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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第545話 『撫子』でするクリスマスパーティー その7

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(……プレゼントの中身が非常に気に成るけど、今この場で開ける訳には行けないしな)
(これが、小学生ぐらいの子どもなら(?)、貰って直ぐに開封しても、問題は無いが!)

 大好きな人ひまりから貰ったプレゼントで有るから、俺は直ぐにでも開封したかったが、それをするのはマナー上良くは無い?
 まだ、子ども扱いされる学園生で有るが、常識だけは大人同等に扱われるからだ。

 貰ったプレゼント見ながら、俺は心の中で感じていると、陽葵先輩は微笑みながら俺に話し始める。

「武蔵君!」
「凄く中身を知りたそうな顔をしているから、教えて上げるね!」

「そのプレゼントはね、ペンケースだよ!!」
「そのペンケースに、学園で使う文房具を入れて、そしてたくさんの勉強をして、理想は私が進学を希望する大学なだいを、武蔵君も目指して頑張ろうね!♪」

「!?///」

 陽葵先輩は微笑みながら俺に話すが、陽葵先輩の言葉に驚くと言うより仰天してしまう!///

(陽葵先輩の目指す“名大”に、俺も目指す!?)
(冗談過ぎるよ……陽葵先輩!///)

 俺は“はっきり”と言って、勉強が好きより嫌いな方だ!
 課題だけは真面目にこなす(?)が、積極的な勉強はテスト期間以外しない。

 俺はまだ将来を決めていないので、学園卒園後の進路もほぼ未定だし、仮に大学へ進学して、その大学を卒業後に就きたい仕事も、特に決めてないと言うより無い!
 俺は手先が器用とは言えないから、俗に言う“職人”の世界には入れないし、定番の営業職や事務職にも興味が無い。

 俺が就ける仕事は多分……、軽作業に値する業種(仕事)だと思うが、そんな企業へ積極的に就きたいとは今の段階でも思わない!
 学園内の成績も良いとは言い切れず、今の成績(学力)では名大の推薦は疎か、一般入試で志願しようとしても、その前に行われる大学入学共通テスト(センター試験)で、俺は容赦無しに足切りされるだろう!

 ちなみに兄で有る航平と、妹の虹心は共に優秀だ///
 兄は“名大”ほどでは無いが、中の上に相当する大学を現役で卒業しており、虹心の方も本気を出せば“名大”を目指せる学力を持っている。

 俺が心の中で混乱していると……虹心が困った微笑み表情で話し掛けてくる。

「……兄ちゃん」
「これはまた譲羽先輩に……大きな期待をされちゃったね///」

「……今から勉強に目覚めて、本気で“名大”を目指せば、全くの不可能では無いけど、兄ちゃんだけは到底無理そうだね///」

「虹心…。無理どころか、無謀すぎるよ!///」
「特進コースだって、“名大”現役合格は難しいのに、普通コースの俺が“名大”を目指すのは明後日の方向過ぎるよ!!///」

 俺は少し頬を染めた、困った表情で虹心に話す。
 だが、陽葵先輩は穏やかな表情で俺に話し掛ける。

「武蔵君!」
「さっきのは半分冗談だけど……もし武蔵君が、本気で“名大”を目指すなら、私が勉強を教えて上げるよ!!」

「それに、私以外にもお姉ちゃんまゆみも居るから、私とお姉ちゃんが手助けをすれば、かなり現実味が出て来るんじゃ無いかな?♪」

「……」

 陽葵先輩の言葉を聞いて、俺は思わず『あ~~』の表情をする。
 陽葵先輩は普通コースで有るが、“名大”を目指している。

 そんな陽葵先輩を、“名大”現役合格にさせようとしているのは、陽葵先輩の姉と成る真優美さんで有る。
 真優美さんはあの性格の割りに(!?)、名大出身者で有るから、その名大OBが陽葵先輩に受験対策を教えれば、普通コースでも十分に勝算は出る。

 陽葵先輩の言葉を聞いていた真優美さんが、困った微笑み表情で俺に話し始める。

「……まぁ、陽葵は『あぁ』言ったけど、無理をして“名大”を目指さなくても良いからね」
「武蔵君…」

「……」

(真優美さんは、俺が“名大”に進学するのを望まないのか)
(こっちとしては、それは気楽で有るが……何だか複雑な気分だな…)

 陽葵先輩と真優美さんは仲が良い姉妹で有る上、唯一の家族で有る。
 妹と成る陽葵先輩が、俺を応援する行為に対し、姉はそれを応援や呼応をしない物か?

 俺は真優美さんへの返事を悩んでいると、何故か虹心が、急に真面目な表情で話し掛けてきた!
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