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第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第75話 密室での相談!? その3

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「……伊藤さんは、俺の生活がうらやましいと!?」
「クラスの異性から殆ど相手にされずに、同性からも微妙な立ち位置で、青春を全然謳歌仕切れていない俺が、伊藤さんには羨ましいのですか?」

 俺は伊藤のさん言葉を聞いて、少し声を荒げながら言ってしまうと……

「三國君。声が大きい!」
「自習室だから、小声で!!」

 伊藤さんは俺の言葉を買わずに、冷静な口調で受け流す。

(う~ん)
(これが普通の人なら、謝るか反論するのに……伊藤さんは聞き流した)

「……三國君も、私の立場に成ったら嫌でも解るよ」
「男子や男性から性的目線に見られて、女子からは煙たがれる……」

「町を歩けば、本当に知らない大人達に声掛けをされて、丁寧に断わっても罵声を浴びせられる」
「三國君はそれでも、私が恵まれていると言いたいの…?」

 反論と言うより正論を、伊藤さん澄ました表情と冷静な口調で言う。
 やっぱりこの人は、今まで出会った人とは違う。
 自己分析が完全に出来ていて、意志や目的が定められている。

「それだったら、冷たい人と思われても良いから、私は冷めた態度、口調を取る事にした」
「……何で、三國君にこんな事を話しているのだろう?」

 伊藤さんは最後『あれ?』の表情をしながら言う。
 冷静だと思っていた伊藤さんだが、心の中ではやはり感情的に成っていたようだ。
 伊藤さんですら、完璧の演技は難しいか……

(俺の予想通りか……今日の俺は頭が冴えるな!)

 これで、伊藤さん本当の正体が判明した!
 二村さんと同じ様に明るくて、優しくて、思いやりが有って、さらに成績優秀が付加される。
 伊藤さんこそ正真正銘、学年一の美少女で有ろう!!(俺発表)

「……三國君。彩織のことを相談しようか?」
「さっきの事は聞き流してね……三國君は優しいから、出来るよね///」

 伊藤さんの表情は澄ました表情だが、口調は恥ずかしそう言って、最後は頬を染める。

(やっぱり……可愛いと言うより、美人だな!//////)

「はい……伊藤さんの気持ちが、少しだけど理解出来ました」
「俺は伊藤さんを親友と見ていますし、他言はしません!」

 俺は伊藤さんの名誉を守る為に、理解した表情で言うが、それと同時にその姿の伊藤さんを、自分の者だけにしたかった。

「親友ね……。そう成ると三國君が久しぶりに…、男子での親友に成るのか?」
「私のクラス内ですら、親友と呼べる男子は居ないのに…」

 伊藤さんは、何かを思い出す表情で呟く!?
 この人はどれだけの期間……自分で殻を作ってまとっていたのだ?

(……クラス内に、男子の親友が居ない!?)
(伊藤さんの好きな人は、本当に誰なんだろう?)
(まぁ、普通に考えれば学園以外の誰かか……)

 俺はそう感じた。
 学園内なら絶対、噂話に成るからだ。

 俺の中では伊藤さんに対する謎が、深まるばかりで有った……
 ここまで、自分を隠し通す人も珍しい。

(さっきの発言は俺のことを親友と、伊藤さんが認めてくれたのか!?)
(嬉しいと言えば嬉しいけど、これでは俺は二村さんから、伊藤さんに乗り換えてしまいそうだ//////)

 学年一位・二位の美少女と関係を持っている男子は、恐らく学年内で俺以外は居ないだろう。
 伊藤さんはさっきの言葉通り、自ら壁を作り上げて、男子たちとの接触を拒んでいる。
 伊藤さんが俺を親友として認めたのは、二村さん絡みでやむを得なく、親友として認めた可能性が高いが……

「では、改めてお願いします。伊藤さん!」

 俺は笑顔で伊藤さんに言うが、伊藤さんは微笑むことは無く、澄ました表情で返事をする。

「……三國君を、親友と認める日が来たか…」
「けど、期待は一切しないでね」
「私は彩織のことを思って、三國君と関わるだけだから…」

(やっぱり、そうか……)
(俺に好意が有って親友に成るのでは無く、二村さんを思っての親友か…)
(けど……棚からぼた餅だ!!)

「伊藤さん!」
「では、二村さんに関する相談をさせて貰いますね!!」
「俺は二村さんと関係を―――」

 俺が伊藤さんに、二村さんに関する相談を始めた直後……

『ガラッ!』

「!!!」

「……」

 自習室の扉が、急に勢いよく開かれた!?
 俺はその音で心臓が飛び跳ねるが……、伊藤さんは驚く表情を全く見せない!?
 ノックもせずに開ける、不届き者が!!
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