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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編
第556話 助けた本当の理由 その1
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川本(キッド)の心情……
……
俺は今。彗星と繁華街を歩いている。
先ほど。リンチされかけていた三國を助けた。
問題も無事に解決し、夕方の繁華街を彗星と歩いていると、彗星が怪訝な表情で話し掛けてくる。
「キッド…。何故、奴(三國)を助けたんだ!?」
「彼奴なんか、別に助けなくても良かっただろ!??」
「あぁ…。そうだな……彗星」
「アレとは別に、仲が良かった訳では無いしな」
俺は何時も通りの、澄ました表情で彗星に話す。
当然、彗星は理解出来ない表情に変わって、俺に言葉を続ける。
「なら、何で助けたんですか…?」
「奴がリンチにされたって、別に構わなかったのでは??」
彗星の言葉の後。俺は澄ました表情で、彗星からの質問に答える。
「うん…。そうだが……一応、同級生だしな」
「三國はヘタレだから、ボコられても男気の有る奴では無い」
「先輩達のリンチは成功するが、その後の三國は親に泣きつくか、学園にリンチの事を報告して事を大きくする筈だ」
「そうすれば当然、暴力事件に発展するから、学園内で収める事は厳しくなるだろうし、状況によっては三國側が警察に相談するだろう…」
「それで、もし、警察が学園に出入りする様に成れば、自然と警察は俺達の方にも目を向けて来る」
「警察は俺たちをマークしているし、学園側も俺たちをどうにかしたい筈だ」
「俺とお前は真面目な優等生では無く、鼻つまみ者だからな…」
最後の文章は苦笑しながら彗星に話す。
彗星は納得した表情で、俺に話し始める。
「……そう言う事ですか!」
「警察から、俺達は目を付けられて居ますからね!!」
「まぁ、そう言う事だ。彗星!」
「学園内に警官や刑事が頻繁に出入りされたら、人も殴れないし、煙草も吸えないからな!!」
俺は半分笑いながら、彗星に話す。
表情からして、彗星の方も納得している感じだ。
これで、彗星との話は終わりだが、さっきの理由で、俺は奴(三國)を助けた訳では無い。
俺が三國を助けた本当の理由は……伊藤亜紀からお願いをされたからだ。
……
伊藤(亜紀)とは同じ小学校で有り、住んでいる地区も同じで有る。
小学生時代の俺は、まだガキ大将レベルで有ったから、伊藤とは話す関係で有った。
三國が陽葵先輩と関係を持っているのは、以前から知っていた。
彼奴が陽葵先輩の家で有る喫茶店に、頻繁に出入りをしていたし、クリスマスの時も妹を連れて来ていたからな。
ちなみに、俺は陽葵先輩と面識は一応有る。
同じ地区で有るから、地区の交流イベントで何回か話をした事は有る。
俺が“それ”を知った時。ワザと岡谷に“それ”を教えてやった。
陽葵先輩の存在がどれだけ凄いかは、頭の悪い俺だって分かる。
奴は隠れて付き合っている様だが、いずれはバレる。
バレたら今回の様に、力でねじ伏せるのが目に見えていたから、俺は岡谷経由で三國に忠告させた。
だが、奴は忠告以降も陽葵先輩と関係を続け、その関係がバレるのも時間の問題で有った。
そして、伊藤の方も、それに気付き、自分の力でどうにも出来ない事を悟った伊藤は、とある日の下校時。学園正門付近で待ち伏せして、俺に助けを求めて来た。
『川本君…』
『突然で悪いけど、私の元彼と成る、三國君を助けてくれないかな?』
伊藤は澄ました表情で、俺にそう助けを求めて来た。
俺はその日、偶々一人の日で有った。
伊藤が三國と付き合っていたのは当然知っていたし、それを松田達が妨害して破局に追い込ませたのも知っている。
二村と言う女が首謀者だが、女の妬みは本当に恐ろしい。
お互い小学校からの関係だが、俺は当然断る。
幾ら小学校からの関係でも、俺は三國を助ける必要性は無いし、伊藤だって其処まで深い関係では無いからだ。
だが、断られたのに、伊藤はそれでも食い下がってきた。
『おねがい…!』
『川本君!!』
『三國君に腕力が無くて、喧嘩が弱いのを私は知っているし、それに川本君も知っているでしょ』
『私の自分勝手で三國君を振ってしまったから、せめて陽葵さんとは仲良くして貰いたいなと……』
伊藤は複雑な表情をしながら、俺に言って来る。
そんな事を言われても、俺には全然関係ない話なんだが……
……
俺は今。彗星と繁華街を歩いている。
先ほど。リンチされかけていた三國を助けた。
問題も無事に解決し、夕方の繁華街を彗星と歩いていると、彗星が怪訝な表情で話し掛けてくる。
「キッド…。何故、奴(三國)を助けたんだ!?」
「彼奴なんか、別に助けなくても良かっただろ!??」
「あぁ…。そうだな……彗星」
「アレとは別に、仲が良かった訳では無いしな」
俺は何時も通りの、澄ました表情で彗星に話す。
当然、彗星は理解出来ない表情に変わって、俺に言葉を続ける。
「なら、何で助けたんですか…?」
「奴がリンチにされたって、別に構わなかったのでは??」
彗星の言葉の後。俺は澄ました表情で、彗星からの質問に答える。
「うん…。そうだが……一応、同級生だしな」
「三國はヘタレだから、ボコられても男気の有る奴では無い」
「先輩達のリンチは成功するが、その後の三國は親に泣きつくか、学園にリンチの事を報告して事を大きくする筈だ」
「そうすれば当然、暴力事件に発展するから、学園内で収める事は厳しくなるだろうし、状況によっては三國側が警察に相談するだろう…」
「それで、もし、警察が学園に出入りする様に成れば、自然と警察は俺達の方にも目を向けて来る」
「警察は俺たちをマークしているし、学園側も俺たちをどうにかしたい筈だ」
「俺とお前は真面目な優等生では無く、鼻つまみ者だからな…」
最後の文章は苦笑しながら彗星に話す。
彗星は納得した表情で、俺に話し始める。
「……そう言う事ですか!」
「警察から、俺達は目を付けられて居ますからね!!」
「まぁ、そう言う事だ。彗星!」
「学園内に警官や刑事が頻繁に出入りされたら、人も殴れないし、煙草も吸えないからな!!」
俺は半分笑いながら、彗星に話す。
表情からして、彗星の方も納得している感じだ。
これで、彗星との話は終わりだが、さっきの理由で、俺は奴(三國)を助けた訳では無い。
俺が三國を助けた本当の理由は……伊藤亜紀からお願いをされたからだ。
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小学生時代の俺は、まだガキ大将レベルで有ったから、伊藤とは話す関係で有った。
三國が陽葵先輩と関係を持っているのは、以前から知っていた。
彼奴が陽葵先輩の家で有る喫茶店に、頻繁に出入りをしていたし、クリスマスの時も妹を連れて来ていたからな。
ちなみに、俺は陽葵先輩と面識は一応有る。
同じ地区で有るから、地区の交流イベントで何回か話をした事は有る。
俺が“それ”を知った時。ワザと岡谷に“それ”を教えてやった。
陽葵先輩の存在がどれだけ凄いかは、頭の悪い俺だって分かる。
奴は隠れて付き合っている様だが、いずれはバレる。
バレたら今回の様に、力でねじ伏せるのが目に見えていたから、俺は岡谷経由で三國に忠告させた。
だが、奴は忠告以降も陽葵先輩と関係を続け、その関係がバレるのも時間の問題で有った。
そして、伊藤の方も、それに気付き、自分の力でどうにも出来ない事を悟った伊藤は、とある日の下校時。学園正門付近で待ち伏せして、俺に助けを求めて来た。
『川本君…』
『突然で悪いけど、私の元彼と成る、三國君を助けてくれないかな?』
伊藤は澄ました表情で、俺にそう助けを求めて来た。
俺はその日、偶々一人の日で有った。
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だが、断られたのに、伊藤はそれでも食い下がってきた。
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