俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第4章 高等部先輩と後輩

第355話 洋風食堂『CLOVER♣』 その2

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 四人が座れるテーブルと椅子席に、俺と陽葵先輩。伊藤さん姉妹がそれぞれ座る。
 当然、向かい合ってで有る。

「……」

 伊藤さんは、椅子に着席するとキャップを脱ぐ。
 最近は食事時でも、キャップを被ったまま食事を摂る人も多いが、伊藤さんは違うようだ。

(キャップを被っている時は見えにくかったが、今日も綺麗なセミロングヘアーだな♪)

 俺は伊藤さんを見ながら、思わずそう感じてしまう。

 テーブルの上には洋食店らしく、白いテーブルクロスが敷かれている。
 俺たちが案内された席から、厨房内の全容をうかがうことは出来ないが、厨房内には男性の姿が見えるので、男性が調理担当で、日向さんが配膳担当なのだろう?

 俺たちは会話を始める前に、ランチの注文を先にするため、テーブル横に備わっている、ランチタイムメニュー表を陽葵先輩が手に取って、テーブル上に置く。

「みんな!♪」
「CLOVERの料理はどれを頼んでも、凄く美味しいよ!♪」

 陽葵先輩は笑顔で、俺たちに向けて言う。
 きちんとしたお店での外食は、俺にとっては本当に久しぶりだ!!

(さて、何を食べようかな~~♪)

 テーブル上にランチタイムメニュー表を置いて、それぞれが食べたい物を選ぶわけで有るが『♣ランチタイムメニュー♣』と、書いて有る関係上、この表に書かれている物しか注文出来ない感じで有る。
 こう言う物なのだろうか?

(桃香ちゃんはハンバーグを食べたいと言っていたから、ランチタイムメニューに有る『特製ハンバーグセット』を頼むであろうが……)
(値段はランチタイムなのに、1,050円もする…!!///)

(これは伊藤さんの言う通り、学園生が食べるランチの値段では無いな!///(汗))
(そして、俺は何を選ぼう……)

 美術館の料金を真優美さんが出してくれたお陰で、俺はこのランチを節約する必要は無い。
 好きな物を選んで、好きな物を食べれば良いだけで有るが……今日はハンバーグの気分では無い。

(あっ……ビーフカツセットが有る!)
(だが、値段は1,300円か…///)
(好きな物を食べるべきだが、陽葵先輩や伊藤(亜紀)さんは何を食べるのかな?)

「……私も桃香と同じ、特製ハンバーグセットにしようかな?」
「これなら……少しの予算オーバーで済むから!!///」

 伊藤さんは納得した表情で、ランチタイムメニュー表を見ながら呟く。
 伊藤さん姉妹は、特製ハンバーグセットか……

「CLOVERさんの”かに”クリームコロッケは、凄く美味しいのだよね~~♪」

 陽葵先輩は、嬉しそうな表情で独り言を呟く。
 俺が食べたい物を決める前に都合良く、他の人たちが食べる物を決めてくれる。

(成る程……そう来たか!)
(陽葵先輩が頼む、かにクリームコロッケ(セット)は、1,000円か…!)

(俺が食べたいビーフカツセットは1,300円…!)
(俺だけが、足並みを崩す行為をしそうだな!!///)

 食べたい物を食べれば良いだけで有るが、やはり俺だけ突出した料理を頼むわけにはいかないだろう。
 ビーフカツセットも捨てがたいが、出来れば1,000円前後の料理を選ぶと、みんなの輪も保てるだろう!?)

(ビーフカツセットはまたの機会として、ランチタイムメニューの下に有るハヤシライスセットにするか…)
(ハヤシライスだから肉は当然牛肉だし、ライス大盛り可と書き記して有るしな…!)
(同じ牛肉同士だから、俺の落とし所だろう!?)

 俺は心の中で妥協して、ハヤシライスセットを注文することに決める。
 ハヤシライスセットも、特製ハンバーグセットと同じ値段なので、伊藤さんから『三國君だけ、贅沢だね…!』などの、嫌みを言われることも無いだろう!?

「三國君は決まった…?♪」

 俺だけが食べたい物を呟いていなかったので、陽葵先輩が和やかな表情で聞いてくる。

「はい。陽葵先輩!」
「俺は、ハヤシライスセットのライス大盛りにしようかなと…!」

 俺は穏やかな表情で陽葵先輩に言うと、陽葵先輩は嬉しそうな表情で俺に言い始める。

「うん、うん。三國君♪」
「CLOVERさんのハヤシライスも美味しいよ!♪」
「私も、ハヤシライスにしようかなと迷っていたところ~~♪」

「あっ、そうなんですか。陽葵先輩!///」
「それは、期待出来そうですね……///」

(本当に嬉しそうな表情で言うな……陽葵先輩!///)
(ハヤシライスも美味しいのだろうけど、俺に気が有るぐらいの表情で言ってくれるな!!///)

「!…………」

 俺は、嬉し恥ずかしそうな表情で陽葵先輩に返事をした後。俺は心の中で思いながら、伊藤さんの方を“ふと”見上げると、伊藤さんは複雑そうな表情をしている!?

 俺と陽葵先輩との会話に、伊藤さんは“やきもち”を焼いてしまったのか!?
 前途多難な、ランチタイムに成りそうな感じがした……
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