俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第475話 黒崎篤志を知る… その1

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(これは厄介な相手が出て来たな…)
(太平洋戦争で言わせれば、ソ連が不可侵条約を一方的に破って、満州(日本)に侵攻して来たぐらいの出来事だ…!)

 さっきの篤志からの態度を見れば、篤志は亜紀のことを……完全には諦めていないだろう。
 だが、篤志の言った通り。音信不通の期間が長すぎたのと、今はフリーかも知れないが、別の女がいた可能性は十分に有り得るだろう。

 俺が篤志と面と向かって戦っても、多分勝てない相手に成る。
 篤志のイケメンレベルも高いし、この辺りの学生は圧倒的に近場へ有る、葉月学園に通うのに篤志は、名美崎なみさき市に有る名和高校に通っている。

 葉月学園も転入は受け入れているはずだろうが、その場合だと普通コースしか門戸が開いていない。
 篤志は名和高校に編入出来るだけの成績が有るのだから、偏差値50以下の葉月学園高等部、普通コースに編入したく無かったのだろう。

 武力に関しても、篤志は海外で暮らしていたから、治安もこの国とは比較に成らないぐらい、悪い中で生活をしていただろうし、身長も俺より高い。
 そんな奴と戦っても、俺が負けるのは目に見えている。

 亜紀とカラオケ個室で、良い展開を期待していた俺で有るが、とんでもない奴が現れてしまった……

「…………」

 篤志を遠目で見ている亜紀に、俺は困った表情で声を掛ける……

「……亜紀」
「亜紀に色々と聞きたいことが有るけど、その前にカラオケはどうする…?」

「あっ……ごめん。武蔵君!///」
「私ったら武蔵君が居るのに……篤志君に、気を取られてしまったわ///」

 亜紀は、悲しそうな表情で俺に言う。
 亜紀の方も、黒崎篤志を完全に諦めていた感じでは無さそうだ……
 亜紀は悲しそうな表情で俺に話し始める。

「今の私は、武蔵君とカラオケを楽しみたい気分では無くなってしまった」
「けど……武蔵君は気になるよね。篤志君のこと……」

「…それは、もちろんそうだよ。亜紀…」
「篤志が亜紀の以前言っていた、想いを伝えたい親友なのは分かったけど、出来ればその辺りのことをもう少し深く知りたい!」

 俺は亜紀に困った表情で言うが、口調は力強く言う。
 亜紀は観念した表情で、俺に話し始める。

「……分かったわ」
「この事は武蔵君に言う必要が無い事で有ったけど、篤志君が帰国をしたから、有る程度は話しておく必要が有りそうね」

「けど……モール内のベンチなどに座って、話せる内容では無いから、歌は歌わなくてもカラオケ店でその辺りのことを話すわ」
「……それで、良いよね。武蔵君?」

「…分かった。亜紀!」
「カラオケ店の個室で、その辺りのことを聞かせて貰うよ…」

 ……

 俺と亜紀はドーナツ店からプリンモール内に有る、カラオケ店に向かう。
 二人でカラオケを楽しむのでは無く、俺が亜紀と篤志の関係を知るために、カラオケ店の個室を使って聞く。

 カラオケを楽しめる状況では無いから、時間も一時間の最低限の設定にして、ドリンクもワンドリンクだけで有り、ポテトなどの食べ物も頼まない。
 カラオケ店のスタッフが、俺と亜紀が頼んだドリンクの配膳を終えてから、俺は亜紀と篤志の関係を、真面目な表情で亜紀に聞き始める。

「では、早速聞くけど。……二人の話しを聞いていた限り、亜紀と篤志は小学生からの関係なんだよね?」

「そう…。篤志君とは小学生の時からの関係。低学年の頃から仲の良い友達で有った」

 亜紀は澄ました表情で俺に話し始めるが、口調に何時もの覇気は感じない。
 仕方なしで話しているからだろう。
 亜紀はその表情で、俺に言葉を続ける……

「篤志君のお父さんが海外赴任する関係で、篤志君の家は一家揃って海外へ行った…」
「その時の私は小学五年生で有った」

「けど、その時の私は、篤志君を好きと言う感情では無く、一人の友達を失う気持ちで有った」
「篤志君の中では、そうで無かったはずだと思うけど……私は男女関係に発展はさせたくなかった」

「その時付近から、私は“女”で見られるように成っていたし、体も第二次性徴を迎え始めていた」
「だからこそ尚更。私はその様な関係を作らないようにしていた」

「武蔵君の知っての通り。私が“女”に成れば、学校の女子達は“やっかみ”を持ち始めるし、年が離れた男性や学生達が、一気に私を求めてやって来るからね!」

(亜紀はその年から美少女で、モテ始めていたんだ!///)
(小学生時代の亜紀も見てみたいな…)

「……話しは少しズレてしまったけど、篤志君が海外に行ってそれで『終わり』には成らなかった…」
「ふぅ…」

 亜紀は此処で、溜め息を吐く。
 ここから先が、言いにくいゾーンに入るのだろう。
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