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第3章 身近すぎる異性との関係

第240話 喫茶店に行く兄妹 その2

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 俺と虹心は自宅から駅まで徒歩で歩き、駅からは電車に乗って、真優美さんのお店が有る地域の駅まで電車に乗る。
 その駅からは再び、徒歩で真優美さんのお店へ向かう。

『ツク、ツク、ボーシ♪』
『ツク、ツク、ボーシ♪』

 蝉が元気鳴く中。俺と虹心は、とある駅から真優美さんのお店に向かっている。
 今日は晴天で有るから、日差しも強くて気温も高い。
 アスファルトからの照り返しも、普段よりキツく感じる。

 今日の虹心は帽子を被っているが、リュックは背負っていない。
 喫茶店に行くだけだから、リュックを背負うほどでは無いのだろう。

 だが、代わりにポシェットを下げている。
 服装も見慣れたパーカーシリーズで有る。

 虹心は本当にパーカー好きだ。
 俺はそんなことを感じていると、虹心は和やかな表情で俺に声を掛けてくる。

「兄ちゃん。後、どのくらいでお店に着くの?♪」

「此処から……10分も掛からないよ!」

 俺は、虹心からの質問を穏やかな表情で答える。
 虹心はその表情で言葉を続ける。

「ねぇ、兄ちゃんから聞いた話しだと、そのお店の近くに伊藤さんや二村さんのおうちが有るんだよね!♪」
「もし、どちらか若しくは両方の人が、喫茶店内で兄ちゃんと鉢合わせたどうする!♪」

(また、ややこしい質問をして来たな…!)

 虹心の問い掛け通り、真優美さんのお店で伊藤さんや二村さんに出会えたら、嬉しいハプニングに成るだろう!?
 伊藤さんだったら色々と会話が出来るし、二村さんでも松田が居なければ、関係改善が望めるかも知れない?

「うん……それは、嬉しいに決まっているよ。虹心…!」
「理想は二村より……伊藤さんだが…!///」

 俺は澄ました表情で虹心言うが、少し顔はにやけながら話している。
 虹心は穏やかな表情で言い始める。

「もし、そう成ったら、嬉しいね!」
「兄ちゃん!!」

「そうだね…。虹心!!」
「伊藤さんも二村さんと関係を改善したとは聞いてないから、二人で居ることは無いだろうけど、どちらかなら十分有りうるかも知れない!」

「二人共、真優美さんのお店を気に入っていたし、真優美さんも二人のことを気に入っていた!!」

 俺は和やかな表情で虹心に言う。

「それで、兄ちゃん!」
「ちなみに今日は、どんな物を食べさせてくれるの?」

 虹心は嬉しそうな表情で話題を変えて、真優美さんお店で食べる昼食を聞いてくる。
 俺はそれを穏やかな表情で答える。

「どんな物か…!」
「喫茶店と言えば日替わりランチが有るが……虹心は希望の物が有るのか?」

「真優美さんには聞いていないが、多分……日替わりランチは有るだろう!」
「前回言った時、軽食系のメニューを詳しくは見ていないが、サンドイッチとかナポリタンはメニューに有った気がする!!」

「サンドイッチやナポリタンか……!」
「ふうん…。喫茶店らしいメニューだね!!」

「けど、それを頼むぐらいなら、日替わりランチの方が気に成るね!!」
「日替わりランチはメニューに無い料理が、出る時も多いらしいから!!♪」

 笑顔で言う虹心。何処でそんな知識を仕入れたのだ?
 まぁ、良いか!

 虹心は料理を作るのも好きだが、同時食べる事も好きで有る。
 それは料理を作る人なら、当然の行為だろう!?

 虹心と楽しく話しながら歩いていると、小さな公園が見えてきた。
 この公園が見えて来たと言うことは、真優美さんのお店はもう直ぐで有る。
 俺は笑顔で、虹心に話し掛ける。

「虹心!」
「間もなく着くよ……あっ、あのお店!!」
「真優美さんのお店だけど『撫子なでしこ』と言うんだよ!!」

「へぇ~~。あのお店か!!」
「見事に住宅街へ、溶け込んでいる喫茶店だね!!」
「喫茶店の名前も良い名前だし、これは期待出来そう!!♪」

 真優美さんのお店を視認した虹心は、嬉しそうな笑顔で言う。
 俺も笑顔で虹心に言う。

 笑顔の虹心を見ていると……こちらまで、嬉しくなりそうだ!!
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