俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第445話 葉月祭の昼食 その2

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「武蔵君」
「私達はお昼を食べに行こうか!」

 亜紀は穏やかな表情で俺に話す。
 今の時刻は、12時15分で有った。

 俺と亜紀も席から立ち上がり、グリーンホールから出る。
 俺は亜紀と歩きながら、亜紀に昼食のリクエストを和やかな表情で聞いてみる。

「亜紀!」
「昼食は何を食べたい?」

「武蔵君!」
「昼食は……家庭科部の喫茶コーナーで食べない?」
「……私のおすすめだよ」

「家庭科部の喫茶コーナー…?」
「グランドの飲食模擬店では無く??」

 亜紀は穏やかな表情で言うが、俺は思わず聞き返してしまう。
 家庭科部の模擬店と成る喫茶コーナーは、軽食も出来るが調理実習室を模擬店にしているので、高等部校舎に入らないと行けないし、学園祭を楽しむ昼食では無い?

 家庭科部の出す軽食類は市場と比べれば安いが、学園祭飲食模擬店の中では一番高価な部類に入る。
 俺は説得するわけでは無いが、疑問を感じた表情で亜紀に言い始める。

「亜紀…。亜紀は家庭科部の喫茶コーナーが良いの?」
「俺は別に構わないけど……そうすると、校舎に入らないと行けないぞ!」

「……武蔵君だから正直に言うけど、私は素人が作る料理が食べたくないんだ!」
「特に……料理も殆ど知らない、運動部男子達が作る料理が……」

 俺の言葉の後。亜紀は澄ました表情で爆弾発言をする!
 男子運動部系が出店する飲食模擬店の料理を、亜紀は食べたくないらしい!!
 亜紀は、その表情で言葉を続ける。

「その点。家庭科部の料理ならしっかりしている」
「あの人達は、キチンと衛生概念や調理方法を理解しているから!」

「野球部のチョコバナナはネーミングがふざけているし、サッカー部の“たこ焼き”も見栄えが悪いし作り方も雑。きっと半ナマを狙った生焼けも多いでしょう」
「アレしか売っていないのなら我慢するけど、そうで無ければ信用出来る人の料理を私は食べたい!」

「……」

(亜紀ってもしかして潔癖症?)
(それとも真面目な性格だから、おふざけは許さないと言うこと?)

 学園祭模擬店で食べる飲食は、味より雰囲気で有る。
 失敗もご愛敬で有る!

 味は素人だが値段も格安で有る。
 それが、学園祭の醍醐味で有る?

(俺は亜紀と飲食模擬店巡りをしたかったのだが、亜紀が嫌がるなら仕方ない…)
(これが虹心で有ったら、喜んで模擬店ジャンクフード巡りをするのだが……)

 今まで亜紀はずっと、虹心の上位互換と俺は見ていたが、此処でやっとも変だが亜紀独自部分を見た気がする。
 俺は理解した表情で、亜紀に話し始める。

「なら、亜紀」
「昼食は、家庭科部の喫茶コーナーに行くか!」

「ごめんね…。武蔵君///」
「武蔵君はグランドでの模擬店飲食を、楽しみにしていたはずだと思うけど…」

 亜紀は申し訳ない表情で俺に言う。
 楽しみにしていたのは事実で有るが、嫌がる亜紀と一緒に男子運動部が作った料理を食べても、楽しさは半減するだろう。
 俺と亜紀はグリーンホールから、校庭を歩いて高等部校舎に入り、調理実習室に向かう……

 ……

 高等部。調理実習室外観は、普段の殺風景の教室では無く、パーティーモールで飾り付けがされている。
 模擬店入口と成る場所には、喫茶店を意識するような立て看板も置かれており、少しでも喫茶店を意識させようとしている。

『Welcome♪』
『家庭科部 軽食・喫茶コーナー』
『グリーンオリーブ🌱』

『♣ただいま、営業中♣』

(うん!)
(喫茶店を連想させる。立て看板だ!)

(家庭科部の喫茶コーナーに来るのは、葉月学園に入学してから初めてだな…)
(今まではずっと学園祭の昼食は、グランドに出店している模擬店ばかりだったからな!)

 俺は心の中で感じながら、家庭科部の模擬店外観を眺めていると、亜紀が穏やかな表情で話し掛けてきた。
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