俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第401話 武蔵の行方…… その3

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 俺は右足を二村に踏まれているので、この状況では立ち上がることは出来ない。
 亜紀は俺の正面に居るが、松田は俺の左横に移動して、俺の髪の毛を右手で掴み上げる!!

「おい……武蔵~~!」
「このまま武蔵の髪の毛…。僕の手で引き抜いて上げようか~~!!♪」

「この場で全部。武蔵の髪の毛を抜いてハゲにして上げれば、亜紀ちゃんも絶望して逃げ出すかも知れないからね~~♪」
「そうだ、そうしよう~~!♪」

 松田は気持ち悪い表情と、嫌らしい口調で俺に言う。
 だが、松田は脅しの力で俺の髪の毛を引っ張っているから、わめくほどの痛さでは無い。

「……止めろ。松田…」
「それに、卑怯だぞ!!」

 俺は苦痛の表情で松田に言うが、松田は手を離すことは無く、俺を見下す表情と低い口調で言い始めた。

「何が、卑怯だ……武蔵」
「彩織の心をもてあそんだ奴が、言う言葉では無いよ…」

 二学期最初のピンチが、俺に訪れてしまった。
 絶体絶命と言いたいが、俺はこの状況を抜け出すことを出来るのだろうか。

「三國君…」
「私は、あなたを親友として見ていた時期が有るから、情けで最後のチャンスを上げる」

「亜紀と別れて……!」
「それが出来ないなら、私は三國君を追い詰めるしか無い」
「……こうやってね」

『スッ…』

「!!」

 二村は怒った表情では有るが、落ち着いた口調で俺に言った後。
 スカートのポケットから、有る物を手に取りだした。
 俺はそれを見て、驚いてしまう!!

(この馬鹿女…)
(スカートのポケットに、カッターナイフを仕込んでいたのか!!)

(元々、二村にそんな知恵は無いはずだが、松田が入れ知恵したか!)

「……二村。それで、俺をどうするのだ?」
「俺の顔を、傷物にでもするのか…?」

 俺は眉をしかめながらだが、冷静な口調で二村に言う。
 そして、二村は……不敵な笑みを見せながら言い始める。

「ふふっ……どうしようかね!♪」
「本当はこのまま三國君の首を切りたいけど、それをすると私の人生が終わるし、武にも迷惑が掛かる」

「今日のところはね……私が美容師さんに成って上げる!!」
「もちろん、タダだよ。三國君♪」

 最後の文章は悪意の有る笑顔で、何かを覚悟した意味で言った後。松田が掴んでいる俺の髪の毛部分に、カッターナイフの刃を振りかざした!!

「!?///」

『ジョリ、ジョリ、―――』

「!!!///」

「おぉ!!」
「良いねぇ~~彩織!♪」

 俺の髪の毛に、二村のカッターナイフで切られる感触が、ダイレクトに伝わる!
 この女本気マジだ!!

 刃も新品なんだろう。
 良く切れる!?

 松田も、二村の行動で歓喜する!
 松田が掴んでいた俺の髪の毛は、本当綺麗に切られたらしく、俺は頭部を引っ張られる痛みは無く成ったが、先ほどの感触からして、かなりの髪の毛が切られたはずだ!!///

「……ほれ。…武蔵~~!」
「彩織が切った…。武蔵の髪の毛だよ~~!♪」

 松田は顔を“にやつかせながら”俺に、二村が切った髪の毛を見せながら言う!
 俺の髪の毛は、二村の手によって、5cm位は切られただろう!///

 川本キッドや信濃より、二村の方が遙かにヤバい奴決定だ!///

「~~~///」

 俺は此処で、事態の不味さと甘さに気付き、思わず涙顔に成ってしまう//////
 二村がこんな過激方法で攻めてくるなんて、俺は完全に甘く見ていた!//////
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