俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第436話 小鞠を知らない亜紀! その1

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 暗黙のルールかどうかは知らないが、運動部系はほぼ100%飲食模擬店を出す。
 さっきの野球部のようにチョコバナナ、サッカー部はボールを意識してか“たこ焼き”などを模擬店で出す。

 逆を言えば、美術部が美術作品を展示せずに、サメ釣りの模擬店を出していたら、おかしな話に成るだろう!?
 文化部は飲食では無く、文化部の持ち味を生かした物で勝負をしなければ意味が無い?

「~~~」

「~~~」

 誰に説明しているかは分からないけど、俺と亜紀はグラウンドに出店されている各模擬店を見て回っている。
 すると亜紀が、和やかな表情で俺に話し掛けてくる。

「ねぇ、武蔵君!」
「直売所を見ていかない?」

「殆どの模擬店は屋台だけど、あそこだけは凄く賑わっているし!!」
「きっと、野菜などが安く買えるんだよね!!♪」

 亜紀はその場所を、指を指し示しながら言う。
『新鮮野菜』の、のぼり旗が立てられた、他の模擬店とはあからさまに違う存在。
 スペースも直売所の関係か、他の模擬店と比べて数倍以上広い。

「……」

(直売所の模擬店は……園芸クラブだよな!)
(俺が小鞠ちゃんから聞いた話しでは、高等部は果菜を担当するとか言っていたような…)

 俺は園芸クラブに所属している小鞠ちゃんを思い出すが……小鞠ちゃんは虹心と同じ中等部で有るし、担当分野が違うために園芸クラブの模擬店でも、其処には小鞠ちゃんは居ないと俺は感じる。

「……武蔵君は、直売に興味が無い?」

 俺が直ぐに返事をしないため、亜紀は澄ました表情で再度尋ねてくる。
 俺は理解した表情で、亜紀に言い始める。

「うん。分かった。亜紀!」
「まだ、時間も有るし、直売所を見に行こうか!!」

「?」

 亜紀は俺の言葉に一瞬、疑問を感じる表情を見せるが、俺と亜紀は直売所模擬店に向けて歩き始める。
 亜紀は小鞠ちゃんのことを、桃香ちゃんからは聞いて居ると思うが、実際に会ったことは無いはずだ。

『がや、がや、―――』

 園芸クラブの模擬店で有る直売所は、他の模擬店と比べて圧倒的な賑わいを見せている!!

「凄い人だかりだな…」
「それも、おばさん達ばっかり……(汗)」

 俺は驚きを見せた表情で呟きながら、直売所を亜紀と一緒に覗き始める……

「凄いよ。武蔵君!」
「大根が、1本10円だって!!」

「激安スーパー並の価格だよ!♪」
「お母さんに1本買っていこうかな!!♪♪」

 仮設の台に山積みされている大根を見ながら、亜紀は滅茶苦茶はしゃいだ表情と口調で言う!
 確かに安い大根で有るが……亜紀は大根を買うつもりなのか!?

「~~~♪」

 亜紀は言い終えると、大根の選別を楽しそうな表情で始める!
 その姿は、虹心の瓜二つで有った!!//////
 冗談抜きで、亜紀は虹心の上位互換だ!!//////

『はい。ありがとうございます~~♪』

 俺はその時。聞き慣れた声を聞くが、人の多さと亜紀の予想外の行動で驚いていたので、俺はその声を聞き逃す……
 俺はその声を聞いた時点で、亜紀の側から離れないと行けなかった……

「よし、この大根にしよう!」
「太さや長さもバッチリだし、傷や変形も殆ど無い!!」

 亜紀は嬉しそうな表情で、1本の大根を選ぶ。
 俺も虹心や母親のために、大根を買うべきかと迷うが、虹心のことだから今日の部活が終わったら、どうせ直売所を見に来るだろう。

 母親や兄も時間が有ったら葉月祭を見に来ると言っていたし、みんながもし、直売所で大根を買ってしまったら、三國家には大根が一気に4本揃ってしまう!///
 そう考えれば、俺が大根を買う必要は無い!

「~~~♪」

 大根だけかと思っていたら、亜紀は嬉しそうな表情で、ニンジンなどの他の野菜類も見始める!
 まだまだ、亜紀の買い物は続きそうで有った……
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