俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第546話 『撫子』でするクリスマスパーティー その8

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「兄ちゃん!」
「今まで、聞くつもりは無かったけど、兄ちゃんは卒園後の進路を本気で考えている…!?」

 虹心は真面目な表情の上、口調も強めで俺に言ってくる!

(そんなの、全く考えていないよ)
(虹心!)

 と、俺は思ったことを口に出したかったが、今は俺と虹心だけの会話では無い。
 俺のほぼ彼女で有る陽葵先輩も居るし、陽葵先輩の姉と言うより、ほぼ保護者となる真優美さんも居る。

 俺は悩んだ表情で、虹心に話し始める。

「……大体は考えているよ。虹心」

 俺は虹心に嘘をくが、虹心は俺の嘘を直ぐに見抜く能力を持っている!?

「……」

 案の定、虹心は眉をひそめながら、無言で俺を見ている。

『あぁ、兄ちゃんは嘘を吐いてるな!』
『もし、将来を意識していたなら、もう少し具体的に動いているはずだ!!』

 と、心の中で感じているのだろう。
 しばらくの無言後。虹心は軽い溜め息を吐いてから『やれやれ』の表情で、俺に話し始める。

「全く決めていないとでも言ったら、怒ってやろうと思ったけど、多少は考えているんだ……」
「けど、兄ちゃんの今の状況では、“名大”に進学したい気持ちは更々無さそうだね…」

「……」

「……」

 俺に向けて話している虹心だが、その内容は当然、陽葵先輩や真優美さんも勝手に聞いてしまう!
 2人とも『余計なことを言ってしまった』の表情をしている。

 陽葵先輩が困った微笑み表情で、俺に話し始める。

「……武蔵君」
「進学に関しては、何時でも相談に乗るからね」

「あっ、はい…」
「ありがとうございます。陽葵先輩」

 俺はバツの悪い表情で、陽葵先輩に言うしか無かった。
 俺には“名大”なんて無謀すぎるし、そもそも就きたい仕事が“はっきり”と決まっていない段階で、何処の大学に行けば良いのかも分からない。

「えっと……そろそろ、良い時間だし、お開きにしましょうか?」
「余り遅くなると、武蔵君たちの家族も心配するだろうし…」

 真優美さんは少し困った表情で、俺と虹心に向けて話す。
 さっきの発言(名大に関すること)が失言だと、本人は感じているのだろう。

 俺が言葉を発する前に、虹心は名残惜しそうな表情で、真優美さんに話し始める。

「……そうですね。真優美さん」
「兄ちゃんはサプライズが有ったし、私もお腹いっぱい料理が食べられましたし…」

 ……

 虹心の言葉で『撫子』で行われたクリスマスパーティーはお開きとなり、その後は真優美さんの運転する車で、俺と虹心は『撫子』から自宅まで車で送って貰う。
 俺はてっきり、陽葵先輩も付いて来るはずだと思っていたが、それには付いては来ず、陽葵先輩はパーティーで使った食器類の洗い物をするらしい。

「~~~」

「~~~」

 送って貰っている車内では、虹心と真優美さんが楽しく談笑しているが、俺はその談笑には参加せず、静かに車内から見える景色を見ている。
 ちなみに、助手席は俺では無く虹心が座っており、俺は後部座席に座っている。

(学園卒園後の進路か…)
(あの時の虹心は、場の空気を読んであれ以上の追求をしなかったが、陽葵先輩や真優美さんはどう感じたのだろうか)

(陽葵先輩だって、俺の学力は知っているはずだし、真優美さんは……俺に無謀な挑戦をさせたく無かったのだろうか?)
(けど、これを機会に、そろそろ将来を意識しないと行けないな)

 俺を弟目線で見ている陽葵先輩で有るが、何時までも、その目線で見てはくれない。
 願望は、陽葵先輩に相応しい男性へなるべき何だが……

 ……

 俺は自宅に到着するまで、そんな事を考えながら、車内から見える景色を眺めていた。
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