俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第461話 パーティー料理 その1

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「……まぁ、こんな物だろう!」

 リビングを一応。クリスマスパーティー用に整えた俺は、虹心が作っているパーティー料理が気に成るので、俺はリビングを出て台所に向かうのだが……台所から漂って来るとある匂いで俺は疑問を感じる。

「あれ…?」
「今晩はクリスマスパーティーをするはずなのに、なんで和風出汁の香りがするんだ!?」

 クリスマスパーティーと言えば、やっぱりチキンで有る!
 本場は七面鳥や、とある国では鯉を食べるそうだが、この国ではチキンが定番で有る!

 ローストチキンやフライドチキン!!
 副菜もグラタンやフライドポテトなど、それに見合った物が出て来る。

 なのに俺の家の台所からは……鶏肉を揚げている揚げ物の匂いや、ローストチキンを焼く香ばしい匂いは漂って来ず、和風出汁の匂いしか漂ってこない??

(虹心は味噌汁でも作っているのか…?)
(けど、この匂いは味噌汁では無く、煮物系の匂いだな……)

 俺は嫌な予感を感じながら、台所の扉を開く。

『ガラッ』

「~~~♪」

『こと、こと、―――』

 虹心は鼻歌を歌いながらガスコンロの場所に居るが……其処には、大きな鍋がコンロの上に掛けられている。
 そして、俺はその鍋と台所に広がっている匂いから、とある食べ物が心の中で描かれる。

(……この匂いは間違いなく、おでんだよな…!)
(明日の晩食べる仕込みを、もう始めているのか!?)

 俺は不思議に感じつつ、虹心の方へ近付くが……台所の食卓には、クリスマスを感じさせられる料理が、何も並んでいないことに気付く!

(何故、春菊のお浸ししかテーブルには乗っていない?)
(フライドチキンやローストチキン。その副菜達は何処にいる??)

「……なぁ、虹心…!」
「虹心は今…。クリスマスパーティーの料理を作っているのだよな…?」

 俺は疑問を感じた表情で、鍋に向かっているに虹心へ話し掛けると、虹心は右手に菜箸を持ったまま俺の方に振り向き、和やかな表情で話し始める。

「…あっ、兄ちゃん!」
「リビングの方はセッティング出来た?♪」

「あぁ……セッティングは出来たが……おでんを作っているのか?」
「虹心……」

「そうだよ、兄ちゃん!」
「おでんだよ!!♪」

 俺の疑問に笑顔で言う虹心??
 俺は、表情を変えずに質問を続ける。

「明日の仕込みか?」

「違うよ。今晩の料理だよ!♪」
「兄ちゃん!!♪」

「!?///」
「……虹心!」

「今日はクリスマスパーティーだぞ!!」
「それに亜紀や桃香ちゃんも来るパーティーなのに、何で“おでん”を作っているんだよ!!」

 虹心の謎行動で思わず、俺は表情をしかめて声も張り上げてしまう。
 だが、虹心は困った微笑み表情で俺に話し始める。

「私だってね……チキンとかを用意しようとしたんだよ」
「けどね、亜紀さんが希望したんだ…///」

「!?//////」
「亜紀が“おでん”を希望した!?//////」

 俺は虹心の言葉で、思わず頬を染めて驚きの表情をする。
 だって、亜紀は俺にそんな事を一言も言っていなかったから……

 虹心は穏やかな表情で変わって、俺に説明をするように話し始める。

「亜紀さんの所は、自分の家で“おでん”を作らないんだって!」
「見ての通り。おでんは真剣に作れば面倒くさいし、今の時代はパック入りの“おでん”やコンビニが主流だからね」

「だから、私が作った“おでん”を良い機会だから、食べてみたいと亜紀さんからリクエストを貰ったんだよ!!」

「……」

(何だか納得出来ない話しで有るが、何時の間に虹心は亜紀と連絡を取っていたのだ!?)

 クリスマスパーティーのメイン料理が、チキンでは無く“おでん”に変わってしまったのは仰天で有るが、俺は尋ねる表情で虹心に質問を続けた……
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