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第3章 身近すぎる異性との関係

第272話 ニュータイプ その2

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「ねぇ、あなたのことを、虹心ちゃんと呼んで良い?♪」
「その方が、親近感が湧くし!!♪」

「あっ、はい…。大丈夫ですよ。新倉先輩///」

 新倉さんは笑顔で虹心に聞く。
 相手が学園の先輩と知ってしまった以上、虹心は控えめな笑顔で言う。
 きっと本音は……新倉さんと、関わりたく無いのかも知れない!?

「やったぁ~!♪」
「じゃあ、今から虹心ちゃんと呼ぶね!♪」
「よろしくね、虹心ちゃん!!」

「あっ、はい……よろしくお願いします」
「新倉先輩…///」

 新倉さんは笑顔で言うが、虹心は“たどたどしい”口調で言う!
 冗談抜きで、虹心は新倉さんとは馬が合わないのだろう。
 虹心と話し終えた新倉さんは今度、俺の方に視線を向けて、和やかな表情で声を掛けてくる。

「今度は男性だから、君で良いね!!」
「あっ、でも、年上の感じがするから、あなたの方が良いか!♪」
「あなたも初めて見る人だけど、今日はカップルでケーキを買いに来てくれたの?」

(新倉さんの目には俺たちが兄妹では無く、カップルで見ているのか!)
(真優美さんは俺たちを直ぐに見抜いたが、新倉さんはテンプレートで来たか!?)

「えっと……さっき、自己紹介を聞いていましたので、新倉さん!///」
「俺は、虹心の兄になる。三國武蔵です!」
「新倉さんや虹心と同じ、葉月学園に通っており、高等部二年生になります…!」

「あっ……武蔵君は、二年生なんだ!」
「あぁ!! そうすると、僕は三國先輩と、本来は呼ばないと駄目だよね!///(汗)」

 初めの内は澄ました表情で言っている新倉さんだが、俺が先輩に当ると気付き、驚いた表情と素っ頓狂な声を出しながら言う。

(何だか……この子。憎めない子だな///)
(悪気が有って言っている訳では無いから、怒りや不満が湧いて来ない!)

「別に大丈夫だよ。 新倉さん!!」
「俺はそう言うのを気にしないから!!」

 俺は爽やかな笑顔で新倉さんに言う。
 すると、新倉さんは伺う表情で聞いてくる。

「あっ、そうなの!」
「じゃあ、三國先輩では無く、武蔵君と呼んでも怒らない…?」

「うん。大丈夫だよ。新倉さん!」
「それに俺も、新倉さんのことを、今日香ちゃんや今日香と呼んでも良い?♪」

「うん。もちろん良いよ。武蔵君!♪」
「私は武蔵君の後輩になるから、今日香と呼び捨てで呼んでも平気だよ!♪」

 俺が和やかな表情で言うと、今日香ちゃんは笑顔で言ってくれる。
 今まで出会った女性の中で、一番スムーズに事が進んでいるぞ!!
 もしかして、新倉今日香ちゃんが俺の運命の人か!?

「……」

 虹心は俺と今日香ちゃんの様子を、微笑ましい表情では無く、呆れた表情で見ている!
 虹心の中では『有り得ない!!』とでも、感じているのか?

「それで武蔵君!」
「武蔵君とは今日初めて会ったけど、このお店には偶然入って来たの?」

 今日香ちゃんは和やかな表情で、俺に聞いてくる。
 俺も和やかな表情で、今日香ちゃんに答える。

「俺は、虹心の付き添い見たいので来たけど、喫茶『撫子』から教えて貰って来たんだ!」

「撫子…あぁ、譲羽さんの所だね♪」
「譲羽さんはこのお店一番の、超お得意さんだからね!!」
「なんせ、焼いたケーキの半分近くは、譲羽さんの所(喫茶店)へ卸しているからね!♪」

「えっ!?」
「ケーキの半分も、真優美さんの所(撫子)に卸しているの!!」

 今日香ちゃんが笑顔で言う中、俺はその言葉を聞いて驚く!
 幾ら、新倉洋菓子店と撫子の関係が有るからと言って、作ったケーキの半分も卸すと言うことは代理や委託販売にも取れてしまう。
 今日香ちゃんは、困った微笑み表情に成って話し始める。

「武蔵君や虹心ちゃんも商店街を通って、このお店に来てくれた筈だけど、見ての通り閉店しちゃったお店も多いんだ…!///」
「当然、商店街が寂れると、人通りも少なく成るし、常連さん以外は来なく成るから、売り上げも自然と落ちていく……」

「店の売り上げが毎月落ちて行ったら……お店の未来は、想像出来るよね!」
「武蔵君……」

 俺は余計なことを聞くべきでは無かったと、思わず感じてしまった!///
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