俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第486話 武蔵 燃料タンク誘爆!!

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『ドスッ!!』

「!!!」

「ぐわぁぁ~~!」

 長髪男性の拳は的確に、俺のみぞおちに拳を入れる。
 拳の打ち方からして、これは喧嘩慣れしている拳だ!
 ほぼ満腹状態の腹に、奴の重い拳が炸裂する!!

 俺は苦痛の悲鳴を上げると同時に、一気に吐き気ももよおす!!
 当然、これを我慢することは出来ない///

「!??」
「……うっ!」

 松田の拳には、過去に耐えた俺で有るが、長髪男性の拳はとても重く、そんな拳を真面まともに喰らった俺の腹部は、拳の衝撃で胃の内容物を逆流させる!!
 俺は、腹を両手で押さえながら嘔吐おうとする。

「うっ、うげえぇぇぇーーー」

『ベチャ、ベチャ、―――』

『ベチャ、ベチャ、―――』

「…うぉ! 汚ね!!」
「こいつ、ゲロりやがった!」
「えんがちょ!!」

「…………」

 俺の嘔吐瞬間を見た爽やか髪型男性は、自分の方に嘔吐物が掛からないように、俺の拘束を素早く解いてその場から離れ出す。

 けど、長髪男性は……俺の嘔吐姿を静かに見ている!!
 この長髪男性は、そのような姿を見るのが好きなんだろうか!?///

『……ゲホッ、ゲホッ、―――』

『ゲホッ、ゲホッ、―――』

 俺は満腹状態からの嘔吐なので、嘔吐の量もすさまじく、また、ほぼ未消化状態なので嘔吐物特有の嫌な匂いでは無く、食べ物自体の匂いもまだ漂ってくる。
 俺は立った状態での嘔吐なので、学園制服にあちこちに跳ね返った嘔吐物や、嘔吐物自体が付着する。

「~~~♪」

 篤志は俺の嘔吐姿を、楽しそうな表情で見ている。
 こいつは自分の手を汚さずに、悪行をするタイプだ!
 黒崎篤志が、こんな人間だったとは……

(こんなパンチ貰ったのは、小学生以降だな!)
(けど、パンチを喰らって吐いたのは初めてだ///)

(長髪男性のパンチは良いパンチをしている…。松田のパンチなんて比じゃない!)
(こんなの何発も喰らったら、俺の内臓は破裂確定だ!)

「あ~あぁ……武蔵さん…!」
「俺が奢って上げたご飯。みんな地面に出しちゃったね!♪」

「世界では食べられない子もたくさん居るのに、武蔵さんは贅沢だね~~」
「武蔵さんは過食症~~?♪」

 篤志は嬉しそうな表情で俺に言う。
 そして、更に人を小馬鹿にする。
 この攻撃が俺に大きなダメージを与えたと、篤志は見ている。

「はぁ、はぁ、―――」

「はぁ、はぁ、―――」

 俺は涙目に成りながらも、肩で息をしながら体を落ち着かせている。
 口の中は胃酸の酸っぱさと、逆流した消化物が付着していて、これでは満足に喋ることも出来ない。

 けど、俺はつばを飲み込んで口内を洗浄する。

「…………」

 俺の嘔吐姿見て満足した長髪男性は(?)、俺の側から離れ、爽やか髪型男性の側に戻る。
 篤志は、和やかな表情で俺に話し始める。

「さて、武蔵さん…!」
「武蔵さんも、これ以上の痛い目には遭いたくないでしょう!」
「俺のお願い事を聞いて貰えれば、そのダメージで済みますよ!!」

「キッ!」

 俺は睨み付けながら篤志を見るが、俺が篤志に襲い掛かったところで、篤志の下僕達に迎撃されるのは目に見えていた。

(くそっ!)
(どうすればいい!!)

(今までもピンチは何回か来ていたが、今回のは本当に大大ピンチだ!)
(児童公園の奥地だから人目には付かないし、それに薄暗い時間帯だ)

 俺の頭の中には『降伏』の文字がよぎるが、今度こそ無条件降伏かも知れない。

「……」

『サッ』

 俺を見ながら篤志は、制服の胸ポケットからICレコーダーを取り出し、それを手に持って俺に近付いて来る。

(彼奴…。あんな物を持っていたんか!)

 俺に近付いた篤志は、和やかな表情で俺に言い始めた。
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