこの状況から、どうやってムードを作るべきかを考え始める。

(甘い言葉を使って、陽葵先輩をその気にさせれば良いのだが、俺が甘い言葉を使っても目線で陽葵先輩は見るだろう///)
(陽葵先輩みずからが、俺にキスをして来ることは100%起きないだろうし!)

「……」

 俺が心の中で思っている間に、観覧車の駕籠は頂上を目指して上っていく。
 陽葵先輩も特に話し掛けて来ようとはせず、無言で外の景色を見ている。

(うーん。頭で考えても……良い策が思い付かない)
(こうなったら、正面突破をしてみるか!?)

 俺はまだ陽葵先輩とキスはしていないし、抱きついてもいない。
 当然。陽葵先輩の裸も見たくても見られていない///

(カミカゼでは無いけど、2人の時間は今しか無い)
(陽葵先輩だって、俺が求めているのを知れば素直に受け入れてくれるだろう…!)

 まもなく、観覧車の駕籠が頂上を迎える時。俺は少し恥ずかしい表情で、陽葵先輩に話し掛ける。

「陽葵先輩///」
「あの……急にですが、陽葵先輩を抱き締めても良いですか?///」

「……武蔵君」
「駕籠の中は結構、安定が悪いよ…」

 だが、陽葵先輩はたしなめる表情で俺に言い放つ。
 けど、その後は困った微笑み表情に変わって、俺に言い始める。

「立ちながらは危険だけど、座った状態なら良いよ」
「……おいで。武蔵君」

「!!」

(やった!)
(座った状態だけど、念願の陽葵先輩を抱き締められる!!)

『ガバッ!!』

 俺は陽葵先輩の言葉の後。座った状態で有るが陽葵先輩を抱き締める!
 陽葵先輩の胸は小ぶりになるが、それも女性を抱き締めている感触を得られる!!

 間近で嗅ぐ陽葵先輩の香りや、体の感触を俺は五感で感じる。

「あっ……もう///」
「言った途端に、私を抱き締めてきた!///」

「しょうがない子///」

 陽葵先輩は困った微笑み表情で俺に話すが、口調は柔らかった。
 俺はこれを千載一遇のチャンスだと確信して、一気にキスまで求めることを即断する。

 此処で一気に陽葵先輩を攻め落とす!

「陽葵先輩……好きです!///」
「もう、この先に進んでも良いですよね!///」

 俺は嬉し恥ずかしい表情で陽葵に言い、キスを求める体勢を作る。
 陽葵先輩の方は『仕方ないな///』の表情で、俺に話し始める。

「……良いよ。武蔵君///」
「でも、軽くだよ///」

「んっ……」

「……んっ」

 観覧車の駕籠が丁度頂上を迎える時。俺はやっと陽葵先輩とキスをする。
 キスの味は甘酸っぱい味では無かったが、陽葵先輩の温もりを感じる。

 ここまでの道のりは凄く険しくて長かったが、念願のキスをやっと果たせた……
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