俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第409話 帰投 その1

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『ポン、ポン!』

「彩織~~。終わった、終わった!」
「教室に戻るぞ!!」
「武蔵に金は払ったし、彼奴らがチクらなければ何も問題は無い!」

「うっ、うん……///」

 松田は二村の肩を叩きながら、お気楽な口調で言う。
 二村は少し頬を染めて、どうしようもない表情で返事をする。

「……」

 松田は一人勝手に、教室方向へ歩き始める。
 松田は金を支払ったが、俺や亜紀への謝罪はしなかった。

「……」

「……」

 俺と亜紀は、その二村と松田を見て複雑な表情をしていた。
 変な言葉で有るが、俺と亜紀は『試合に勝っても勝負には負けた』からで有る。

 俺と亜紀はこれで、二村との接点を完全に失った……
 逆を言えば、二村は俺と亜紀の関係を認めたことに成る。

 どうでも良い人間が、付き合おうが別れようが、本人ふたむらは知ったことでは無いからだ。

「……///」

『ダッ!』

 二村は悲しそうな目線で、亜紀を一目見た後。
 松田に、駆け寄るように向かって行った……

 松田達と2回目の戦いに、幕が閉じた瞬間でも有った。
 秋らしく『亜紀の乱』と、名付けるべきだろうか!?///

「……」

 俺はこの時点で、スマートフォンで録音していた、録音アプリでの録音を終了させる。

 俺は、2回も亜紀や二村が絡んだ、松田達との戦いが有ったわけだが、俺の戦果は散々で有った。
 1回目は虹心と岡谷君に助けられ、2回目と成る今回は、亜紀に助けられている!///

 俺の被害も、1回目は軽微けいびで有ったが、2回目は頭部髪の毛、一部損失の被害を受けてしまう。
 本当に名前だけのむさしで有った!!///

 去りゆく、二村と松田を俺は眺めていると、亜紀が俺の側に寄ってきて、悲しそうな表情で俺に言い始める。
 ちなみに亜紀の右手には、千円札4枚が握り締められている。

「これで、彩織との関係も終わってしまったわ…」
「私は別に構わないけど……彩織も、アホなことをしたわね……」

「亜紀……」
「決着が付いたと言っては駄目だが、これで俺と亜紀との関係も、進展出来そうだな」

 俺は、遠くを見つめる表情で亜紀に言う。
 だが、亜紀は表情を変えずに、俺に言葉を続ける。

「彩織と松田君を抑えることは出来たけど、これで問題無く終わるかな?」

「……終わるだろう。亜紀!」
「松田が川本キッドが泣きついても、川本はDQNで有るが筋を通す人間だ」
「松田が川本に嘘を付かない限り、川本は動かないし、それにこっちは、この会話をしっかりと録って有る」

「俺と亜紀の噂話だって、松田達が余計なことをしなければ、自然と沈静化していく」
「俺は、学年男子の大半を敵に回すだけだが、一番厄介な松田を、亜紀が抑えてくれたから、終わったも同然だよ!」
「後のは雑魚では無いが、松田のように突っ掛かってくる奴はいない筈だ」

「!」

 俺は澄ました表情と、冷静な口調で亜紀に言う。
 亜紀は少し驚きの表情を見せてから、困った微笑み表情で俺に話し始める。

「武蔵君は……見掛けに依らず、分析力が有るんだね」
「私は、特進コースの事は全て把握しているけど、普通コースに至っては無に等しいから」

「亜紀…。俺が言うのも何だけど、普通コースと特進コースは本来、住む世界が違うんだ!」
「住む世界は違うけど、俺は二村経由で亜紀と出会えたし、それに最初に関係を持った場所は学園では無く、プリンモールショッピングモールで有った」

「おかしな話だけど、二村が俺に好意を持っていなければ、プリンモールで俺を見掛けても声は掛けていないだろうし、亜紀も二村と親友で無ければ、俺と出会うことは無かっただろう…」

 俺は澄ました表情で、説明する口調で亜紀に話す。
 亜紀は少し微笑みながら、俺に話し始めた。
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