俺のモテない学園生活を妹と変えていく！？ ―妹との二人三脚で俺はリア充になる！―

第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第88話 暗雲

「じゃあ、三國君。Railの交換をしよう！」

　二村さんは和やかな表情で、スマートフォンを取り出しながら言う。

（細かい所は、後から謝れば良い！）
（まずは……Railの交換だ！！）

「はい！」
「連絡先を交換しましょう！！」

「……」

　俺は笑顔で二村さんに言って、俺もスマートフォンを取り出す。
　伊藤さんが無言で俺と二村さんを見つめている中。俺と二村さんはRail交換を無事に終える。

「これで、三國君と交換完了♪」

　二村さんは嬉しそうな表情で言う。
　機嫌も、元に戻っている感じがする。
　これで、最初の目的が達成出来た訳だが……

「彩織は……松田君と中田君から、好意を感じ取れなかったの？」

　伊藤さんの中でも疑問に感じたのだろう。
　澄ました表情で、二村さんに質問をしている。

「好意…？」
「好意かどうかは分からないけど今日、松田君から私にファッションのコーディネートをしてと、頼まれたけど変わって居るよね、松田君！」

　二村さんは、午前中の出来事を笑顔で言う！

「彩織！？」
「それ…、思いっきり、好意を持たれているよ！？」
「何故、気付かない！？」

　案の定、伊藤さんは仰天の表情と素っ頓狂な声を上げた！！

「うん。亜紀…？」
「もう、これで好意に成るの…？」

「だったら最近、中田君も私をしょっちゅうカラオケに誘ってくるから、これも好意だね♪」

「……」

「……」

　俺と伊藤さん。本当に言葉が出なかった……。二村さんド天然すぎるだろう！
　俺は好きなる相手を、間違えたかも知れない……

「……彩織が天然素質なのはずっと知って居たけど、まさかここまでとはね…」

　伊藤さんは呆れた表情で呟くと、二村さんは興奮した表情で、俺と伊藤さんに聞いてきた。

「ねぇ…？　三國君、亜紀！」
「好意って態度では無く、言葉で示す物では無いの！？」

　二村さんは、異性からの行為を好意として感じ無いのか？
　だからこそ、二村さんは伊藤さんの様に自衛する事は無く、自分の性格を貫き通して来られた？？

「……最終的には言葉で伝える物だよ。彩織！」
「彩織と三國君の場合は、私が背中を押してしまったけど、誰もがそう言う事が出来るとは限らないわ…」

　伊藤さんが穏やかな表情で言い終えた後。俺も真面目な表情で二村さんに言い始める。

「俺も、以前から二村さんを意識していたが、陽キャラやDQN系の報復が恐くて、二村さんや伊藤さんには、声自体を掛けられなかった」
「女子の苛めも陰湿だが、男子の場合はそれプラス、暴力が加わるから心より、体のダメージの方が遙かに大きい…」

「……伊藤さんから、少し聞いてしまったよ」
「二村さんの過去を…///」

「！！」

「亜紀！？」
「どこまで言ったの！？　三國君に！！（怒）」

　俺の言葉で二村さんは、テーブルに手をつきながら立ち上がり、伊藤さん向けて声を荒げながら言う！？
　その動作に、閉店作業をしていた真優美さんもびっくりしていた。

　怒りに近い、興奮の表情を見せている二村さんに、澄ました表情で話し始める伊藤さん。

「どこも無いよ…」
「彩織が女子たちからの嫌がらせを、私と同じ様に受けていたと話しただけだよ…」

「…………」

　伊藤さんに、何かを言いたそうな表情をしながら、二村さんは無言で席に座る。
　真優美さんもこちらの様子を覗っていたが、しばらくすると閉店作業を再開させた……