俺のモテない学園生活を妹と変えていく！？ ―妹との二人三脚で俺はリア充になる！―

第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第120話 メールで連絡 その1

（まぁ、それなら、それでも良いけど……伊藤さんが素直に、俺と付き合ってくれる保証は無いからな…）
（今から、特進コース教室に行っても、また門前払いされるだろうし、取り敢えず昼食を買いに行くか！）

　俺は自席から立って、教室から購買に向かう。
　その時に、二村さんが座って居る席を眺めたが、二村さんは一人静かに昼食を摂っていた。

　これは何時も通りの光景で有るが、何処となく、寂しさを漂わせていた？
　やっぱり……伊藤さんと縁を切ったことを、後悔しているのだろうか？

（俺が今、二村さんに声を掛けたら、二村さんは振り向くのかな？）
（けど、いまそれをしたら、松田達から完全にロックオンされる！！）

（ここは、伊藤さんとの約束を守ろう……）
（俺が勝手な行動を取ってしまうと、伊藤さんとの約束を破ることに成るし、状況が更に悪化してしまうかも知れない！）

　俺は後ろ髪を引かれる思いで、購買に向かった。

　……

　スタートダッシュを切らなかった所為で、今日も惣菜パン類を買うことは出来ず、売れ残っていた菓子類パンを買って、教室に俺は戻る。

（今日は、クリームパンを買えただけマシか……）

　俺が教室に戻った時点で、二村さんは自席に居なかった。
　また、卓球クラブの親友が居る、教室にでも向かったのだろうか？

　俺は自席で昼食を終えた後は、特にやることは無い。
　チャイムが鳴るまで自由時間で有るが、岡谷君にこの事ふたむらを話しても聞いてくれないだろうし、高岡たちにも相談はしにくい……

（伊藤さんにキャリアメールで一応、経過報告だけ入れておくか！）

　俺は、伊藤さんと連絡交換をしている。
　携帯電話番号は教えてくれなかったが、キャリアメールとRailのIDは教えて貰えた。
　そして、連絡はRail中心では無く、キャリアメールを中心に行うと伊藤さんは言っていた。

（慣れてしまえば、Railの方が遙かに便利だけど、伊藤さんは嫌がっていたかな…）
（まぁ……その辺りは人それぞれだけど、キャリアメールの方が、バレにくいと言われればそれまでだが……）

　俺はスマートフォンをポケットから取りだして、メールアプリを起動させて、伊藤さん宛にメッセージを打ち込み始める。

「伊藤さん！　こんにちは！！」
「二村さんに関することで、経過報告します」

「二村さんはやはり、松田達と関係を著しく関係を深めています……」
「このままでは、非常に不味いです……」
「今日も放課後。相談に乗って貰えませんか？」

（……こんな感じかな？）
（キャリアメールでも顔文字や絵文字は使えるが、伊藤さんの性格上、遊び心を許す人では無い感じがする！？）

　伊藤さんの性格は、はっきり言って、超が付くほどの真面目で有る。
　言葉遣いも丁寧（？）だし、動作もおしとやかだ！？

　けど、これは表面上で有るだけで有って、本来の中身は虹心と同じ筈だろう。
　まぁ、そんな感じはするが、俺は伊藤さんと同じクラスメイトに成った事は無いし、関係も本格的に深めだしたのも今週（月曜日）からだ。

（これで、送って見よう！）
（まだ、昼休憩時間は残っているし、運が良ければこの時間帯に、伊藤さんから返信が来るかも知れない！！）

　俺はそう思いながら、伊藤さん宛にメール送信ボタンをタップする。
　これで、伊藤さん宛てへのメッセージ送信完了だ。

（返信が来るまでは、適当にスマートフォンで時間を潰すか……）

　俺も親友に恵まれている側では無いので、俺の席へ積極的に来る親友は居ない。
　岡谷君は全く来ないし、高岡も人との会話を楽しむより、休憩時間は小説投稿サイトの小説を読んで過ごしている。

　スマートフォンで、小説や漫画が気軽に読めるのは良い時代で有るが、俺の家は厳しい家（？）で有るので、Web雑誌サイトやアプリから、電子データ雑誌や漫画類を買うことはまだ許されていない。

（雑誌は別にして、単行本も巻数が増えていくと……置き場所が無く成るかならな）
（雑誌サイトやアプリから買えれば、本はデータに成るから、置き場所問題も一気に解決出来るのだけど……）

　これは各家庭の事情だから、俺が“どうのこうの”出来る問題では無いが、俺の家はそう言ったルールで有る。
　学園を卒園すれば、その辺の縛りも緩くなるから、もう少しの辛抱だ！

『ブブブ～～～♪』

　どうでも良い事を考えていると、スマートフォンからバイブ音が響く！

（もしかして、伊藤さんからかな！）

　伊藤さんからの返信を期待しながら、俺はスマートフォンの操作を始めた。