俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第554話 川本の交渉力

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「……先輩方」
「三國は……俺の同級生なんです」

「そちらの事情も分かりますが、三國を離してくれませんか?」

「……」

「!?」

(俺はまだ、キッドに助けを求めていないのに、勝手に助け始めたぞ!///)
(一体、何がどうなっているんだ!??)

 キッド(川本)が俺を助けてくれる行為を感謝しなければ成らないが、俺とキッドは親友関係では無い。
 正直言って、俺とキッドの関係は無の関係どころか、敵視する関係に成るだろう。

 同級生の名目で助けるとしても、キッドが俺を助ける旨みなど本来は無いはずだ。
 信濃はキッドの側に居るが、特に言葉を発しようとはしない。

「お前は確か……二年の川本。通称キッドだな…」
「お前の噂は三年でも聞いているよ。かなりのやり手だと……」

「……」

「……」

 川口は、キッドを見据えながら話す。
 キッドの腕っ節の良さは当然、三年まで広がっていた。
 他の2人もキッドの存在は知っているようで、信濃と同じように言葉を発しない。

「それで、三國を離してくれませんか。先輩?」
「俺も出来れば……先輩達との争いは避けたいので……」

「……」

「……」

「……」

 キッドは、澄ました表情と丁寧な口調で川口に話しているが、どう見てもキッドが上から目線の立場で話している。
 当たり前だが、先輩達は面白くない表情をしている。

「……川本」
「こっちだって、川本とは事を構えたくは無い」

「だが、何故、川本が三國の肩を持とうとする?」
「川本には全然関係ない事だろ!?」

 川口は不満そうな表情と、怒りを含ませた口調でキッドに話す。
 けど、キッドは澄ました表情で川口に話し始める。

「関係ないと言えば、関係は無いが……俺は暴力や脅迫で、人様の恋愛事情に手や口を出す人が苦手でね……それが例え先輩達でも」

「チッ……」

 キッドの言葉で舌打ちをすると同時に、しかめっ面をする川口。
 川口は悔しそうな表情で、キッドに話し始める。

「……分かったよ…!」
「此奴は解放してやるよ……」

 川口はキッドに言い終えると、今度は俺に向けて、その表情で話し始める。

「お前も……運が良い奴だな」
「川本が、偶然良く助けてくれてよ!」

「俺たちは、お前が陽葵さんと関係を深めるのを許さないが、川本とは事を構えたくは無い」
「俺らはこれで引くが、お前と陽葵さんとの関係を望まない生徒は、まだ“ごまん”と居る」

「後はお前が、どれだけ耐えられるかなだな……」
「他の奴らからの攻撃や、嫌がらせを!」

『パッ!』

 川口は俺に言い終えると、俺を解放するが、その表情は非常に不満顔で有った。
 川口は仲間に向けて、その表情で話し始める。

「邪魔が入っちまったので、これで終わりだ」
「森田、内倉。戻るぞ!」

「……」

「……」

 森田、内倉共に、何かを言いたそうな表情をしているが、ほぼ無言で川口に頷く。
 3人は体の向きを変えて、俺とキッド達の側から離れ始めるが、キッドは澄ました表情と低い口調で、川口達に向けて話し始める。

「三年の中に、後どれだけ譲羽先輩を思う人が居るかは知らんが、其奴らにも言っておけ!」
「俺の目が黒い内は、三國の女に手を出すなと……」

「!!」

(本当にどうして、キッドは其処まで俺の肩を持つ!?)

 キッドが俺を助けてくれるのは非常に嬉しいが、此処まで肩を持たれると何かの意図を感じてしまう。
 キッドが俺を助ける理由が、俺の中では全然分からなかった……
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