俺のモテない学園生活を妹と変えていく！？ ―妹との二人三脚で俺はリア充になる！―

第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第437話 小鞠を知らない亜紀！ その2

「～～～♪」

（安くて買うのは良いけど、それを持ってホールには行けないだろう…///）
（ホールに行く前に一旦、亜紀の教室に置きに行くのか！？///）

　俺と亜紀は学園制服姿なので、校舎には問題なく立ち入ることが出来る。
　結局、亜紀は……大根以外に、ニンジン、小松菜を選んでいた。

「すいませーん！」
「これ、ください！！」

「あっ、はい…！」
「いま、うかがいます！！♪」

　買う物を決めた亜紀は、直売所のスタッフと成る、園芸クラブの人に声を掛ける。
　盛況のため、園芸クラブの人達は忙しそうに対応をしている。

　そして、再び聞き慣れた声を聞いた時。俺は、出会って成らない人と出会ってしまう！///

「！！//////」

（嘘だろ…///）
（どうして、花壇担当の中等部小鞠ちゃんが、高等部の直売所に居るんだよ！！///）

　亜紀の応対をする人は、まさかのまさかで有る小鞠ちゃんで有った！///
　俺は亜紀の側から思わず離れようとするが、人混みが多すぎて身動きが取れない！///

「はい！」
「お待たせしました！！」

「そちらの商品ですね！！」
「大根、にんじん、小松菜！」

「全部で、100円に成り……ますっ！？//////」

　まだ、俺に気付いていない小鞠ちゃんは、笑顔と陽気な口調で亜紀の応対をしているが、亜紀に金額を言おうとして、亜紀に顔を上げながら言った時に、俺の存在に気付いて、最後の言葉を思いっきり跳ね上げる！///

『さっ…///』

「…………///」

　俺を見た小鞠ちゃんは、直ぐに顔を背け気まずい表情を見せる。
　だが、小鞠ちゃんを直接知らない亜紀及び、俺と小鞠ちゃんとの関係を知らない亜紀は、小鞠ちゃんに異変に気付きながらも、穏やかな表情で話し始める。

「？」
「……100円ね！」

「…………///」

『ガサ、ガサ、―――』

　亜紀が財布からお金を出す間。小鞠ちゃんは非常に気まずそうな表情で、野菜類をレジ袋に入れている。
　俺も小鞠ちゃんとは、こんな場面で出くわしたくは無かった。

「はい！」
「では、ちょうど100円で…！」

　亜紀はお金を置くトレイの場所に、100円玉1枚を置く。
　小鞠ちゃんは平静を装いながら、作り笑顔で亜紀に話し始める。

「でっ、では……ちょうど、いただきます！//////」
「……ありがとうございました！///（汗）」

「？？」

　お金を支払った亜紀は首をかしげながら、レジ袋を手に取るが、少し疑問を感じた表情で小鞠ちゃんに話し掛ける。

「あの……さっきから態度が少し変だけど、何か有りました？」

「いっ、いえ…。お客さんには何も、無いです！///」

　小鞠ちゃんは焦った表情で亜紀に言う。
　だが、小鞠ちゃんの言った言葉が、亜紀の不信感を倍増させる。

「私では無く……他の人！？」
「ねぇ……武蔵君？」

「武蔵君は、この女性と知り合いなの…？」

「！！//////」

「！！//////」

　勘の良い亜紀は、澄ました表情で俺に言葉を振る。
　亜紀の言葉で、俺と小鞠ちゃんは同時に驚く。

「すいませーん！」
「お会計お願いします！！」

　だが、中年女性が会計を求める声を付近で発する。
　その声で小鞠ちゃんは作り笑顔で、中年女性に向けて話し始めた。