俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
571 / 655
第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第571話 『撫子』ランチ その2

しおりを挟む
「陽葵さんや三國君は……葉月学園を卒園しているのに、まだ先輩を付けて呼んでいるの?」
「……なんか、変じゃない?」

「一応。先輩後輩の関係だけど、もう既に卒園をしているだし、2人はそれ以上の関係でしょ!?」
「どうして、普通に呼ばないのよ??」

 亜紀は疑問を感じた表情で、俺に尋ねてくる。
 俺は『あ~~』の表情をしながら、亜紀に話し始める。

「言われてみればそうだね!」
「でも、陽葵先輩と言った方が言い慣れているから、そう呼んでしまうのだよね(汗)」

「三國君が陽葵さんどう呼ぼうが、私には関係ない事だけど、普段からそう呼んでいるんだよね…」

 亜紀は理解しがたい表情で俺に話す。
 俺は少し困った表情で、亜紀に話し始める。

「うん…。まぁ、そう……」
「けど、陽葵先輩は何も言わないし、真優美さんも何も言って来なかったから……」

「……」

 亜紀は無言の難しい表情に変わる。
 亜紀の中では、俺が陽葵先輩と呼んでいるのが『何処かおかしい』と感じているのだろう。

(俺と陽葵先輩がもっと関係が深くなれば、呼び方も陽葵さんや陽葵と呼ぶんだけど、今の関係では、本当に先輩後輩の延長線だからな///)
(だけど、年上の人を呼び捨てにするのは良くないから、先輩からに変わるだけだよな……)

「~~~」

「~~~」

 俺が心の中で感じていると、真優美さんと陽葵先輩が厨房から出て来て、トレイに料理乗せて運び始める。
 その匂いはカウンターの方まで届く。

(……この匂いは、和食系の匂いだな)
(それに、丼のような器にも見えるから、カツ丼とかのたぐいかな?)

 俺が話し掛ける前に、真優美さんと陽葵先輩は昼食場所と成るテーブルに向かって行ってしまったので、俺は亜紀に聞く事にする。
 亜紀なら今日のまかない(昼食)を知っているだろう。

「亜紀…」
「俺にとっては、今日のランチは何?」

 俺は亜紀に尋ねる表情で聞くと、亜紀は穏やかな表情で俺の質問に答え始める。

「今日の賄いは親子丼だよ」
「普段は日替わりランチで残った材料で作るんだけど、今日は三國君が来るから特別って、真優美さんが言っていた」

「親子丼か~~!」
「別に日替わりランチの賄いでも良かったのに……」

「ちなみに、今日の日替わりランチはなんだったの?」

 俺は納得した表情で亜紀に話し、最後の文章は質問する口調で話す。
 亜紀は表情を変えずに、俺からの質問に答える。

「今日のランチは、鮭の塩焼き定食だったよ!」
「三國君はそっちの方が良かった…?」

「鮭の塩焼きか……」
「撫子らしいランチだね……」

 俺は困った微笑み表情で亜紀に話す。
『撫子』の常連客はこの地域に住んでいる人たちだから、自然とおばさんやおじさん世代が多くなる。
 だからメニューも洋食より、和食が多いと真優美さんが以前言っていた覚えがある。

 俺と亜紀が話している間に、配膳を終えた真優美さんと陽葵先輩が戻って来て、真優美さんが俺と亜紀に向けて、嬉しそうな表情で話し掛けてくる。

「2人とも!」
「亜紀ちゃんには賄い。武蔵君にはランチが出来たよ!!」

「ありがとうございます。真優美さん!」

「ありがとうございます。真優美さん!」

 俺と亜紀はほぼ同時に、真優美さんにお礼を言う。
 声もハモり、それを聞いていた陽葵先輩は凄く嬉しそうな表情で、俺と亜紀に向けて話し始める。

「亜紀ちゃんと武蔵君。息がぴったりだったよ!」
「やっぱり、相性が良いね!!」

「!!」

「……」

 俺は陽葵先輩の言葉にビックリしてしまうが、亜紀の方は澄ました表情で有った。
 悪気の無い発言だが、俺と亜紀は一時的だが恋人関係で有った。

態々わざわざ、そんな事を言わなくても良いのに)
(亜紀だって、俺を振った事に後悔をしているらしいから……)

 陽葵先輩は天然の素質も持っているのだろうか!?
 それとも、良い機会だから俺を亜紀に譲り渡す気か!??
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

処理中です...