俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第4章 高等部先輩と後輩

第335話 待ちわびた日 その1

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 ……

 十月中旬のある週末。
 今日は遂に、陽葵先輩と名美崎なみさき市に在る、市立美術館で開催されている特別展を見に行く日で有る。

 ちなみに、二学期中間テストは問題無く終わっている。
 俺の中では何時も通りと言えば良いだろう?

 天気も絶好の秋晴れで有って、まさに芸術の秋に相応しい日で有る。
 俺は普段より念入りにお洒落をして、デートへ行く準備を現在している。

「まぁ……75点ぐらいかな?」
「相手が譲羽先輩だから、許してくれるでしょう…」

 虹心はデート準備している俺の服装を見て、澄ました表情で言う。
 虹心のベースが俺には良く分からんが、75点も有れば良い感じはする?

 秋の時期では有るが、今日は結構気温が上がるため、秋らしい格好と言うよりやや夏向けの格好にする。
 この時期は気温に合わせて、服装の微調整が必要だから、夏と真冬と比べればやや大変だ。

 俺の姿は、長袖のシャツに薄手のジャケット。
 パンツ(ズボン)はカジュアルパンツで勝負する!?

 虹心いわく。俺の場合は流行の先端を追い掛けると、服に着られている姿へ成るらしいので、普段の延長線上の格好で決める。

(…陽葵先輩も流行に敏感そうでは無いし、それに今日は美術館がメインに成るから多分問題は無いだろう……)

 俺はそう思いながら、洗面台の鏡前で最終チェックをしている。
 寝癖は取れているか、鼻毛は出ていないか、ひげのそり残しは無いかを確認する。

「……」

 そして、俺の服装チェックを勝手にした虹心で有るが、俺の側から離れようとはせずに静かに、俺を観察している?
 身だしなみチェックを終えた俺は、虹心の方に振り向いて怪訝な表情で話し掛ける。

「……何か用か…。虹心?」

「別に用は無いよ!」
「兄ちゃんの見送りでも、しようかと思って…!」
「妹がエールを送って上げるよ!」

 虹心は穏やかな表情で俺に言う。

「そっか……ありがとう。虹心…!」

「いえ、いえ♪」

 俺は理解した表情で言うと、虹心は笑顔で言う。
 態々わざわざ見送りをしてくれるとは、虹心も暇な奴だ。

 陽葵先輩との待ち合わせ場所は、俺の家近くに有る駅の改札付近で、待ち合わせを決めた。
 本来は男性に成る俺が、陽葵先輩の家(真優美さん店)に迎えに行くべき何だろうが、俺の家から陽葵先輩の家に向かうには、電車を使わないと迎えに行くのが大変で有る。

 更に陽葵先輩を迎えに行った後。其処から名美崎市に向かう訳だが、一度俺の家近くの駅まで戻って来ないと行けない!!
 俺の家近く駅ホームには本線と支線が有って、本線を使えば名美崎方面に向かえるが、陽葵先輩の家が有る場所は、本線沿いでは無く支線に成るから、俺には二度手間に成ってしまう。

 その辺りは陽葵先輩が理解しているので、俺の家近くの駅で待ち合わせが決まる。
 駅での待ち合わせは10時と成っているので、俺は家を出ることにする。
 俺は洗面台から玄関の方へ向かうと、虹心もその後を付いて来る。

「兄ちゃん!」
「当たり前のことを言うけど、譲羽先輩へ過度に好意を求めちゃ駄目だよ!」
「兄ちゃんには一応、新倉先輩が居るんだから!!」

 玄関に着いた直後。虹心は真面目な表情で、俺に言ってくる。
 俺は穏やかな表情で、虹心に言い始める。

「大丈夫だよ。虹心!」
「俺は普通に陽葵先輩と、美術館の特別展を楽しんでくるだけだから!」

「うん。理解しているんなら良い!」

「でも、兄ちゃんは……何で、新倉先輩に三下り半を突き付けないの?」
「そうしたら私も、譲羽先輩のことを応援して上げるのに…」

 虹心は眉をひそめながら言ってくる。
 俺は、悟りを開いた様な表情で虹心に言う。

「今日香ちゃんに俺から三下り半を突き付けたら、あの子が困ってしまうだろ!」
「今日香ちゃんだって、自分の失言に悔やんでいると思うんだ!!」

「それに……今まで出会った人の中で、今日香ちゃんが一番付き合いやすいと俺は感じているんだ!!」

「……ようするに、兄ちゃんは新倉先輩をキープしたい訳ね!」
「譲羽先輩と関係が深まるより、新倉先輩の方が可能性高いから……」

『ジト目』表情で言うで言う虹心。
 正直言えば、虹心の言う通りで有る。

 俺みずから、今日香ちゃんへの道を潰す必要は無い。
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