俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第510話 卒園式を迎える

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 ……

 時は流れ……3月1日を迎える。

 俺は六年間通った葉月学園を、遂に卒園する日が来る。
 学園生活約三分の二は、しょっぱい学園生活で有ったが、残りの三分の一は挽回出来たので、まぁ、良しとしよう。
 素晴らしい彼女も出来て、親友には大きく恵まれなかったが、学園生活は問題なく過ごせた。

 葉月学園高等部の卒園(卒業)式は、全校生徒出席で行われるので、同じ高等部で有る虹心も、卒園式に参加する(させられる)。
 そして、母親も本来は勤務日で有ったが、俺の式のために休暇を取って、式の観覧に来る。

 父親は相変わらずの単身赴任中で有るが、電報で卒園祝いのメッセージを貰う。
 電報と言う、今時には無いサプライズで有るが、父親なりに俺の卒園が嬉しいのだろう?

 これで、虹心とは一緒に、学園通学が出来る最後の日と成るので、俺は虹心と一緒に学園に向かう。
 卒園式の天気は……雲は少し多いが晴れている。
 めでたい日でも有るから、出来れば快晴が良かったが……

「無事に、卒園を迎えられて良かったね。兄ちゃん!♪」

 虹心は笑顔で、俺に話し掛けてくる。
 俺は和やかな表情で、虹心に話し始める。

「そうだな。虹心…!」
「卒園後の進路も無事に決まっているし、亜紀との関係も順調良く進んでいるから、本当良かったよ…」

「それでね、兄ちゃん。今晩はお寿司を取ると、お母さんは言っていたよ!」
「楽しみだね。兄ちゃん!♪」

 今晩は俺の卒園を祝って、晩ご飯は出前寿司を取るらしい。
 母親も、俺の卒園を喜んでいるのだろう。

「~~~♪」

「~~~♪」

 俺は虹心と雑談を楽しみながら、学園に向かった……

 ……

 葉月学園。高等部卒園式は、トラブルも無く順調良く過ぎて行く。
 この国らしい四角四面で、卒園式行事は過ぎて行く……

『グスッ、グスッ、―――』

『グスッ、グスッ、―――』

 今は卒園式中で有るから当然、“すすり泣き”が周囲から聞こえてくる。
 卒園する女子生徒たちが、すすり泣きしていたり、卒園を惜しむ後輩女子たちが涙を流している。

(俺唯一の後輩…)
(今日香ちゃんとは、物別れのままで終わりそうだな…)

(そして、もう一人の後輩…。虹心の親友でも有る、小鞠ちゃんもこのまま、真の復縁は無しで行きそうだな)

 俺は式の最中に、今日香ちゃんや小鞠ちゃんのことを思う。
 別にこの学園を卒園したからと言って、この二人とは会えなくなる訳では無いが、これが少し心残りだなと感じる。

 ……

 卒園式も無事に終わり、式会場から教室に戻って、最後に担任からの有り難い言葉を聞いてから、クラス解散と成る。
 クラスメイトが教室内で、別れの会話を始める中。その教室を足早に出ようとしていた岡谷君に俺は声を掛ける。

「……岡谷君!」

「……なんだ?」
「武蔵…?」

 俺は、爽やかな表情で岡谷君に声を掛けたが、岡谷君は素で返事をしてくる!
 だが、俺は爽やかな表情で、岡谷君に言葉を続ける。

「今日で、俺と岡谷君はお別れに成るけど、あっちの大学に行っても元気でね!」

「……なんだ。そんなことか!」
「俺は俺で、勝手に元気にするさ…!」

「武蔵も……今の女あきを大切にして、間抜けな行動はするなよ」
「……じゃあ」

 岡谷君は澄ました表情で俺に話し、話し終えるとそのまま教室を出て行ってしまう。
 俺の中では、岡谷君を親友だとずっと思っていたが、岡谷君は俺が二村の事を相談して以降、俺のことを親友とは見てくれなくなっていた。

(男気が有ると言えば良いのか……興味無しかは知らんが、岡谷君は最後まで不思議ちゃんだったな…!)

 俺が岡谷君と話している間に、陰キャラクラス親友たちは教室を出て行ったので、俺も卒園式で貰った荷物を手に持って、教室から出る。
 これで、俺の葉月学園生活は終わりを迎えた。

 そして、俺は学園を卒園出来たが、まだあっちの方は卒業出来ていない///
 亜紀の方も進路が決まっているし、学園も今日卒園出来たから、後はタイミングの問題だけで有るが……

 俺はそんなことを思いつつ、学園から家に戻った……
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