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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編
第555話 俺を助けた理由
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「チッ!」
「……」
「……」
川口は舌打ちをしながら、俺とキッドの側から離れて行く。
川口の仲間達は無言だが、同じように去って行く。
(助かったと言いたいけど、何でキッドは俺を助けてくれたのだろうか…?)
俺は心の中で思いながら、キッドにバツの悪い表情で話し掛ける。
「川本君…///」
「助けてくれて、ありがとうだけど……どうして、助けてくれたの?」
「……あっ?」
俺はキッドに話し掛けるが、キッドは『此奴、何言っているの?』の表情をしながら声を出す。
その後。キッドは澄ました表情で俺に話し始める。
「……別に良いだろう!」
「タイマンなら無視したが、リンチの感じがしたから、手を出しただけだ」
「……」
(それだけの理由で、俺を助けてくれたのか!?)
(キッドは学年一の悪者で有って、正義のヒーローではないぞ!??)
キッドの見た目は完全にDQNで有って、学園制服も崩して着ている。
遅刻・無断欠席は当たり前だし、悪い噂も良く聞く。
キッドの右腕で有る信濃(彗星)なんかは、何処かのチンピラとほぼ変わらない……
そんなキッドが、面識が有るとは言え、自ら助けに入る行動が、俺の中では未だに理解出来ない。
「……」
キッドの方も、俺が納得していない表情をしているから『どうしような…』の表情をしている。
しばらくの後。キッドは再び澄ました表情で、俺に話し始める。
「三國…。納得していない顔しているから、付け足しとくわ!」
「岡谷の親友だから、お前を助けた。それで良いだろ……」
(岡谷君の親友名目で、俺を助けた事にするのか)
(それなら筋は通るが……岡谷君とキッドは敵対関係で有って、親友関係では無いだろう!)
俺は再び、納得出来ない表情をするが、キッドはその表情で言葉を続ける。
「まぁ、深く考えるな!」
「俺が偶然、お前がリンチされている場面を見掛けて、俺は岡谷の親友でお前を助けた!」
「そして、お前は難を逃れて、今、此処に居る」
「それで、良いだろう。三國!」
「うっ、うん…」
俺は腑に落ちない表情で、キッドに返事をするしかなかった。
絶対、真の理由が有るはずだが、それを俺に話したくは無いのだろう。
「じゃあ、俺達は帰るから」
「じゃあな…」
「……」
キッドは澄ました表情で言い終えると、体の向きを変えて俺の側から離れ始める。
信濃もキッドの後を続くが、俺に声を掛けることは無かった。
「……」
(一体、何がどうなっているのだ!?)
(今回はキッドが助けてくれたが、今後はどうなるのだ!??)
(あっ、でも……キッドが最後、先輩達に言っていたよな)
『俺の目が黒い内は、三國の女に手を出すなと……』
(あの言葉を真に受ければ、キッドは俺の後方支援をしてくれる事に成る)
(そうすれば、今回の事は今後起きない事に成るだろう…)
キッドの実力(喧嘩)は、高等部内では完全に知れ渡っている。
学年内で、キッドに歯向かう奴はほぼ居ないし、三年生の先輩達だってキッドの恐ろしさを知っている。
(川口(先輩)がこれを流布すれば、俺と陽葵先輩は堂々と付き合える関係に発展出来るだろう)
(変な話。キッドのお陰で、この悪い状況が一気に改善出来そうだ)
今後の行方は断定出来ないが、俺の思惑通り行けば、俺と陽葵先輩は学園内で公認される関係と成る。
当然そうなって来ると、また松田や二村が妨害をして来るだろうが、キッドが裏で動いていることを知れば、手を出したくても出せないだろう。
(此処に居ても仕方ないから、家に戻るか…)
(家に戻ったら、今回の事を陽葵先輩に報告しないとな……)
考えをまとめた俺は、家に帰ることにした。
この顛末を聞いた陽葵先輩は、どんな風に捉えるのだろうか……
「……」
「……」
川口は舌打ちをしながら、俺とキッドの側から離れて行く。
川口の仲間達は無言だが、同じように去って行く。
(助かったと言いたいけど、何でキッドは俺を助けてくれたのだろうか…?)
俺は心の中で思いながら、キッドにバツの悪い表情で話し掛ける。
「川本君…///」
「助けてくれて、ありがとうだけど……どうして、助けてくれたの?」
「……あっ?」
俺はキッドに話し掛けるが、キッドは『此奴、何言っているの?』の表情をしながら声を出す。
その後。キッドは澄ました表情で俺に話し始める。
「……別に良いだろう!」
「タイマンなら無視したが、リンチの感じがしたから、手を出しただけだ」
「……」
(それだけの理由で、俺を助けてくれたのか!?)
(キッドは学年一の悪者で有って、正義のヒーローではないぞ!??)
キッドの見た目は完全にDQNで有って、学園制服も崩して着ている。
遅刻・無断欠席は当たり前だし、悪い噂も良く聞く。
キッドの右腕で有る信濃(彗星)なんかは、何処かのチンピラとほぼ変わらない……
そんなキッドが、面識が有るとは言え、自ら助けに入る行動が、俺の中では未だに理解出来ない。
「……」
キッドの方も、俺が納得していない表情をしているから『どうしような…』の表情をしている。
しばらくの後。キッドは再び澄ました表情で、俺に話し始める。
「三國…。納得していない顔しているから、付け足しとくわ!」
「岡谷の親友だから、お前を助けた。それで良いだろ……」
(岡谷君の親友名目で、俺を助けた事にするのか)
(それなら筋は通るが……岡谷君とキッドは敵対関係で有って、親友関係では無いだろう!)
俺は再び、納得出来ない表情をするが、キッドはその表情で言葉を続ける。
「まぁ、深く考えるな!」
「俺が偶然、お前がリンチされている場面を見掛けて、俺は岡谷の親友でお前を助けた!」
「そして、お前は難を逃れて、今、此処に居る」
「それで、良いだろう。三國!」
「うっ、うん…」
俺は腑に落ちない表情で、キッドに返事をするしかなかった。
絶対、真の理由が有るはずだが、それを俺に話したくは無いのだろう。
「じゃあ、俺達は帰るから」
「じゃあな…」
「……」
キッドは澄ました表情で言い終えると、体の向きを変えて俺の側から離れ始める。
信濃もキッドの後を続くが、俺に声を掛けることは無かった。
「……」
(一体、何がどうなっているのだ!?)
(今回はキッドが助けてくれたが、今後はどうなるのだ!??)
(あっ、でも……キッドが最後、先輩達に言っていたよな)
『俺の目が黒い内は、三國の女に手を出すなと……』
(あの言葉を真に受ければ、キッドは俺の後方支援をしてくれる事に成る)
(そうすれば、今回の事は今後起きない事に成るだろう…)
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学年内で、キッドに歯向かう奴はほぼ居ないし、三年生の先輩達だってキッドの恐ろしさを知っている。
(川口(先輩)がこれを流布すれば、俺と陽葵先輩は堂々と付き合える関係に発展出来るだろう)
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当然そうなって来ると、また松田や二村が妨害をして来るだろうが、キッドが裏で動いていることを知れば、手を出したくても出せないだろう。
(此処に居ても仕方ないから、家に戻るか…)
(家に戻ったら、今回の事を陽葵先輩に報告しないとな……)
考えをまとめた俺は、家に帰ることにした。
この顛末を聞いた陽葵先輩は、どんな風に捉えるのだろうか……
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